採集履歴

“2003年 寸暇を惜しんで行っとけ!” 編(6)



03.08.30
(Sat) 曇り Hill 「終盤戦、またもいいポイントを発見☆」 
                                                                                                  

 日頃私も恩恵を受けている、相棒のインテグラが突如故障したらしい。
どうしても、エンジンがかからなくなったのだそうだ…
確かに、普段から様子を見ていても、相当こき使ってる様だからなぁ…
そろそろ乗り換えの時期か…?

 そんな訳で昨晩は、相棒の現地集合がままならず、私一人での採集となった。
先週と同じく、某山中にて
イノシシのファミリーに遭遇したり
自称「採集プロ」のトラックの運ちゃんに出逢ったり
「Sきょく」では今夏通算16、17頭目、ポイントで10、11頭目となるタガメを発見したりと
なかなか楽しい採集ができた☆
もちろんクワガタも、ミヤップの1♂1♀、ノコノコ♂の大歯型を沢山発見できた。
ただ1週間前と比べ、ミヤップが減りノコノコが増えた…そんな印象を受けた。

 …で、本日の日中、実家でトレをしていると、車の応急処置を終えた相棒が無事合流した。
このインテグラ、あとどれぐらい持つのだろうか…!?
少々の不安も残るが、今週もまだ陽があるうちから、こいつにお世話になる事にした。
早くも8月は終了間際ゆえ、今我々の間でブームとなっている某山中の事を、少しでも沢山勉強しておきたい所だ。
願わくば新しいポイントの発見だが、来夏に向けての布石造りができればそれでいい。
日中の最高気温は26℃と低いが、出陣あるのみ。 …さぁ出かけよう!


〜 いきなり寄り道 〜


 15:00に実家を出発。
寸暇を惜しんで、目的地を目指して来たが
到着寸前、物凄いアートトラックに出くわしてしまったため
仕方なく、ストップ☆
さすが、我が故郷…どっぷり田舎の風景の中に
時折こんなごっついのが目立っている・笑
見逃して行く訳にはいかない…。

早速車を降りて、撮影の許可をもらいにオーナーの元へ。
何とかお願いして、OKサインを頂いた♪
多分、高校時代に一度お会いした事のあるTさんだと思う。

それにしても、何じゃこのバンパーとロケットは!
凄すぎる…
そして箱3面に描かれた
一目瞭然の「すずき工芸」の手によるペイント。
何々?
飲んだら 乗るな 乗るなら 飲むな」…面白いね〜・笑
某銘柄の入った空き缶まで描かれているぞ…(^-^;

その横には、マッドの手に近い、龍と女性のペイントが入ったトラックも停めてあり
双方、2t車とは思えない迫力であった。

オーナーの皆様、撮影および掲載にご了承頂きありがとうございました☆


何cm出ているのでしょうか?このバンパーとミラーステーは…

飲んだら 乗るな 乗るなら 飲むな」 …すずき工芸

こちらのエアブラシペイントも見事ですね!



〜 A川 〜


 まずは、行きつけのポイントの様子を見ておこう。
14:00過ぎ、「A川」へ到着。
あれれ?今日はクワカブはお留守の様だ…
しかし、スズメバチンの幅の効かせ方だけは健在の模様。
相棒は相変わらずの警戒ぶりを示していた…(^-^;


アブとハエを従えるボス

一心不乱なボス…笑


 せっかくなので、徒歩にて周囲を見回ってみた。
すると、直ぐ近くに、この様な極太の栗があるのを知った。
原因は、シロスジカミキリの産卵痕か、はたまたその脱出口か?
…ハッキリした事は分からないが、所々に傷跡が散見される。
蹴飛ばしてみた所、ムシはお留守の様だったが、なかなか見事な樹であった。
その他、清流沿いには、柑橘類を実らせそうな、ヒラタちっくな樹もあった…。


