採集履歴

“2003年 朝まで採集” 編(3)



03.06.29
(Sun) 雷雨〜晴れ Night 「ラッキーdayにス〜ジ〜到来☆彡」 
                                                                                                  

 本日は6月中にもう一度だけ地元採集をやっておきたいが為に、昨晩遅くから実家に帰省していた。 朝目覚めて何となくテレビをつけてみると、本日ダブルヘッダーで試合を行っていたヤンキース松井が、何と7打数6安という好成績で、打率を一気に3.05に上げていた…凄い。 因みに松井は私と同じ6月12日生まれの双子座である(その他に釈由美子などがいる…(^-^; )。 そういや一昨日(金曜)早朝の「目覚ましテレビ(フジ)」を何気なく見ていた所、「週末占いカウントダウン」というコーナーで、双子座は第1位であった♪ もしかしたら、これから私の所にも幸運☆彡が訪れるのかも・笑!?
 ところで本日の夜の部の方は、本来私一人で出陣という予定だったのだが、夕刻になって相棒から、研究関連文書の和訳を徹夜で済ませたから…と言う連絡が入り、急遽現地で合流する事になった。 体調は大丈夫であろうか? きっと、必死こいて頑張ったんだろうねぇ・笑。 ご苦労様です☆
毎回くどいようだが、今夏の目標はこれ。
(1).色々な虫を見て楽しむ事
(2).ノコノコミヤップス〜ジ〜コクワちゃんアカアシなど普通種のマイ・ギネスサイズを更新する事
この2点だ。
 時刻16:40、気温は28℃、やや低めだが、急に襲ってきた夕立も何とか上がりそうだ(雨上がりの夜はクワガタが出没しやすい!)。 先週辺りからノコノコやカブちんがのさばり始めた様なので、できれば早いうちに、オニと並んで大好きなス〜ジ〜の大型サイズを抑えておきたいところだ。
…果たして今日は、幸運も味方して新たな進展があるのだろうか!?


〜 To the Hill!〜


 雨が上がった! 上がってしまえばシチュエーションは逆にぐっと良くなる。
眼前の空はほんのり明るく、赤く染まっているように見える!

40分程走ると道路は完全に乾き、晴れとなった♪
おっと、あれに見えるは相棒のインテグラではないか!
さすが高速移動は違うね。
一応我が弟であるだけに
体調を心配して来たのだが、その様なものは無用のようだ。
相棒は既にバックネット裏のクヌギの樹液を血眼になってチェック中であった・笑


雨上がりの空、行く先は赤く明るい!?

17:30、見つけちゃったぞインテグラ!


合流地点から、更に5分程走った所に広い駐車場があるので
そこから1台で移動する事にしよう。


今日は私のシビックで…。



〜 まずは樹液採集 〜


 今年になって人気急上昇中の最寄りのNポイントでは何も採れなかったが
昨年から何度も足を運んでいる期待のOBポイントまで移動してくると、
各種クワガタのマイギネスサイズを叩き出している有望なクヌギ
昆虫達がこれでもかと言うぐらいに沢山群がっていた♪
とは言っても、クワガタは大量のコクワちゃんとわずかながらのス〜ジ〜
この2種のドルクスだけであったが…。
しかし、我々の今日の狙いはあくまでス〜ジ〜である。
その様な虫混み中から、さい先良く大歯型のス〜ジ〜♂28mmを見つけ出す事ができた♪
カッコいい!
一見コクワちゃんに似るが、顎の形の他、頭部、胸部の形、黒色の肌など相違点は沢山ある。
因みに、現時点での我々のギネスサイズは顎欠けながら♂32.8mm(同クヌギより02.08.05採集)である。


コクワちゃんとは違うんだよ、コクワちゃんとは!…ランバラル風に・笑


続いてそこから数百メートル離れた蛍ポイントへ行ってみたが
こちらは樹液の出が鈍く、クワガタの姿は余り見られなかった。
しかしその代わりに、これまでに見た事がないものも含めた、各種カミキリの姿を観察する事ができた♪
そして、我々がこのポイントを蛍ポイントと呼んでいる所以も一枚。
(※以下のカミキリムシの種の同定には、るどるふ先輩のご協力がございます。)


