採集履歴

“2003年 朝まで採集” 編(8)



03.08.01
(Fri) 晴れ Night 「遂に明けたか!?ムシがいっぱい♪」 
                                                                                                  

「おめでと〜☆」
遂に明けたか!?
え、何がって? …梅雨ですよ、「つ・ゆ!」
気象情報などによる公式発表を確認した訳ではないが、直感で分かる。
気温・湿度指標、「不快指数DI」が非常に高いこの状況を
いったいどれだけ待っていた事か…。
素直に

「うれすぃ〜っ(>_<)!」

明日から冷夏に逆戻り…それだけはもう勘弁だよ〜ん☆
そんな訳で今日は、気分良好、かつ16:20発という早々な滑り出しとなった!

…が、道路交通事情だけは相変わらずで ノロノロ×2大渋滞…全く動かなかい (-_-;
えぇい、時間がもったいない!
今週も早目の高速移動を試み、現地集合する事にした☆

(1).色々なムシを見て楽しむ事
(2).ノコノコミヤップス〜ジ〜コクワちゃんアカアシなど普通種のマイ・ギネスサイズを更新する事

毎度掲げている、これらの目標も今宵は充分に達成できそうな予感がする♪


〜 一足遅かったか? 〜


 「Sポイント」で合流…。
到着は20:10。 4時間弱か…
高速使ってもこれだけの時間と、そして当然金もかかる…
毎週×2、地元採集に拘るのは大変だ…(^-^;

合流後は、相棒の車に乗り換えて1台で移動。
まずは以前タガメを沢山確認している「Nライン」の街灯下をチェックしてみた。 すると…
ややや!道路の真ん中で、でかいミヤップの♂が瀕死の状態で横たわっていた。
どうやら車に跳ねられちゃったようだ。 立派な個体なのに…もったいない。
ただ一つだけ確信できた事がある。

「間違いなく、今夜はムシが飛んでいる!」

一応ミヤップは、道路の縁石の陰に横たえて、次なる灯りを求め移動した。


ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♂ → 大重態


続いては「Nポイント」の樹液チェックに行ってみた。
その結果は…

あれ〜?この絶好の条件下で、コクワちゃんすら見当たらない…(+o+)

先週も冒頭で同じ様な事を書いたが、もうここは駄目みたい…
完全に公の場と化した様だ。
本と、クワガタブームの真っただ中ですわ・笑!
しかし、皆さん、良くこんな山奥まで入ってきますねぇ…(^-^;
気候条件が良くなれば、それだけ採集人も動くからね。
仕方がないと言えばそれまでです☆


 続いては某グラウンド…
普段我々がここを横切る時は、地元の消防隊が訓練か何かをやっているケースが多いので
これまで立ち寄る事はなかったのだが、
今宵は、誰もいない模様…。
なかなか感じの良い街灯があったのだが
残念ながらムシの方もお留守のようであった。


いつも気になっていたグラウンドです。


 お次は、久々の「Geiポイント」だ。
起伏に富んだ、杉を中心とする林道の途中に
強烈な極太クヌギがある。
たった1本ではあるが、至る箇所から樹液が噴き出し
とてもインパクトがある。

ここはミヤップの実績が非常に良い。
ただ、昨年から何十回も通っているのだが、不思議とノコノコは1頭も見ていない。
しっかりと棲み分けている模様だ。

しかし、こんな山奥のポイントであっても知っている者は知っている。
今宵は樹皮裏に隠れ、樹液まみれになったス〜ジ〜だけがかろうじて残されていた。
結構沢山いて、ざっと数えただけでも 1、 2 … 計7頭。
不思議とコクワちゃんの姿はなかった。
そういやここではカブちんも見た事がないぞ?

