調査履歴

“2012年 R地区調査” 編 (46)



12.04.07
12.04.16 Plateau 「見直し・開拓調査 その5」 
                                                                                                  

環境保全地域めぐり を 〆括り、春のカミキリムシ調査をスタートします。

まずは、スギ、ヒメスギ、ネジロ・・・と続いていきそうですね。
その後には、トワダムモンメダカや コジマヒゲナガコバネの活動状況も
視野に入れたいところです。

ただし、まだまだ羽化脱出期に達していない種類については
引き続き材採で対応していくつもりです。

今回は、スギ と リンゴです。



12.04.07
(Sat)


晴天に恵まれましたが、朝の気温は -1℃と かなり冷え込みました。
最高気温も 11℃ までしか上がらず、冬が戻ってきたような感覚です。

この日のテーマは、リンゴカミキリです。
自宅の庭に生えるヤエザクラや、近所のウメなどからも発生しているようで
既に R地区でも棲息が確認されていますが
果たして、それがどの程度広く分布しているものか。。

各種の分布図を作成するのであれば、可能な限りプロットを打たねばなりません。

神社や校庭などにサクラは多いので、羽化脱出前に材採しておきたいと思います。

で、やってきたのは片田舎にある神社の参拝道。。




昨晩は寒かったですけど...




春はすぐそこ。。




ありました!

斜めカットと、繊維状の木屑で栓がされていれば
リンゴカミキリの幼虫が入っている証です。

時期的に、切り口の直下で蛹化することと思います。

ここは濃いようで、同様の枝が沢山見つかりました。
何本か持ち帰り、経過を見たいと思います。





奥へ進めば、立派なイチョウやスギを従えた 神社があります。
駐車場付近には、やはりサクラが多いです。




サクラに関して言えば、もうひとつチェックしなければならないことがあるので
また訪問したいところです。

最後に、アスレチックがある N小の校庭でもサクラ材を見つけて持ち帰りました。



※神社、N小学校 それぞれの材を保管したところ、12.05.15 に リンゴカミキリ が羽化脱出しました。


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12.04.08
(Sun)


良い天気です。

大好きな ピザトーストを食べてから(笑)
スギカミキリの様子を見に 出かけました。
既に活動を始めている頃ではないでしょうか。。

10:34... 午前中の一つ目は、以前訪れた神社です。
ベーツの死骸なら確認済みですが
スギはどうでしょう??




よく見れば、大きなブロッコリーの根際に 新しいスギ材が倒してあります。




スギカミキリは夜行性ですので、日中は樹皮下に隠れています。
ペリッと剥がしてみると...

いました!


Semanotus japonicus (LACORDAIRE, 1869)



でも、既に息絶えていました
... ちょっと早過ぎでは??


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セメント工場の入口へやってきました。

やはり、ここにも斜めカットがあるようです。
勿論許可を頂いてから持ち帰りましたよ。




工場の方とは、暫し立ち話をしました。
東京湾アクアラインの建設時には
ここから沢山のコンクリート部材がトレーラーで運ばれたそうです。
あの長大な橋梁部材の大半が、ここの製品だったとは...
びっくりしました。


※材の経過をみたところ、12.05.15 に リンゴカミキリ が羽化脱出しました。


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N台地上を流していくと、熊野神社を発見しました。




ささやかな境内には、立派なスダジイも何本か伺えました。

他、近隣にはサクラとヤブニッケイが見られました。




見るべき箇所は多そうでしたが
個人的な お住まいの敷地に通じておりましたので
細かなチェックは遠慮しました。



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お昼を回りました。

ここは以前、歯科医院の予約時間前に訪れた神社です。
谷津田際の丘の上にあり、風通しや日照の面では好条件ですので
立派なブロッコリーも多く、ベーツの羽化脱出孔や、死骸も確認しています。

ただ今回着目すべきは、スギです。

切り株の樹皮を剥がしたところ、あっさり♂が出ました。




その反対側からは♀も!

ただ、両者共に 先程同様 息絶えていました。。
あれ〜? 一昨日の冷え込みで、みんな☆になってしまったのでしょうか。。



Semanotus japonicus (LACORDAIRE, 1869)



その他、樹皮下からは千鳥 ( ジグザグ ) 状の食痕が見つかりました。
ちょっと考え込みましたが、そりゃ同じカミキリ亜科ですし有り得るでしょう。
何も、オオトラだけではないですよね。。



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最後に、コンビニ and ゴルフ場近くのスギ林へ。。
この辺は、一斉に伐採が進んでいます。

道路の拡幅工事でも予定されているのでしょうか。。

それにしても、ここでも死骸ばかりが ポツリ ポツリと出てきます。。




ですが、ようやく生体に会えました。

大きな♀です!


Semanotus japonicus (LACORDAIRE, 1869)



これからという時に、ここまで☆ばかりを見つめてしまうと
何だかホッとしますね。

14:00には帰宅しました。



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12.04.16
(Mon)


仕事の帰りに、立ち寄りました。

子供の数が少なくなって、あちこちの小学校が閉校していきます。
ここも、あれから随分経ちますね。。

お邪魔します。




春が訪れ、サクラは満開ですが
元気に走り回る子供たちの姿は もう見えません。





斜めカットは、無事に見つかりました。




物思いにふけり、いざ帰ろうとしたら グッときました。
校舎の窓にも貼ってありましたが、ありがとうございました。





※材の経過をみたところ、12.05.18 に リンゴカミキリ が羽化脱出しました。



〜 後記 〜


今回は、リンゴカミキリの材採と、スギカミキリの確認で終了です。


4/8 頃に スギカミキリが一斉に息絶えたのは
やはり前日の冬の様な冷え込みが原因だったと推測します。
本種は、まだまだ終わる時期ではありません。

暫らくは各種の分布調査に拘って調査を続けようと思います。



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追記。

※ 各地のサクラ材から、リンゴカミキリが
一斉に羽化脱出しています。 ( 12.05.19 撮影 )
Oberea japonica (THUNBERG,1787)





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