採集履歴
“2003年 開幕” 編
03.01.02 (Thu) 曇り〜晴れ Hill 「年明け一発目!昨夏の復習と今夏の予習をしに出かける。」 |
明けましておめでとうございます! お正月♪ 朝御飯は実家でついた餅入りのおぞおにを食べて、今日はゆっくりと午後から散歩に出かける事にした。 当然この散歩と言うのは今後の昆虫採集に結びつけるためのものだ・笑。 つまり、これからやってくる夏の闘いに向けての布石作りに、言い方を変えれば下見による予習をしに出かけるのである。 これは回数が多ければ多いほどよい。 だからこそ例え短時間であっても、行ける時には行っておかねばならないのだ! 実は今日行っておかなければならない理由はもう一つあって、もしこの機を逃せば、私はこれから暫く採集に時間を割く事ができくなってしまうのだ。 今春は新年早々から博士論文の審査会、およびそれに伴う委員会などのスケジュールがびっちり埋まっているのである。 これらは、大学院における7年間の研究成果をまとめるためのものであり、私の人生の中でやっておかねばならない“大切な仕事”の一つなのである。 これも重要な「みちくさ」なのだ! …さてさてそんなわけで、本日は相棒と共に2003年の鍬形行脚を開幕します! |
今日は、車で1時間程の所…ミヤップやス〜ジ〜が棲息する中量級の山間を散策することにした。
(※ちなみに彼らはルカナス、ドルクスという別個の属名を持ち、同じクワガタムシ科であっても近縁な種とは言えない。
だがどうやら両者の生息圏は、ほぼ一致している様だ)
肝心な天候の方だが、予報によれば、一日雨や雪の心配はなさそうである♪
しかし多少なりとも高度を上げていくため、陽の当たらない路面の残り雪が心配だなぁ…と、相棒と話しながら先を急いだ。
…すると案の定、早速その現場に遭遇してしまった。
「おっ?」
「おおおおおっ〜〜〜〜!(◎o◎)」※
※「運転手の心の叫び(→引用元)」 …だそうです(^-^;
う〜む、この手の雪は路面凍結しているから、かなりデンジャーなのよね…。 上り下りも激しいし…。
気をつけて行きませう!
〜 あしたのための、その1 〜
そんなわけで第一ポイントに到着…ここは初めて降り立つ場所である。
水が綺麗な小川沿いの小道を歩いてみる事にした。 水脈の有無は重要である!
とりあえず、気になったら直ぐに横道へ逸れて様子を見ます。
洞のある木はせいぜいこれ位かなぁ…眼下には小川が流れてます。
期待を膨らませ前進するも、視界に入ってくるのは針葉樹ばかり…これではこれと言った発見もできまいと、早々に見切りをつけた…。
(我々はこの様なジャブを数え切れないほど、そして小刻みに出してきた…それが明日に繋がるのです・笑!)
〜 BRAKE 〜
腹が減ってきたので、エネルゲン補給をすべく、適当な店を探すことにした…しかし、ここは「ど」がつく程の田舎であるため肝心な店がない。
せめてお菓子でも入れておこうと、ようやく発見した小さな駄菓子屋さんに寄り道することにした。
ところが蓋を開けてみると、買いたいものが何にも見あたらない…(^-^;
更には店のばぁちゃんが出てきちゃったらもんだから、何も買わずに退出するわけにはいかず、適当に「カントリーマァム」の詰め合わせを手渡した。
「580円也!」
「え゙っ!? マジで?? 高いよばぁちゃん!(→これが今日の私の心の叫びであった。)」
声には出さなかったが、相棒には聞こえていたに違いない。
店の中の客は我々のみ…ばぁちゃんは我々のためにわざわざ中から出てきてくれたのだ!
ありがとう!ばぁちゃん!
( …何だかんだとこのカントリーマァム、大のチョコ好きの私にとってはとても美味でした♪)
そんなこんなで店を出て車に乗ろうとした時、道路を挟んで向かい側の絶壁に目をやれば、何やら背の高〜い木が生えていた。
更にその上方を見ると、何か丸い物体がぶら下がっている…何だろう?? よ〜っく目をこらして見れば、おぉ〜、あれは蜂の巣ではないか!
かなりでかい! 凄い貫禄である・笑。
あれは間違いなくスズメ蜂やね…。
相棒は大の蜂嫌いで、過去に1度だけ刺されてしまった時の記憶が非常に強烈だったらしく、遭遇時のリアクションはいつもオーバー気味である…(^-^;
(だから私の様に何度何度も刺されないのかもね・苦笑)
この季節、あそこから蜂が出てきて刺されるはずなどないのだが、今回もかなりの衝撃を受けているご様子だ。
まぁ、誰しも一つや二つ、苦手なものはあるものだ… そんなことよりそろそろ散策を再開すっぺ!
