調査履歴

“2012年 R地区調査” 編 (49)



12.04.
29 12.05.20 Plateau Wetland 「見直し・開拓調査 + 幼虫観察 その8」 
                                                                                                  

ゴールデンウィークから、5月にかけての見直し調査です。

今回は、カミキリムシの生体写真を できるだけ並べることにします。
コジマヒゲナガコバネや、トワダムモンメダカも
姿を見せてくれました。



12.04.29
(Sun)


朝のうちに 標本箱に入れる 乾燥(吸湿)剤などの買い物を済ませ
10:30 ぐらいから調査に出かけました。




暖かいなぁ。。 今年の夏は、本当に気温が高くなりそう...
この時期から、そんな予感がしました。


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先日訪れた マツの幼木がある荒地に立ち寄ると
ブィ〜ン!と羽音を立てて、甲虫が飛来しました。

捕虫網で掬ってみると、やはり マツ科好きな ウバタマムシでした。


ウバタマムシ
Chalcophora japonica japonica (GORY, 1840)



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T小の近くに、キブシがあったのを思い出しました。

そろそろかな?

期待してチェックを入れると...
トワダムモンメダカカミキリが、飛んだり走ったりと大忙しでした。

やはり、普通にいるんですよね。。
こんな様子を見てしまうと、いかにノーマークだったかを 改めて思い知らされます。


トワダムモンメダカカミキリ
Stenhomalus japonicus PIC, 1904



気温は午前中から 25℃ の表示。。
むしろ、暑くなってきました。




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車中から 満開の カエデを見かけました。
しかし、いかんせん高すぎます。

樹冠部など、とてもとても。。

かろうじて届く範囲を掬ってみると、トラフコメツキが入りました。




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A高傍の伐採地@照葉樹林などを 回りながら
最後に、以前キブシの材採をした湿地へ。。




キブシの枝上には、コジマヒゲナガコバネと、トワダムモンメダカが群がっていました。

材採の結果が既に出ていたので、ここに いることは分かっていましたが
元気に動き回る姿には やはり新鮮味を感じます。




窪みを見つけては、産卵管を入れようとします。


コジマヒゲナガコバネカミキリ
Glaphyra kojimai (MATSUSHITA,1939)



こちらでも... 産卵中はシャッターチャンスですね。


コジマヒゲナガコバネカミキリ
Glaphyra kojimai (MATSUSHITA,1939)



生体観察は楽しいものです。


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12.05.07
(Mon)


仕事の帰りに、A高傍の伐採地へ。。




林内にはアケビが多く、当然 カッコウメダカカミキリも いるようです。


カッコウメダカカミキリ
Stenhomalus cleroides BATES,1873



ぶら下がる フジ蔓には...




案の定、ワモンサビ、ナカジロサビ、ゴマフといった カミキリムシが見られました。
ウスモンカレキゾウムシ
Acicnemis palliata PASCOE, 1872 は、とりわけ沢山いました。 教科書どおりです。


ワモンサビカミキリ
Pterolophia annulata (CHEVROLAT,1845)



各種の新産地が、どんどん増えていきますね。


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12.05.13
(Sun)



6:30 に起きました。
朝から とても天気が良く
夏日になりそうな予感がしました。

たまには大好きな山へ行ってみようか...
はずみで そんな気分にもなりましたが
如何せん、体力が続きそうにありませんでした。

R地区調査@近所に徹します。

ここは、個人の タラ畑です。
(因みに、ここのタラには棘がありません。 メタラといいます。)




半枯れの部分を眺めると、すぐに ネジロカミキリ が見つかりました。
小さくて、カワイイですね!




雑木林の林床から いなくなっても、こうしたところには返って発生しています。


ネジロカミキリ
Pogonocherus seminiveus BATES,1873



葉上にも。。


ネジロカミキリ
Pogonocherus seminiveus BATES,1873



小さいけれど、実に ユニークな姿形です。


ネジロカミキリ
Pogonocherus seminiveus BATES,1873



写真を沢山撮りました。
プロットも一つ増えましたよ。



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N台地方面へ。。

引き続き、小さなカミキリムシを探してみましたが
ヨモギ上の役者は見つかりませんでした。

代わりに、傍の竹林から舞い降りた ベニカミキリです。


ベニカミキリ
Purpuricenus temminckii (Guerin-Meneville,1844)



サクラ材の 斜めカットを見つけたので、その直下を割ってみると...
あらら... まだ早かったようです。。スミマセン。。

リンゴカミキリの幼虫になります。
フトカミキリ亜科の幼虫とは言え、リンゴ系は独特ですよね。。
色も成虫と同じく オレンジ色をしています。


リンゴカミキリ
Oberea japonica (THUNBERG,1787)



他にも 多くの幼虫を撮りためてますので
やれる範囲で整理し、いつか纏めてUP してみたいと思います。
タテジマカミキリなんかも、本当に独特ですよ。


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12.05.14
(Mon)


西陽を受けながら、通いつけのA高傍へ。。





今回は、ヨモギ@キク科 の役者に会うことができました。




キクスイカミキリです。


キクスイカミキリ
Phytoecia rufiventris GAUTIER,1870



前胸の赤が お洒落ですよね。


キクスイカミキリ
Phytoecia rufiventris GAUTIER,1870



先日のフジ蔓を叩いたところ...
ワモンサビ、ナカジロサビ、ゴマフ・・・と
変わらぬ顔ぶれが バラバラと落ちてきました。




騒がせてゴメンナサイね。。 ついやってみたくなってしまいました...


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12.05.20
(Sun)


昨日は、大好きな山行に 丸一日を投じてしまったので
今日は午前中から、溜まったデータの整理や展足などを行っていました。

しかし集中力が切れてきたので 夕刻に 1時間だけイヌザンショウがあるポイントへ。。

息抜きがしたいなぁ。。

そんなときこそ、とっても便利な ご近所調査です。




イヌザンショウの枯れ枝には、ヒナルリハナカミキリのペアがいました。

へぇ... そうなんだ。。 こんなエリアにいたことも含めて、ちょっと意外。。


ヒナルリハナカミキリ
Dinoptera minuta (GEBLER,1832)



あれ... 今度はヒトオビアラゲカミキリです。

かつては、やや山地寄りの種類 という印象を持っていましたが
昨年 yasu くんが見つけ、こちら方面にもいることが判明しました。


ヒトオビアラゲカミキリ
Rhopaloscelis unifasciatus BLESSIG,1873



今年は、更に南側で採取した細枝からも羽化脱出しています。
いったい どれぐらいの範囲で分布しているのでしょう??



〜 後記 〜


以上、5日分の R地区調査 備忘録 になります。

やはり、野外活動期に成虫の姿を観察するのは
とても楽しいです。
メモと同時に、沢山の写真を撮りました。

また、少しでも 真実を知りたいのなら
例え短時間でも、マメに動くことが大切だということを
改めて、実感しました。

引き続き、頑張ります。。




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