相変わらずミヤップス〜ジ〜は混棲している様だ。


ス〜ジ〜ことスジクワガタDorcus striatipennis)♀(左)♂(右)


 その後、いつもの巡回ルート、「OBポイント」 → 「蛍」 → 「ONEW」…と
各樹液ポイントを一通り回って見るも、見事にボーズ…。
毎度歩いているガサ藪に近い細い林道には、蜘蛛の巣さえも張っていない状況であった。
先行者がいるのであろう…。

どうやら主要な樹液ポイントには、早々に見切りを付けてしまった方が良さそうだ。



〜 灯下! 〜


 今宵は灯下だ!
気持ちを切り替えて最寄りの「団地」へ…(21:20)。
やはり、ムシは沢山飛んでいる。
早速相棒がライトを片手に散策し始め、私がその様子を写真に収めた・笑。

ここでは
久々に地上に出て、大空へ羽ばたく準備を始めたアブラゼミの様子や、
夏の到来がよっぽど嬉しかったのか?
はしゃぎ過ぎて、右腕をなくし、頭部も傷だらけのミヤップ♀の姿を確認できた。


毎度お世話になります…。

明日から生涯を全うして下さい!

ボロボロじゃないですか…張り切り過ぎましたか?


 さぁさぁ、遂にお楽しみの順番が回ってきた。 お次は期待の「Sきょく」だ♪
どんな悪条件の元でも、それなりの成果を出してきたポイントだけに
こんな絶好の夜には、一体どうなっているんだろう?…という期待が膨らむばかり!
一刻も早くその蓋を開けてみたかった。

到着(21:45)!

さっそうと車を降りて、辺りをライトで照らした。

…凄すぎ(>_<)

灯りの周囲を飛び交っているムシの量は勿論、その下に落ちている量もハンパではない。
まさに想像を絶する光景であった。

カブちんなどは、あきれる程いた。
当然クワガタの姿もあって、
ホコリにまみれたノコノコの♂、♀それぞれが植栽の影に身を潜めていた…。
先程の逆になるが、ここは、ノコノココクワちゃんが多く、ミヤップス〜ジ〜は全く見た事がない。


ノコノコことノコギリクワガタProsopocoilus inclinatus)の♂

同、♀です。


 ここは、水棲昆虫も豊富なポイントだ。
こんなにムシが湧いているのに、その紹介がクワガタだけに留まるのは実にもったいない。
これからは色々なムシをご紹介する事に致しましょう☆

まずはお約束のガムシ君(牙虫君)、カブちんに次いで沢山いるかも…笑
幼虫時代はゲンゴロウ同様に肉食性だが
成虫になると、植物や腐敗有機物を食べるベジタリアンである☆

そしてそして
絶滅危機が危ぶまれている
水棲昆虫の王様タガメも登場だ!
今夏通算12頭目、このポイントで6頭目となる個体である。
写真では判別できないが、超ビッグな♀であった☆


ガムシ牙虫:Hydrophilus acuminatus

タガメ田亀:Lethocerus deyrolli


 続いては最近調子が良い「石U」だ。…(22:10)
ここでは、現時点でマイギネスサイズランキング1、2位となるミヤップの♀を採集しているが
今宵は、コクワちゃんの様に小〜っさい、ミヤップの♀がいた・笑
サイズは29.0mmしかない…
これはこれで珍しいので持ち帰る事にしよう。

また、種々のカミキリも飛来してきていた☆
サビカミキリに、お馴染みの日本最大のカミキリ、シロスジカミキリなどなど…

今宵は本当に色々なムシと出逢えるから楽しい♪


メジャーなウンテイ灯下です…。

ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)の♀…29.0mmです。

サビカミキリArhopalus coreanus

シロスジカミキリBatocera lineolata)とオオゾウムシHyposipalus gigas)。


〜 二巡目 〜


 調子が出てきたので、これまで回ったルートをもう一巡する事にした…(^-^;
本日一番始めに立ち寄った「Nライン」の灯下に3時間ぶりに到着・笑。
しかし時間は23:00近かったので、さすがにムシの飛びも悪くなってきた様だ。