セミスジコブヒゲカミキリ(Rhodopina lewisii lewisii

キマダラカミキリ(Pseudaeolesthes chrysothrix

ヘイケボタル(Luciola lateralis



〜 幸運到来☆彡 〜


 その後、先程のOBポイントのクヌギへ再び行ってみると
ものの十数分の間に更に沢山の昆虫達が飛来していた。
樹上部では、バタバタと羽音を立てて数匹のカブちんが飛び交っている…(^-^;
本当に物凄いポテンシャルを秘めたクヌギである。

細かいチェックの方は相棒に任せ、私は一足先に運転席へ戻ろうとした。
すると、何やら相棒がこちらを見て手招きをし始めた。
おぉっ?どうした?
再びクヌギの横まで歩み寄り、相棒の左手を見てみると
何と先程のス〜ジ〜よりも更にでかい、32.5mmもある♂が捕まれていた!

相棒の状況説明によると、コクワちゃんの♂と格闘していたという。
う〜ん、見たかったなぁ!その勇姿!
文献によると、
スジクワガタは気性が非常に荒く、小さいながらも戦闘を好むクワガタだそうで
例え20mmに満たない小歯型でも、果敢に他の虫を威嚇している姿を実際に私も目にした事がある。
しかし、ある意味では書籍やネット上でも見た事がない
自然下でのコクワちゃん vs ス〜ジ〜の珍しい場面を写真に収められなかった事はチョビッツ残念であった。

ただ、大切なクワガタに傷が付いてしまったのでは元も子もない。
喧嘩に見とれて写真を撮っているうちに、どこかへ飛ばされてしまっても困る…。
やっぱり大物を確実に捕獲した相棒の処置は、正解であったと言えよう!
思えば喧嘩好きであるが故に、昨年採集したマイギネスサイズの個体は痛々しく顎欠けであったのだから…。
兎にも角にも、無傷の個体としてはギネスサイズス〜ジ〜をゲットする事ができた。
目標を1つ達成! 本日は既にこれでおなかが一杯だ♪
占いという奴も、たまには信じてみるものだ。 とてもいい事があったぞ♪
そしてでかしたぞ、相棒よ!


スジクワガタ(Dorcus striatipennis):♂32.5mm


それにしても、樹液は樹上〜樹幹〜樹根部周りと360度どこを見渡しても有り余る程に噴き出しているのに
何故に喧嘩をする必要があったのだろうか・笑。
それでこそス〜ジ〜である。 やっぱりコクワちゃんとはひと味違う・笑!
そしてランキング1位2位を叩き出しているこのクヌギのポテンシャルも凄い!

車に戻って、先程の28mmと比較してみる。
このわずか5mm程の差が非常にものを言っているようだ!
でかいな〜や〜!(相棒)


わずか5mmされど5mm!


そしてもっとよく見てみると
心なしか、昨年採集したマイギネスサイズの顎の形とそっくりのようだ。
内歯が明白に2つに割れず、むしろ四角形の様な平面形をしている…。
採集年度の違いはあれど、やはり同じ血統を持つ様である。
同じ県内であっても、他にス〜ジ〜が採集できる幾つかのポイントとの、ほんのわずかな距離の差で
このような地域性が見られたのだ…実に面白い!


♂32.8mm (02.08.05採集)

♂32.5mm (03.06.29本日採集)


※03.7.12追記:更に後日この場所で採集した♂30mmの個体も内歯の形状が良く似ていた。


♂30.0mm(03.07.12追加掲載)



〜 BRAKE 〜


 確かにおなかが一杯になったのだが、それはあくまで心理的なもので
物理的に実際の腹の方はというと、全く満たされていない・笑。
エネルゲンはしっかり補給しておかないと…。
運良く付近でトンカツ屋さんを発見できたので、そこでミックスフライ定食を平らげた♪
相棒はロースカツ…相変わらずだった・笑。

ところでこのお店には、キャベツにかけるオリジナルのドレッシングが置いてあったのだが
よく見ると何やら説明書きが添えられていた。
え、何々? 「メニューcm?」
これじゃ、センチメートルになってまうがな…(^-^;
多分CM(コマーシャル)と読ませたかったのであろう…。
(因みに明石家さんまは、これを持ちネタとする落語家:笑福亭松之助に感激し、弟子入りを決めたという…笑。)
肝心な味の方だが、抜群に良かった♪
どうも、ご馳走様でした♪


ビタミンB1が豊富で疲労回復に良いらしいです♪



〜 続いて灯下採集 〜


 食後、今一度先程のクヌギをチェックしに行ってみたが
虫の数は増えれど、目新しい昆虫は飛来していなかった。
それでは続いて灯下をチェックしに行こう。
今日は確かな手応えを得ているので、意気揚々と快調に車を走らせた♪

そんな道中、交差点の所でふと前の車のナンバーに注目してみると…
あれ?
鎌倉幕府??
木村祐一の「写術」ばりにしっかりと写真を撮らせて頂いた(撮影はキムキム兄やんファンの相棒)☆


鎌倉幕府…。


 さてさて話を元に戻そう。
本日真っ先に向かうは一昨日、雨に泣かされた期待のS局だ!
果たして今回はどうだろうか!?

