080731


有給休暇・・・いい響きです。

会社のみんなが働いている今日、私は虫採りという趣味に没頭させていただきます。(^^)v

転勤した1年目は、

「カブトムシ採りに行くからって休むんだって!!!(非常識だよね・・・!)」

てな、ちょっと馬鹿にした冷ややかなうわさもチラホラと聞こえてきた。

しかし、ここ数年は

「今日はムシ採りだから仕方ない!!!」

と言ってくれるようになり、私の会社では、ムシ採り休暇が認知されるようになってきた。

こうなるまでには、オフシーズンにどれだけ仕事に没頭し努力したことか・・・でも、その甲斐がようやくでてきました・・・。

てなわけで、本日は堂々と有給休暇をエンジョイしていきたいと思っております。

で、肝心の天気は、曇天ですが、雨は降っていない。

また、本日は、兄が水戸昆虫研究会のHさんと採集にでるため、午前中の採集を終えたら、午後から合流させてもらいたいと考えている。

いざ出陣・・・。


一つめの山・・・

朝、お茶、コーヒー、おにぎり、チョコを購入し、とある山へと向かいます。

この山は雲が薄く、なんとかカミキリも飛び出してきてくれそうな気配です。

まずは、クワ林をみつけ、早速ルッキンング開始・・・。

目指すは、鳥のウンチに擬態したカミキリ。。。

しかし、そう簡単には見つかるはずもなく、見つかるのは既採集種であるカミキリたちばかりである。

しいて言えば、シロオビゴマフカミキリぐらいでしょうか???

だめだ! お目当てのものは見つからない。(^_^;)

結局、蚊にさされまくりつつクワ林を逃げ出した。

次のターゲットへと目を向ける。

ダン・ダン・ダンコウバ〜イ!

ルッキング&ビーティングに行く。が、ここで見つかるものもいわゆる普通種ばかりである。

「う〜ん。やっぱり物足りないなぁ。」

そのうち、樹種を選ばず手当たり次第ビーティングしていくが、またしても大して成果が得られない。

もしかしたら、ちょっと時間がはやすぎるのだろうか???

では、ここいらでちょっとトイレ休憩いれとくか・・・。

適当な林をみつけ、用足しをする。

「ふ〜っ!」

一息つきながら心を落ち着かせ、ムシを採りたいという欲を少し落ち着かせる。

不思議なことに、心が落ち着くと見えなかった景色も見えてくるものだ。

用を足してる目の前に気になるモミ立枯れを見つけた。

「何かいるかも!」

直感がそう教えてくれて、その立枯れに近づいてみる・・・。

虫の気配がムンムン漂ってきます。

立枯れの根本には、太い枝が落ちていて、そこには太い食痕が走っている。

皮を剥いでみると、びっくりするくらい大きなカミキリムシの幼虫が姿を現した。

2.jpg 「ビンゴ!」

これはあいつしかいないでしょう!
さらに樹皮を剥いていくと、ドキッとする瞬間が待っていた。

これはあいつの頭でしょう!たぶん。。。

1.jpg これ!

モミの木でこの大きさのカミキリといえばおそらくあいつです。

まさか、シロスジってことはないよね???

身長に、ヒゲを引っ張り、取り出してみると、それは、上ばねに光沢をもつ、ヒゲの長いカミキリでした。

8.jpg ヒゲナガカミキリ ゲッツ!!

意外といそうでいないこのカミキリ。

カミキリ採集をはじめてからはじめての出会いとなります。

これだけで、有給休暇をとった甲斐があったというものです。(^^)v

他にも幼虫が入っていましたが、枝を持ち帰るのは面倒だったし、1頭採れれば満足だったので、そのまま放置することとしました。

さて、ぼちぼち兄達の遊びフィールドへ近づいて行って見ましょうか!

満足げに山を下山し、兄に連絡を入れてみる・・・・が連絡がつかず。

おそらくこれから向う2つめの山へ行っているはずだ・・・。

高価なガソリンを給油し、おにぎりを頬張りながら、車を進めます。

平地はだいぶ青空が見えましたが、先に見える2つめの山の方はドンよりとした雲に覆われているようです。


2つめの山・・・

2つめの山に突入すると、晴れ間はみれませんが、雨はないようです。よかった!

ぐんぐん山道を飛ばしていくと、

「いた!」

みえました。山に入るには無理のあるようなバンパーをつけた車・・・兄の車です。

到着してみると、長い網を2本、高い樹木に立てかけて、Hさんと兄がムシ談義をしておりました。

3.jpg こんな感じで立ってました。何を狙っているのでしょう???