で、ある事に気づいたのだが、先程私が安全な場所に移動しておいた瀕死のミヤップ♂の姿は
既になくなっていた…ミヤップは人気があるからね☆ どこかの猫ちゃんあたりが持って行ったのかしら…。


あら?先程のミヤップの姿がありませんな…。


 先程、樹液ポイントには見切りを付けた!…と言い切ったばかりだが、巡回ルートを回っているうちに
再び「Nポイント」のそばを通ると、とても気になってしまったので念のためにチェック…
駄目もとで、と思いながら立ち寄ってみたが…やっぱり駄目なものは駄目であった(^-^;


土手縁のクヌギチェックする相棒…もぬけの殻でした。


 再び「Sきょく」へ…
相変わらずムシはいっぱい飛んでいたが、特に新たな種を確認する事はできなかった。
果敢に辺りを散策する相棒の姿を、一生懸命撮影する私…笑。
趣旨が変わってきてる・笑?


軍隊が用いる強力ライトを使って頑張る相棒です。

ノコノコ♀・アトボシアオゴミムシChlaenius naeviger)…いっぱいいます。



〜 BRAKE 〜


 「Sきょく」でガムシを拾った後、何だか腹が減ってきたので
坂の下のコンビニへ寄る事にした。

ファイト一発!リポビタンD!を購入し、ご機嫌で店を出てくると
駐車場に、親子連れがいたので
「クワガタいりますか?」
と尋ねてみた。

すると嬉しい事に、貰って頂けるそうなので
先程写真でも紹介したノコノコの♂と、相棒が青森出張で採集してきたノコノコの♂
の2頭を進呈した。
子供は大変礼儀正しく

「ありがとうございます!」

と元気良くお礼を言ってくれた。
どちらかというとこちらが
「ありがとうございます♪」…である。
そんな嬉しい気分にさせられた☆


〜 公園から再出発 〜


 次は先日発見した公園。…(0:00)
おや?相棒が何かを発見した模様だ。
ヒョウタンゴミムシに見えるぞ!

後日、図鑑を調べてゆくと
ナガヒョウタンゴミムシScarites terricola pacificus)である事が分かった☆


何かおりましたか?

ナガヒョウタンゴミムシScarites terricola pacificus)でした☆


更に上写真の東屋のベンチを見てみると…
あらら、なんとまぁ、そこにはカラスの食べ残しが見事に集約されていた…(^-^;
ちなみに全部♂のものだ・笑
もの好きな方が集めたのでしょうかね☆



奥の方にはノコノコのものもあるようです…。

ついでにアメリカンもおりました・笑。


 更に本日2回目の「石U」へ。…(0:30)
先程、小っさいミヤップの♀を採集した民家前の植栽をチェックしてみると…

おおお、立て続けに2頭のミヤップの♂を発見!
この2時間弱の間に飛来してきたのであろう…
サイズはそれぞれ61mm63mmであった。
やっぱりミヤップは格好いいなぁ♪
子供らに人気がある訳だ☆
コンビニで出逢った男の子にプレゼントしたかったなぁ〜。


ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♂61.0mm

ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♂63.0mm


更には、ツヤコガネキリギリスヤブキリ… etc
さっきオオゾウムシにメンチ切っていたシロスジカミキリ
蛇の襲来により硬直していた…笑。
ムシ・ムシ・ムシ…やはり夏はこうでなければならない☆


ツヤコガネAnomala lucens)とキリギリスGampsocleis buergeri

ヤブキリTettigonia orientalis

ビビる…(^-^; シロスジカミキリです。


 さて、大分おなかが一杯になってきたので家路につくとしようか…時刻も1:00をまわったことだし。
但し、当然寄り道をしながらだけどね…☆

最初のみちくさ箇所は、田んぼの中にある黄色のコンビニとなった。
さすがは田舎のコンビニだ。 早々に閉店しており真っ暗である。
しかし、1度店頭に集まったムシ達は飛び疲れてその場に停滞しているケースが多い。

