採集履歴
“2003年 気になる山を散策” 編(6)
03.07.19 (Sat) 雨 Mt 「そしてオニクワ採集の巻♪」 |
昨日に引き続き、体調が余り優れない。 喉は痛いし、鼻水も絶えない…。 ただし気力だけは充実している! 朝のノルマをガンガンこなして猛烈に汗をかき、シャワーを浴びて朝食をとると さぁ!…再びぐったりして昼まで寝てしまった(^-^; だって仕方がないでしょう? 天候の方が私の体調なんかより遙かに優れないのだから・笑 (どちらかと言えば、天候が優れないから体調が優れないのだ・笑)。 今日は今にも雨が降り出しそうな、どんよりした空模様… しかも昨日より更に寒い…(-_-;) いったい、いつになったら梅雨が明けるのだろう…。 そういや昨晩は、7月中旬にして20℃ちょいという極めて涼しいさなかでも、虫達は元気に活動していたっけなぁ〜♪ そして多くの採集人も…。 お陰様で、終盤はちょっぴりペースを持って行かれちゃった感じ…(^-^; (とは言え、かく言う私自身も採集人なんですよ。 何てワガママな言い分なんでしょうかねぇ(苦笑) …反省!) …と言う訳で、今日は少々気分転換を図りたい。 昨晩から「明日は流れに逆らおう!」と言う話が出ていたので 時季外れだが「オニでも見に行こうか?」と相棒に提案してみた所、直ぐにこれにのってきた☆ そろそろ蛹室の中で羽化を始めている頃かな!? そう思うやいなや、急にそっちの山の小鳥やさんちが、気になりだしてしまった…。 天気が悪かろうが、材中のオニの採集なら関係ないっしょ?…よっしゃ、行っとこ! |
〜 雨と共にスタート 〜
そんなわけで、出発〜。
小鳥やさんちを目指してひた走れ!
高速移動していると、早速雨が落ちてきた。
雨が来そうですね…
やっぱり来ましたねぇ・苦笑
14:40に家を出発し、16:20に某山のとある登山口へ到着した。
今日の目標は、明るい内にオニを観察する事である☆
これが冬であれば17:00ぐらいには真っ暗になってしまうのだが
いくら梅雨明けもままならない冷夏とは言え、日は長〜い。
これだけは夏の特権だ♪
(しかし、本来夏ならば夜が待ち遠しい所か…?)
いずれにせよ手際よく行こう!
車を降りて、小さい鉈とケースを持ち、そそくさと小鳥やさんちの沢を目指した。
目的地までは上り下りの細い林道だ。
道中、ついつい道端に生えている柳の枝葉を見上げてしまう。
こんな雨の中、クワガタがついている訳がないのにね…(^-^;
つい柳を見上げてしまう私…。
〜 到着☆ 〜
柳のトンネルを抜けると、1本の小川が現れる。
以前(03.04.27)にも1度訪れているポイントだ。
周囲の状況は、ある程度平らに、そして整然と開けているが、木々に暗く覆われ
空気、土壌共に湿っぽく、うっそうとした雰囲気を醸し出している…。
少々気味が悪いが
当にオニクワガタが好みそうなポイントだ☆
真っ先に、前回幼虫を確認している、ミズナラの白枯材のチェックに当たった。
小川にまたがって倒れている為、相変わらず沢山の水を含み、表面にはコケが生えている。
当に彼らのご馳走となり得よう。
因みに前回採集した4頭の幼虫は、暖かい千葉で飼育したためか、
現在も蛹室の中にてじっとしてはいるものの、既に1♂3♀♀に羽化している。
さぁ、こちらはどうかな?
オニクワガタは小さい…丁寧に行こう!