私は早速、ヒゲナガカミキリを採ったことを報告し、その個体を兄に託しました。

Hさんと兄の成果を聞いてみると、どうやら、北側でオオトラフコガネ×2南側でオオトラフコガネ×1を採集した模様。 

今日はオオトラフコガネの日のようですね!

カミキリ他甲虫については、それほど特記すべき種は得られていない模様。

特記すべきムシは再現性が薄いものですね・・・。


さて、少し移動してみましょうか・・・。

近くのブナも生える林へと移動してみると、沢山のルリボシカミキリがいました。

1・2・3・4・5・・・もう数えるのはやめましょう。

ルリボシカミキリも県内で探そうと思うとなかなか出会えない種ですが、タイミング・場所さえあえば、沢山出会えるようです。

そんなこんなで、3人が好き好きに彷徨っていると、

Hさんが、

「おっ!」

といって、慌てて、ブナの洞の中へ手を突っ込みました。

え?もしかして? オオチャ?

そう思い、三人で注目して洞から引き出すHさんの手を覗き込みましたが・・・

「紛らわしい奴め!!!」

残念ながら、オオチャイロハナムグリではありませんでした。クロカナブンちゃん

そのあと、オオチャイロを探してみましたが、匂いのみで、生体を確認することは出来ませんでした。

さて、これからどうしよう。(どこの山いこう?)

他の山に行く前に少しお土産用にクワガタ採集をする必要があったため、サクッとクワガタを採りにくことにしました。

クワガタ濃度の高い林。。。

いつもより個体数は少なかったものの、ノコギリクワガタ10、ミヤマクワガタ10ほど採集することができた。

Hさんが一番喜んでいたのはミニカブトムシでした。
それはそれは極小のカブトムシで、3?mm前後のサイズでした。たしかにこれはかなり珍しいかも・・・。

その後、土場へ行き、タマムシ探しなどをしてみますが、優良物件の割りにたいしたムシはおりません。

せいぜいクロッタマ?ぐらいです。


これまでの道中、Hさんにいろんな話を聞き、私が午前中に狙っていたカミキリは夕方の方が採れるということを聞いた。

そして、もう一度狙いに行こう!といってくれたので、ふたたび1つめの山に向かうことにした。


再び1つ目の山・・・

一つ目の山に戻ると、早速トラフを狙って3人でルッキングを開始した。

しばらく探し続けると、Hさんが、

「いた!ほれあそこ!」

いた。ほんとにいた。私の目にも見えた。

4.jpg 葉の上のトラフ

そいつは、ダンコウバイの葉の上にチョコンと鎮座していた。

採れ!がんばれ!逃すなよ!

そんな声援を贈られながら、網を借りて私が獲物を狙う。

「いまだっ!」

網をダンコウバイに押し当てた瞬間、網の先がクルッと回転してしまった。

「うわぁ!」

慌てた私は滑って、崖に体半身落としながら、網先を下側に向けようとしたが、とき既に遅し。。。

むなしく、トラ模様のカミキリは下に落ちてしまいました。

「きっとまたくるよ!」

Hさんの言葉を信じ私はじっとそこで待つことにした。

それから1時間ほど経ったころ、今度は兄が、

「いた! あれそうだ!」 

こんどは、樹木の上の方にいるのが見えた。

6.jpg

先ほど逃したものと同じ個体と思われる。

どうやら木の裏側に止まっており、網で捕獲するのは難しそうである。

仕方ない。もうしばらく視線をそらさずにそこで見続けることにした。

もう失敗は許されない。

可能なら、道具に頼らず確実に素手で捕まえたい!

崖に片足を放り出し、じっとカミキリが木の裏側から姿を現すのを待った。

「・・・いた!」

5.jpg ヒョコヒョコ!!!

とつぜん目の前30cmのところにトコトコとあるくトラフホソバネカミキリが見えた。
これは絶好のチャンス!

左手で、カポッと素手キャッチした。

即座に兄にパスし、採集したものを確認。

早くひとまず入れ物にいれてくれ〜!

私の焦りと興奮をよそに、兄は冷静に、個体を眺めながら容器のなかにトラフをしまった。

ついに手にした! 採らなくちゃいけないカミキリのひとつ。

Hさんありがとうございます。(^・^) 感謝します。

Hさんはその後、県内では大変珍しいカミキリを採られていた。

私も来年狙ってみたいと思います。。。

そうして、私は兄&Hさんと別れ、本日の採集を終了することとした。


本日は、どうしても採りたかった未採集種2種にであえ、大変貴重な話も聞くことができ、これ以上ない有意義な休暇を過ごすことができた。

Hさん&兄ありがとうございました。


有給休暇の成果

9.jpg

10.jpg