調査履歴

“2016年 再出発” 編 (11)



16.05.29-
(Sun)  Mt 戦前の記録地を訪ねて(4)
                                                                                                     
.. お昼を過ぎてから、戦前の記録地を目指しました。

目標とする対象種の発生時期とは 大分かけ離れていますが。。

大好きな山での “ 第7次調査 ” と並行しながらも

現地に対する、自分なりの意識を 高めるため。。
それから、この時期の様子を 窺うため。。

そんな理由から、あえて出掛けることにしました。
 
長〜い一車線の林道を、ゴツゴツと登って行きます。
それでも、10年以上前の状況と比べたら 随分マシに
なりましたよ。

だもの、タイヤが磨り減るよな。。^ ^;

ふと、頭上が ホウノキの葉に覆われたので
捕虫網を取り出し 掬ってみました。

時期的に、グリメタが入る頃かな??
と思いましたが... ダメでした。

まぁ。。 少なからずいるのでしょうけど。。
 
そして、自分の脚へ スイッチ。。
  
昨年、オオキノコムシや ヒゲナガゴマフが来ていた
立ち枯れです。
 
シロトラカミキリや。。
シロトラカミキリ
Paraclytus excultus
BATES
, 1884
 
クロホソナガクチキなどが多数見られました。

この山塊の、相場でしょうかね。。
あくまで 肌で感じることですが。。

冷涼な ブナ林を指標する甲虫は
なかなか厳しい印象です。
クロホソナガクチキ
Phloeotrya rugicollis
MARSEUL
, 1875
  
こんなところも、抜けて行きます。
 
スギの植林、アカガシを主とした常緑樹林。。
ときどき、ブナやシデ帯が混じります。
  
とある ガラス面に、チャイロホソヒラタカミキリが。。

普通種ですが、初めて見つけた時は嬉しかったものです。

懐かしいな。。 
あれは夜間で。。街灯の下に、タガメが沢山いるエリアで。。
ガラクタや、建築資材なんかが 沢山積んであった場所でした。
確か、電柱に付いてました。
ハイイロヤハズもいた記憶があります。

ははは。。
個人的な 回想はこれぐらいにしておきましょう。。
チャイロホソヒラタカミキリ
Phymatodes testaceus
(L
INNAEUS, 1758)
 
禅定道らしく、路傍には 石仏が。。
  
斜面には、巨大なブナが 朽ち始めています。
 
ネンドタケ らしき菌類が発生したので覗いてみましたが
ケシキスイや チビオオキノコなど、甲虫類はおろか
昆虫が一切見つからず。。

実は今回、かなりあちこちで キノコのチェックを試みました。
あくまで主観ですが、そもそも キノコ類が繁栄しにくいのかも
しれません。
やや湿度が保たれた、中腹や山裾ならば また少し状況が
違うでしょうけどね。

さらには冷涼さに欠ける。。
ゆえに、常緑樹林が混生するわけです。

やはりここは、いつもの山間部とは違います。
 
しかし “ ならでは ” の甲虫にも、いつか出会えたらなと
思います。
  
今回は、アカガシ の粗朶を 叩いて採集した
一頭のカミキリムシのみを持ち帰りました。
 
こちらです。 肢や上翅の会合線部まで、真っ黒です。
ならば、フトキクスイモドキ?とも考えられますが。。
キクスイモドキカミキリ
Asaperda rufipes rufipes
BATES
, 1873
 
キクスイモドキカミキリ
Asaperda rufipes rufipes
BATES
, 1873
体型から考えても、キクスイモドキカミキリでしょうね。

念の為、千葉昆の 伊藤敏仁先生にも見て頂きましたが
やはり、同じ見解でした。

茨城県では、このようなパターンも見られるということで。。
何かの折には、公表したいと思います。
( → 月刊むし No.551 28-31 に掲載済 )




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