暫く削っていると、順調に食痕が出た。
そしてその食痕を追うと…あらら、前回同様、今日も幼虫が出てきてしまった(^-^;
指を当てている部分が食痕です。
あらら、まだ幼虫でしたか…(^-^;
やはり高山帯の自然下にいると、気温が低いためか成長が遅れ気味の様だ。
(…違う×2!単に前回持ち帰った個体の成長を私が早めただけなのよね・苦笑)
う〜む、今日の所は成虫は難しいかな…?
しかし、せっかくここまでやってきたのだから
せめて3ヶ月前と比較した成長の跡を記録しておきたい。
何とか蛹ぐらいは出して
先程の幼虫がオニクワガタであることを証明したい。
だんだん暗くなってきたが、多湿状況の中で
汗まみれになり、蚊に刺されながらも
たった1本の白枯材に執着していた。
すると…コロッ!とオレンジ色の物体が転がり落ちた!
…うんうん、どうやら間違いなさそうだね♪
オニクワガタの蛹のお出ましだ。
オニクワガタ(Prismognathus angularis angularis)の蛹です。
手のひらに乗せて改めて写真を一枚(下)。
相変わらず、いつまでもお尻に黒い抜け殻をつけたままだね・笑。
これは他のクワガタムシの蛹には見られないオニクワガタの典型的な特徴である。
更に、上に突き上がった顎の特徴は蛹の段階でも良く観察できる。
これは♂だね♪
何とか暗くなる前にオニクワガタ採集の証明ができた。
良かった×2☆
当にオニ♂の顎です。
〜 BRAKE 〜
削っている材の直ぐ横には、こんなモノがありました。
鳥の巣の中に 小っさい「 た ま ご 」。
さすがは小鳥やさんちだね・笑♪
(→ このポイントは、以前小鳥を捕まえにやって来られた方とスライドした経験があるので以後そう呼んでおります…)
大自然の産物です☆
〜 帰ろう! 〜
さぁ、辺りは少しずつ暗くなってきた。
この辺で切り上げよう!
ライトを持参しなかったので、
真っ暗になってしまったら道が見えなくなっちゃうぞ。
そそくさと10分程歩いて、再び車の所まで戻ってきた。
本日材から割り出した幼虫達は、責任を持って飼育したい。
今回は、先にも述べた蛹の他、蛹化寸前の幼虫もいたので、彼らは
皿形の材の破片の中に、粒子の細かい泥状の材を詰め、人工蛹室を仮設し
そこへ寝かせた。
そして更にその材がぐらつかない様、隙間に新聞紙を詰めて固定かつ安定させて持ち帰る事にした。
丁寧に持ち帰らないと死んでしまいます。
さぁ、帰ろう!
気温は低く、依然雨が降り続いていたため、
珍しく「夜の部」には移行せず、そそくさと帰宅する事にした。
別れを惜しんで、この山にて写真をもう1枚追加…
真っ暗だったので、シャッター速度を非常に遅くしてみたら
こんなに明るく撮影できた♪
「また、秋口にやってきます…☆」
明るく撮影できました♪
〜 後記 〜
帰宅時刻は20:45。 雨の中、移動時間も含めてわずか6時間の採集行ではあったが
大自然の中を歩いてくると、やはり気分は晴れ上がった。
オニクワガタの成虫は、樹液には集まらないので(羽化後は何も食さないと言われている…)
灯下以外での採集は難しい。
よって、材割りによる幼虫採集に頼らざるを得ない。
蛹期間は非常に短く(私の飼育下では大抵2週間程…)、
本日現地に残してきた幼虫・蛹達は、おそらく8月下旬辺りに一気に羽化するものと思われる。
そのタイミングを是非見たかったのだが
少々フライング気味であった様だ…。
しかし、依然梅雨明けしないじれったい冷夏の中で、
大好きなオニクワ採集ができ、今回は良い気分転換ができたというものだ♪
今晩はゆっくり、幼虫のお家造りに励みました☆
〜 主な確認種 〜
●クワガタムシ科
オニクワガタ : 幼虫、蛹