… いました〜!
今夏2匹目となる水棲昆虫の王様、タガメ(♀63mm)のご登場だ!
灯りにつられて飛来したのであろうが
その風体は、街灯下をうろつく小虫を狙っている様にも伺える…。
凶暴そうな威嚇の姿勢である!
実に格好いい!
この個体は、NDさんのミニチュア水族館で飼育してもらう事にしよう。


タガメLethocerus deyrolli):♀63mm、今夏2匹目!


 更に、可愛い×2、お気に入りのシマちゃんもいた♪
体長12.5〜14.0mm程度の中型のゲンゴロウである。
水中を泳いでいる時に背中に光が当たると、とても美しく見える種だ!
私のHP、「昆虫“むし”採り屋」の表紙のモデルにもなって頂いてます♪


シマゲンゴロウHydaticus bowringii


 さぁ次なるポイントは公の場所、石Uだ!
今日は水棲昆虫も元気に飛び回っている模様…さてさて今度は何がいるのかなぁ?
期待しながらキョロキョロ、ウロウロしていると
何やら遠くの(一番南側の)街灯の下で、ジタバタしている虫を発見!
何だろう?と思い歩み寄ってみると
ジャ〜ン!
今夏3匹目、このポイントでは昨年以来となるタガメ(♂55mm)が大の字になっていた・笑!
どれどれ、この子もNDさんの所で飼育して頂こう。

(この様に、灯下でも水棲昆虫と出逢う事はできますよ!そーるわん先輩、今度機会があればご一緒しませんか??)


大の字のタガメさん…(^-^;

♂55mm、今夏3匹目のサイドビュー


 ところで、これは灯下で良く目の当たりにするシチュエーションだが
このポイントでもそれは例外ではなく
周囲には、夜が明けてからカラスに食べられてしまい、頭部だけとなった昆虫の残骸が多数散乱していた。
カブちんを始め、ミヤップノコノコ、このタガメなど…
それがある意味、昆虫の墓場であるようにも見えた。 ちょっとむなしいかも…(^-^;。



〜 閉幕 〜


 その後、水瓶やバックネット裏など行きつけの場所を軽く流して、相棒と別れた。
冒頭にも書いたが彼は大分寝不足気味で、日付も変わろうとする頃にはグロッキー状態であった。
いや、あまりにも興奮し過ぎてヘタってしまったのであろう・笑
(彼が虫を発見した時に見せる興奮度たるや凄いモノがある…)
奴の家までの運転がチョビッツ心配ではあったが
彼が、「来て良かった」 とでも言いたそうなとても満足気な表情を見せていたので
私は嬉しかった♪

その後、私は一人で実家近くの食品会社や、水道局などの灯下ポイントを懲りずにチェックして
カブちんやノコノコなどを見学しつつ、帰宅した。
夜が明けはしなかったが当然午前様…ほぼ朝を迎える寸前であった。
これにて今回の採集行は幕を閉じます。



〜 後記 〜

 本日は今夏の目標(2)であるス〜ジ〜のギネスサイズを、無傷の個体であるという条件付きで更新する事ができた。
されどこの無傷であるという事実は、飼育後、寿命を迎えた時に標本保存している私にとって非常に価値ある事である。
週末占いが当たった!とても満足である。 オオクワガタを沢山採集されているような方達に笑われてしまうかしら(^-^; ?
しかし、「記録は自分が納得できればいい」( 漫画 “スプリンター 14巻” 小山ゆう :小学館) まさにこの言葉通りだ・笑。
タガメは後程、NDさんの所へ持っていってミニチュア水族館で飼育してもらおう。
今日は6月最後にとても興奮する採集ができた♪

主な採集種 〜

●クワガタムシ科
 スジクワガタ : ♂32.5mm、♂28mm

●水生半翅類
 タガメ
: ♀63mm、♂55mm



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