歩先をライトで照らしながら探してゆくと…
ほらね☆
ここにもしっかりいました♪
格好いいね!ミヤップの♀、ARMY Type (→名付親は相棒☆)
傷だらけのものといい、植栽に身を潜めるものといい
今宵はワイルドなクワガタが多い様です…(^-^; 


ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♀ARMY Type


 次のみちくさは、03.06.20にも訪れている怖い×2「麻薬工場(嘘です)」。
ここは(ここも?)カブちんだらけであった。
他のムシの姿はあまり見られず
クワガタはコクワちゃんノコノコの♀ぐらいだった。

それにしても静けさの中に不気味な機械音だけが鳴り響き
相変わらず寂しい空気が漂っていた。


もの悲しげな空気が流れていました…。


 そして、ようやく夕方合流した駐車場へ辿り着き、ホンダ車2台にての移動を開始した。
よっしゃ!先週のおさらいをしながら、実家を目指して南下しよう。

まずは「O桜のコンビニ」へ!
どこへ行っても田舎は田舎だね…ここも既に閉店していた。
さっそうと車を駐車場に乗り入れ、無雑作に停車し、ドアを開けると…

「あれれ?寒くない?」 > 相棒

「寒ぃーなー(相棒)!」

先程の駐車場から、わずか20分程の移動であったにも関わらず、気温は明らかに下がっていた。
先週訪れた時は、この地点を境に
南下すればする程、気温の上昇が認められたのだが…
今週は全くその逆のパターンで、
その後「Uさんのコンビニ」、「地元の水道局」をチェックしながら
南下すればする程、どんどん気温が下がった。
そしてあげくの果てには雨までもがぱらつき始めてしまった…。

実家に近付くに連れ、気候、テンション共に収束モード…。
まぁ、既にお腹は一杯だから、流れ的にはOKだったのかな…(^-^;

帰路にて確認できたムシは、無数のカブちんと少々のミヤマカミキリ…。
本と、8月に入るとカブちんの天下になってしまうのね・笑
まぁ、先週までの苦悩を考えたら、今宵は充分すぎるぐらいに楽しめる事ができたのだ。
贅沢は言えませんな・苦笑☆

おっと、忘れちゃいけない、当然今宵もUさんを確認する事ができた・笑。
そんな訳で、本日は4:10に、大満足で帰宅した。


〜 後記 〜

 ようやく梅雨が明けたようだ♪
遂に暑い夏がやってきたのだ!
「朝まで採集編」も既にこれで8回目。
本当にこの日が待ち遠しかった…そして長かった。
客不足に悩んでいた「海の家」の経営者もこれで頑張れるであろう☆

何もしないで待っていただけなのに
今年も無事に夏の扉を開く事ができた気がして
ホッとしている。

今回は、クワガタのマイギネスサイズの更新とまではいかなかったが
これほどまでに活気のある、多くのムシ達の姿を見せつけられたのでは
満足しない訳がなかった・笑

そしてたった一晩で、何頭のカブちんを目撃したのだろう?
確実に3桁は行っていた筈だ…チョビッツうざかったけど、正直嬉しかったね☆
夏が来た証拠だ♪

この日は帰宅後、鳴き始めたヒグラシの声を聞きながら採集したムシの処理をしつつ
「今晩も当然行かねばなるまいな…」と意気込んだのであった・笑


主な確認種 〜

●クワガタムシ科
 ミヤマクワガタ : 2♂ 3♀ (重傷1♂)
 ノコギリクワガタ : 1♂ 2♀
●クロカミキリ亜科
 サビカミキリ
●フトカミキリ亜科
 シロスジカミキリ

●ゴミムシ科
 アトボシアオゴミムシ
●ヒョウタンゴミムシ科
 ナガヒョウタンゴミムシ

●ガムシ科
 ガムシ
●水生半翅類 : カメムシ目コオイムシ科
 タガメ : 1♀



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