17.06.17-
(Sat) 我がみちを逝く@第7次調査
   
5:30に起床して、しばし悩む。。 そして 疲れた身体に鞭を打ち、トーストを2枚食す。。
マイ・カーに乗ってエンジンをかければ、もはや 我がみち を逝くのみ。。
6月は、一番 楽しいとき。 第7次調査。 始まっています。




延々と運転し、9:30に マイ・カーとはお別れ。。
ここからは、自分の脚で 調査地を目指します。


 
..

植林地内の作業道を、およそ、2.4km ほど歩いたところで。。
突如目の前を 茶色の甲虫が飛んでいきました。
ジョウカイボンのような色でしたが、随分小ぶり。。

もしや??

その後、ゆっくりと葉上に静止した その個体に近づいたところ
やはり、モモグロハナカミキリでした。 ちょっと 嬉しい♪

2011年6月19日以来、6年ぶりの再開です。

前回は 多数の♂が群れをなして飛翔しているという
大変 興味深い状況に遭遇しましたが。。
( おそらく、一頭の♀を巡っての行動パターンかと思われます。 )

今回は、一頭の♀のみでした。

実は 生態写真を撮ることができず、一度は見失いました... 汗
でも時間をかけて、無事に再発見 → ネットインできました。


 
  

モモグロハナカミキリ
Toxotinus reinii (HEYDEN, 1879)



 

その他、ヤマアジサイにつく ミヤマドウボソカミキリなどを
眺めつつ、11:11に 尾根筋へ辿り着きました。


 

まずチェックするのが、このアカシデの立ち枯れ。。

毎回 食菌性の甲虫が群がっているのですが...
デオキノコ、オオキノコ、ヒゲナガゾウ、ナガクチキなど
いつも通りの面子を見て 納得してしまいました。

でも願わくば、ハイマダラカギバラヒゲナガゾウを
得ておきたかったな。。


 

続いて、尾根Iへ。。
昨年 奇跡的に オオホソコバネの♂を採集した
イヌブナの立ち枯れです。 が、今年は出逢えず。。


 

お約束です。 常陸之國の “ てっぺん ” を崇拝に。。


  

それから、とあるコメダマの宿題を思い出し
エリア南端を目指そうと、お隣の植林地内を くぐりました。

その道中。。

ここのアカシデも、随分腐朽が進行したようです。
樹皮が剥げ... 寄生蜂が集まり。。

一昨年ぐらいまでは、表面も堅そうで
マダラゴマフカミキリの産卵木
というイメージでしたが。。


 

しかし おっと!

状況が変われば、役者も変わるようです。

6年前に県初記録した かなり大型の ヒゲナガゾウと再会できました。
お隣り産は RDB記載種なので、公に出してもいい貴重な存在です。
自然度の高さを 証明できますし。。

過去を振り返れば、先ほどのモモグロハナや ムネモンヤツボシなど
植林地にしては、へぇ〜って思えるような 甲虫ネタを 大分溜め込んでます。

かれこれ、10年。 そろそろ書いておいた方が良いかもしれません。

とりあえず、「採る」 まえに 「撮る」 が 珍しく成功しました!


 
オオマダラヒゲナガゾウムシ
Sympaector rugirostris (SHARP, 1891)


 

それから、根際のキノコについていた、非常に小さくも 美しい一頭。。


 
コモンチビオオキノコ
Tritoma cenchris  (LEWIS, 1887)


左側の触角が。。^ ^;; しかし こちらも
かつての ミイロムネビロと抱き合わせ
良い話題が成立するでしょう。


   

オオキノコモードに 入りました。


 
 
クロハバビロオオキノコ
Neotriplax atrata L
EWIS, 1887


それはそれは 沢山いましたよ。 大発生でした。
ただこんなとき、他の種類が 全くいないというのも
アルアルです。


 

ここのブナは、本当に 立派です。
いつも 掲載しちゃいます。。


そして、目的地付近に辿りつきました。



 

はて。。 この辺だった筈だが。。

腐朽材を見かけては、しゃがみ。。
そして、裏側まで丹念に確認し。。

これを 延々繰り返しました。


 

かつての針葉樹材は、既にボロボロ。 そして、ブヨブヨ。。

継続確認したかった オレンジ色のゴミダマの姿は、どこにもあらず。。
大分時間を費やしましたが、そう うまくは運びませんでした。


 

見つけられたのは、接地材に残された
ルリクワガタの産卵マークぐらい。
( コルリじゃないですよ!)

残念でしたが、またいつか出会えるでしょう。

さてさて、ここら辺でタイムアップです。
大分歩いてきました。 引き返しましょう。


 

渓流沿いまで 降りてくると
サルナシの葉上に、ヒメクロサナエが。。


    

林業用作業道を ひたすら歩いていると...
おお〜、切り株の上には、年代物のコーラ瓶が!
※ちょっと調べたら、寸胴赤ラベル@1979年製。。
もう 40年近く前かよ!!

伐採中に発見し、つい懐かしくて 置いてみたのでしょうね。。
とても 分かる気がします。

些細なことかもしれませんが...
今回は、諸々得るものが 多かったです。


 

- 後記 -

17:30 には、帰宅しました。 いつの間にか、17Km 歩いてました。
関係ないですが、その後も トレーニングやストレッチに没頭し
アドレナリンが出まくりの一日となりました。

今回は、結果的に お隣さんから得られた甲虫ばかりを持ち帰りました。
先に 記したとおり。。
過去10年間で、植林地内にしては 意外な甲虫のデータを集積しています。
てっぺん から派生する およそ 11Kmの 県境尾根筋の縦走や、植生分布の把握。。
そして、多くの方々との出会い。。 様々な 経験を踏まえてみたら
不思議と... このエリアで ひっそり培われてきた 長〜い歴史の一端を
甲虫の記録と共に 書き残しておきたいという 欲が出てきました。

いいな... それ、やろう。 これから少しずつ、準備を進めようと思います。


●2018年1月 追記
.. 林業地における 2008年以降の記録と
ささやかな知見を記述させて頂きました。

他にも 色々とあったのですが、5ページの
ボリュームに絞り込み、殆ど修正なしで
ご採用頂けました。

編集部さんには、いつも お世話になって
おります。 ありがとうございました。

またいつか、地域における情報を 可能な
範囲で 御報告できたらと思います。