〜 あしたのための、その2 〜
暫く移動していると、昨年の夏にミヤップを「22/46」匹確認したポイントの近くを通ったので、当然そこへも寄り道することにした♪
ところがここでちょっとしたハプニングが発生。 意気揚々と前進しているうちに、またまた凍結ラインに行く手を阻まれてしまったのである。
我々が運転する車は揃ってホンダのスポーツタイプであり、いつでもノーマルタイヤのまんまである。
はっきり言ってこういうシチュエーションには向いていない。
とりわけ今日相棒の車が履いているタイヤは、長年散々走りまわって「つるっつる!」であった。
しかし引き返す事など有り得ない。 相棒はバックというやつがあまり好きではないのだ。
(あ〜兄やんは、「スーパーバック」という必殺技を持っているのだが…(^-^;
)
そんな訳で、当然というか予定通りに、カーブのきつ〜い下り坂に突入した途端、ツツッー…っと横滑りし出してしまった!
ハンドルが効かないらしい! やばいやばいっ!
…ツツ☆
結構な距離を滑ったあげく、止めたと言うより、止まってくれた。
相棒曰わく、運転手側はガードレールまであと30cmだったらしい。 セ〜フ…(^-^;
そんなスリルも楽しみつつ(苦笑)、どうにかこうにか目的地へたどり着くことができた☆
こんな所…ガードレールの奥には、やはり綺麗な小川が流れています。
行きつけの採集ポイントは小高い土手の上にあって、夏になれば数本のボコボコクヌギが樹液の臭いをプンプンさせている。
そこへ沢山のミヤップやス〜ジ〜が集まってくるのだ☆
普段ならその土手へ素早く駆け登って木の周りをうろつくのであるが、今回は雪があって非常にデンジャーなので下から見上げて雰囲気だけを楽しんだ♪
しかしいつ見ても根元がスカスカだなぁ〜。 こりゃいつ崩れてもおかしくないよね(下にはアリ地獄も棲んでおるぞ)。
特に右端の木の裏側にはミヤップが沢山ついてました。
せっかくここまで来たので、夏とは違った視点で改めてこの付近の山を探索してみることにした。
その結果、上記ポイントから数百m程離れた所で、有望な林に出逢うことができた。
運が良い♪
入口は非常に狭かったが、少しずつ開けていく登り坂の小道をたどれば、どんどん素晴らしい光景が飛び込んできた。
「おそらく昨年の夏は、下草が生い茂っていたから狭い入口に気づけなかったのだろう…」
と弟は言う。 全くその通りである。
懲りずに歩いていれば、いつかはこの様な発見ができるのである♪
それにしても自然という奴は季節毎に色々な表情を見せてくれるから楽しい☆
どんどん登りませう♪
行き着いた先は、大量の椎茸栽培のほだ木置き場であった。
周囲には感じの良いクヌギやコナラも沢山生えている。 また楽しみな場所が増えたぞ!
更に、いらなくなった廃材置き場もあったので、チョビッツ削ってみると
すぐさまコクワちゃんの赤ちゃん達が出迎えてくれた。
よしよし、ちゃんといてくれてるのね☆
椎茸のほだ木が行儀良く並んでます。
山の谷間にはフカフカの廃材が無造作に捨てられておりました。
コクワちゃんの赤ちゃん☆
夏になったら是非また会いましょうね!
ある程度の手応えを得た所で、大分腹も減ってきた我々の心境は帰宅モードに変わり、ぐんぐん車で南下し始めた。
ところがその道中でふと左に目をやると、またまた感じのいい林の光景が飛び込んできてしまった。
まずいなぁ…されどこれは見逃すわけにはいかんぞ。 と言う事で、咄嗟に
「あっ! バックバック!」
と言ってバックが嫌いな相棒の車を強引に止め、Uターンさせた(Uターンなら前進である!)。
相棒は車が傷つく事などお構いなしに、田んぼのあぜ道らしき道を突進してゆく…。
「キキキーッ!」っと木の枝にひっかかれる車の悲鳴が絶えない。
とても私の愛車にはさせられない行為だ(これが相棒の車で行動する理由の一つでもある・笑)。
車で行ける所まで言って、更にその先は徒歩で移動した。
あそこです!
う〜む…にらんだ通りなかなか良い環境だね♪
陽当たりが良いし、洞があいてるクヌギが沢山あるだけでなく、その幾つかはこの季節にして樹液まで出している。
ただこの辺だと普通種しか狙えないんだろうなぁ…。
いずれにせよ、ここも夏になったら来なければならない期待の場所となった!
さて、今度こそ帰りましょう!
〜 後記 〜
年始一発目の採集行は、まぁこんな散歩で終了した。
当然今日もボーズだった訳だが、わずか数日間の帰省中に充分な手応えを得ることができたと思う♪
論文を提出して無事に合格が頂ければ、また暑い夏の熱い闘いが訪れる…そしたらスカッと右ストレートを打ち込みたいものですなぁ☆
3月までの暫くの間、布石作りは全て相棒に任せる事にします…頼んだぞ! >
弟
今晩は、家族そろってバーミヤンに出かけ空腹を満たし、じきに千葉へ帰ろうと思います。
ゔ〜っし、明日からまた気持ちを入れ替えて頑張ろ〜!
〜採集結果〜
コクワちゃん幼虫多数 (→全てリリース)