調査履歴

“2012年 R地区調査” 編 (38)



12.01.03
12.01.27  Plateau 「スダジイの古木めぐり その10: まとめて1月分」 
                                                                                                  

新たな年を迎え、R地区調査の方も 順調に滑り出しております。
今回は、1月に訪ねた 幾つかの社寺林・屋敷林・照葉樹林の様子を
忘れないように写真を添えて書き留めておこうと思います。。



12.01.03
[ 羽脱孔× 死骸× ] 


年明け早々に、午後のわずかな時間を使って
近所を散策して参りました。




実家から数百メートル地点の高台にある、こんもりとしたブロッコリー。
このエリアは古墳の跡地でもあるので、実は 20年以上前にも訪れています。
あの頃は、考古学に没頭していました。


早速林内に潜入してみると、そこそこに樹齢を重ねたスダジイが
8本程生えていました。 
時を経て... 視点が地面から樹へ移行しましたね。。




樹林の規模が小さいので、洞や朽ちた箇所のあるスダジイがあれば要チェックです。
仮にベーツが存在するのなら、必ずそこに集虫して足跡を残しているはずですから。。

健康優良樹ばかりの中、唯一可能性があるのは これ↓でしたが...




残念ながら、今回は羽脱孔や 死骸を見出すことはできませんでした。

しかし、故郷の町並みを見下ろすことができる懐かしい場所に立ち
新年早々、感慨深い気持ちに浸ることができました。


--------------------------------------------------------------------------------------------


12.01.03-2
環境保全地域 [ 羽脱孔△ 死骸○ ] 


続いて、湖岸東側の台地上へ。。

“ 走る大洗 ○○○〜♪ ” 沿いにある環境保全地域です。

昨年の晩夏に 3度、それ以前にも訪れています。
最初の訪問は、ホシベニカミキリの分布調査だった気がしますね。。

※今はなき、18番の最後の写真です。




ノコギリカミキリやゴマダラカミキリは見かけていますが
ベーツの手がかりは、活動期には確認できていません。


懐中電灯で洞を覗き込んだり、根際の茂みをかき分けたり...
昆虫採集が目的ではなく、棲息事実の確認を行うだけなら
藪蚊の一斉攻撃を受けない冬場の方が、ずっとやりやすいです。





古いスダジイが多いものの、なかなか手がかりが見出せません。
羽脱孔を確認したのですが、ノコギリカミキリのものなのか ベーツのものか... 微妙な線です。
やはりここは厳しいかな... と諦めかけていたところ。。





根周りが面白い形をしたスダジイを見つけたので、窪みの中を覗き込んでみました。




あったー!




これまでに 6度程訪れているこのエリアで、初めて♂の上翅を見つけられました。
たったのこれだけで、プロットが打てます。

今年のR地区調査も、上々の滑り出しと言えるでしょう。




12.01.26
[ 羽脱孔○ 死骸○ ]


日を改めて、再び湖岸東側の台地上へ。。
目指すは過去に何度か訪れた 社寺林です。





日陰に入ると、先日降った雪が まだ若干残っているようです。
訳あって、今は軽ワゴン@ノーマルタイヤ で走っているので
慎重に。。





目的地に近づきました。

ここは懐かしいです。 おそらく、初訪問はクワガタ狙いだったと思います。




こんな神社です。





以前は、yasu の車で 谷津田の方から上がってきたことも。。
ちょうど .............................................. ここらへん↓ へ出てきました。




そこそこに樹齢を重ねたスダジイが、6、7、8本程。。
中でも、陽当たり・風通しが良く 部分枯れや洞のあるこちらは要チェックです。
高所には、羽脱孔も見られました。




このような洞が開いていたら、根際の窪み内へライトを当てます。





堆積した落ち葉や朽木を丁寧にどけていったところ...
じゃん!これだけの証拠が出てきました。


大小様々ですね。
何となくですが、上翅はどれも♀のように見えます。。





また、周囲にはシロダモが生えていました。
このように、葉の裏面が白っぽいのが名前の由来だそうです。

ホシベニカミキリや、ヒメリンゴカミキリの幼虫が宿るそうですが
千葉では、トゲヒゲトビイロカミキリの事例もあるようです。




ちょっと歩いて、お寺の方へ。。
こちらでは、同じクスノキ科の ヤブニッケイを見かけました。
光沢のある葉には、3脈が目立ちますね。
本当は、こちらの材に宿る幼虫を飼育してみたいのですけど...





どか〜ん!と芭蕉扇を持った石像が。。
随分ご無沙汰しちゃってます。




目の前に、とてつもなく でかいスダジイが現れました。




下方に続く小道へ降りて、根周りから樹上を見上げます。。
写真ではうまく伝わりませんが、実に見事でした。





周辺にもそこそこに太いスダジイが生えていいました。
丹念に眺めていくと...
樹皮の裂け目からは、扁平型の羽脱孔を見つけることができました。
間違いなく、ベーツのものです。





先程の神社から わずか 300m程度の現場なので、まぁ棲息しているのでしょうね。。


最後は、更に 1km 離れた斜面緑地を眺めて終了しました。
現在は、こんな↓代車に乗ってます。。







12.01.27
[ 羽脱孔○ 死骸× ]


小・中学校時に、最寄の海岸まで “ 歩く会 ” なるものがあり
この日は、当時辿ったルートを懐かしく振り返ってみました。。

まずは天狗山へ。。
割と太いスダジイが多数存在しましたが
健康優良樹が多く、手がかりは全く掴めず...

しかし、天狗さんは 健在でした。
地域の方々が、まめに管理していらっしゃるのでしょうね。。

因みに、隣にあるのは 2台目の代車です。
黄色くて可愛いでしょ。。




細い路地を行くと...
塀際から とてつもなく でかいスダジイが何本も見えました。
屋敷林のようです。





付近の公民館に車を置かせてもらい、歩いて現場へ近づきました。

いや〜、昔ながらのお屋敷でしたが、とても立派な構えでした。

庭には、立枯れも何本か見受けられましたね。。
隣地のスギ林には、落とした枝がゴロゴロと放置されていました。





裏手へ回ってみると、大樹の根回りを観察することができました。




死骸は見出せませんでしたが...
見上げれば、しっかりと 羽脱孔が認められました。


プロットは叶わないものの
屋敷林というシチュエーションはこれまでになかったので
とても新鮮な気がしました。

できれば夏季に生体を確認しておきたいところです。

懐かしいルート上にも、興味深い場所は沢山ありますね。





若干時間に余裕があったので、“ 歩く会 ” のルートを外れて〆括りました。
沿岸部の神社や... ( ここは手応えなしでした。 マツノマダラの幼虫材を確認しましたが、放置。。 )




グリルの裏手にある自然環境保全地域にも ちょっとだけ寄り道しました。。
状況はブラックボードの記載通りでしたが、タブノキが最も多かったと思います。




湖岸西側へも。。
イヌマキの生垣ではなく、骨組みの竹垣に
タケトラカミキリの羽脱孔があったので、忘れないように 一枚。

竹のお話は、組み立て直しましょう。






〜 後記 〜


以上、3日分 の備忘録となります。

このような 数時間の滞在・調査を コツコツとつなげながら
知見を増やし、地域に対する想いを膨らませています。
モチベーションの維持、初志貫徹のため
気負わずに、今年も頑張ろうと思います。




※採集記目次へ