陽当たりがよい場所に、見事な栗の木です…。


少々離れた所から、いつも世話になっている林を撮影…
たまには視点を変えてみるのもいい。
のどかな田舎の一枚だ♪


ここの所、お世話になっている林です。

もうすぐ夏も終了なのですねぇ…



〜 水浸し 〜


 お次は「水浸し」 …16:30。
「クワガタの実る樹」の樹上には、先週程ではないにせよ、クワカブがいる模様。
「ドンドン!」 っと数発のキックをしてみると…
パチパチと中歯のミヤップ♂、ノコノコ♂、他カブトやコクワちゃん等がアスファルト上に降ってきた☆

私の後輩の中には、いわゆる「B面」が苦手であると訴える者もいるが
採集の臨場感を伝えたいので、何も躊躇する事なく掲載させて頂きます☆


ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♂

ノコギリクワガタProsopocoilus inclinatus)♂



〜 山道入口ポイントの発見 〜


 さぁ、そろそろ知らない林道を彷徨う事にしよう!
過去(03.07.11)、謝って侵入してしまった大神源太の河原に登山口があったので
まずはそこから攻め入ることにした。
何とか車で行けそうな雰囲気である…。

とりあえず、付近で見つけたアゲハを撮影してから…☆


アゲハチョウ


 何の目的で作られた林道なのかは分からないが
明らかに何かの作業・運搬用道路である。
道路の幅は狭く、所々に待避所はあるものの、対向車とのスライドは容易ではなさそうだ。
また、側壁からゴロゴロと岩も転げ出しているし
時折、既にボロボロのインテグラの後輪が、でかい杉の落とし枝を引きずり出す…
車にとって、あまり優しいとは言えない林道であった…
まぁ、前進できるだけ良いか・苦笑。

暫く登ると、初めて通る綺麗な道に出た♪
あえて過酷な林道へ足を踏み入れたくせに、ホッとする瞬間である…(→なんのこっちゃ・笑)。
一時下りに転じたが、再び登り坂を発見したのでまた登ってみた・笑
道が広いからスイスイと行ける♪

わざわざ車を降りて、チェックしなければならない程のポイントは少なかったが
案外山頂付近まで、広葉樹を主体とする雑木林帯が広がっている事を確認できた。


 後半、ハイキングコースと思われき、登山口を発見 …17:08。
採集人なら誰でも足を止めるであろう、その雰囲気にパクリと食らいついてしまった…(^-^;
車を横付けし、あっと言う間に、ミヤップ1♂を確認☆

我々の直感に狂いはなかった様で
細く、急な林道を少々登れば
左手の奥まった藪の中には、雰囲気のいいクヌギやコナラが何本も見受けられた。
それぞれには大胆な樹皮めくれがあり
昨年までに散々樹液を出してきた様な樹液焼けの痕もあったが、今年はどれも不発だった様だ。
ここは大分高度があり、麓に比べ若干気温が低い…その上で長く続いた冷夏が影響した結果と推察できよう。
ただ、今後のために、知っておいて損はないポイントとなりそうだ。
一応、「山道入口」とでも名付けておこう!


ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♂



〜 Grs柳を発見! 〜


 先程の発見で、充分に満足してしまった我々であったが
麓の方まで下山してくると、とある清流沿いに柳が群生している事に気づいてしまった!…17:45。
あたりは大分暗くなってきたが、素通りする訳にはいかない。

しかし、道路から柳帯へ至るには、まず滑りやすく急な土手を降りて行かねばならないし
川岸の湿地帯が、人間が載っても耐えられる地盤であるかどうかがわからない。

ただ、距離的には、さほどでもなかった為、まずは長靴で装備も固めている相棒が先に現場へ降り立ち
普通の運動靴を履いている私がついて行っても大丈夫だろうか、状況判断してもらう事になった。
頼んだぞ〜…(^-^;  > 相棒

直ぐに現場へ到着した相棒から、声がかかった…地盤の方はOKの模様。
そして、こちらからも見える一本の柳にキック!
すると…おっ!
相棒が即座にしゃがんで何かを見つけた様だ…
どうやらミヤップの♀が落ちてきた様である☆

「はは〜ん、さてはいるな☆」
それでは行ってみようと、私も続いた(→セコい・笑!)

下へ降り立ってみると、なるほど地盤は緩いが、何とか行けそうだ。
沢山の柳の幹が、地面を這う様に、そして湿度が高い湿地帯の上を覆う様に
上下、縦横無尽に、うっそうと生い茂っている…いい感じである。


暗くてよく見えませんが、あちこちに柳が生い茂ってます。

土壌と平行に走る幹から、光を求め、垂直に伸びる枝の様子です。


 相棒の側まで歩み寄ると…
慌てて直ぐに一声

おい足元!まだ落ちてるじゃんよ!

さっきの相棒の一蹴りで、他にも沢山落ちていた様だ。
辺りは暗かったし、地盤がブヨブヨしているので、コンクリートに落ちる様な派手なパチパチ音がしない為
気づけなかったのであろう。
相棒は1頭のミヤップの♀を、危うく踏み潰しそうになっていた…(^-^;
とりあえず、その時点で気付いた個体だけを拾い上げてみると
更に2♂1♀を追加できた。

よし、もっと行ってみようと、同じ柳、周囲の柳にもキック!
その結果、このポイントで、3♂4♀、計7頭のミヤップをゲットすることができた♪
相棒共々、チョビッツ興奮してしまった☆
しかし、他のクワカブがいないのが不思議だなぁ…。

ブヨブヨの地盤に付けられているのは、ボコボコ、ギザギザした私の足跡のみ…
こんな所まで降りてくる採集人は、そう滅多にいないだろうから
この夏集結したミヤップを一網打尽できた!そんなラッキーな展開であった♪

ここは、付近の建物用途からとって「Grs柳」とでも命名しておこう。
よしよし、また一つ、とても大きな収穫があったぞ!


私の足跡の上を歩くミヤップの♀

ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♂63mmと極小サイズを比較。



〜 あえなくUターン、そして終幕… 〜


 「Grs柳」の発見で気を良くした後、最後にまた一つ気になった山道に遭遇したので
その行き着く先を見てみたくなった。
早速その気持ちを行動に移す。
しかし、行けど行けど、道は険しく、細く、ぬかって行くばかり…
辺りは真っ暗…古びた標識も、どうやらあてにならないことが分かってきた。
駄目だ、ギブアップ!こりゃ引き返した方が利口そうだね。
これ以上、ただでさえお疲れのインテグラに無理をさせる訳にはいかないよ…(^-^;

気温がグン×2下がっているので、今宵は夜間採集の期待があまりできない…
今日は、相棒共々納得の行く成果を上げられている事だし
たまには早く引き上げよう…そんな訳で本日の採集行はこれにて終了となった。

帰り道、実家に近付くに連れ、田舎の夜空に大きな花火が上がり出した。
それを見る為に路駐している車もちらほら…
そうか〜、今宵は年に一度の花火大会なんだね〜☆
たまに実家へ帰っても、毎度×2、採集×2…これでは、そんな事を知るよしもない…
それにしても綺麗だわぁ…夏も終幕に近付いたのかねぇ…☆



〜 後記 〜

 20:30、無事に帰宅…。
先週末から実りを上げてきた某山の散策の続きを、今週も行った。
未知の林道を行き、新たな採集ポイントを運良く2つも発見することができた♪
水浸し」 、 「A川」 、 「橋桁雑木林」 に続き、 「山道入口」 と 「Grs柳」である。
気が付けば、8/21、23、24、29、今回30日と、ここ5日間で21♂14♀…計35頭のミヤップを採集した事になる。
笑われてしまうかもしれないが、素人の我々にとって、これらは充分すぎる成果であった♪

しかし、8月も残す所明日1日のみ…遂に夏が終わろうとしている。
欲を言えば、もう少し早くこれらのポイントを発見したかった所だが、まぁ、やむを得まい☆
そんな一気に、事は進まないものよ…
だから楽しいのだ。
順を追って、ゆっくり行きたい…これが我々の考え方である。
今後も、時間の許す限りこの山の事を勉強して
「点(ポイント)」を「線(道)」で結び、いつかそれらを「面」として認識したい。

因みに、最後に降参した林道は、地図に掲載されていないことが分かった。
引き返して良かったぞよ。
…しかし明るい内に、機会があればまた行ってみたいと思う…(^-^;


主な確認種 〜

●クワガタムシ科
 ミヤマクワガタ  : 5
♂♂♂♂♂ 4♀♀♀♀



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