採集履歴

“2003年 秋のクワガタ採集” 編(2)



03.09.12
(Fri) 快晴 Night 「夏の余韻の中で」 
                                                                                                  

 昨晩は、遂に03.07.20に採集したミヤップ(♀)の寿命が訪れたので
急遽、その展足作業に取り掛かる事となり、寝るのが午前3:00を回ってしまった…(^-^;
自分で言うのも何だが、私は非常に神経質なので(笑)
毎度×2、これにかなりの時間を費やしてしまう。
いきなりだが、ここでチョビッツ小話…

 ミヤマクワガタの遺体は、飼育ケースの中に放置しておくと
 すぐにふやけて、修復不能な程に体を構成する各パーツがバラバラになってしまう…。
 また、ケースの外へ移しておくと
 ☆になった時点の状態(脚、触覚、顎…等、各関節部分を折り曲げたままの状態)で
 あっと言う間に乾燥してしまい
 それにより一度固まってしまった関節部分を無理に広げようとすれば
 その部分から簡単に折れてしまう…。
 特にこの種は、他の種に比べ体内に多くの油分を含んでいるためか、一度バラバラになった
 パーツを接着するのが非常に困難である。

…そんな訳で、いつも私は、ムシが☆になった事を確認後
すぐに展足作業に取り掛かかる事にしているのだ。
厳しめに見ても、42.5mmというマイギネスサイズの立派な個体であるため
寝る間を惜しんででも
できる限り美しい標本を作りたいという気持ちが強く、遅くなるまでつい熱中してしまったという訳だ。

しかし、平日は毎朝5:30に起床している私にとって
日中はさすがに仕事をしているのがきつかった…(^-^;
されど、今宵も頑張らねば。
一週間、また一週間と、週末を迎える度に夏は遠ざかり、確実に秋に突入している。
それをのうのうと見送り、迎えていくつもりはない。
この季節の変わり目を、ムシ採りをすることにより、全力で見つめていきたいと思う。
19:00ジャスト…帰宅するやいなや、何も考えずにいつもの丘へ向けて出発した。


〜 合流 〜


 21:30、珍しく私の方が先に相棒との合流場所へ到着した。
(とは言え、2時間半もかかってしまったのか…(^-^; )
そしてじきに相棒も到着し、彼のインテグラ一台で行動することにした。

今宵は相当蒸していたので、はかない期待を抱いていたが、さすがにこの時期であり
まずは「A川」へ行って見るも、ものの見事にボーズであった。
シチュエーションはバッチリなのになぁ…つまり、秋なのである。
しかしせっかくのみちくさなので
ここで、先日相棒が単独で採集してきたミヤップ達を全てリリースしていく事にした。


〜 犬屋U 〜


 「水浸し」へ向かう途中、いつも白い野良犬が闊歩している
「犬屋U」へ立ち寄っていくことにした。
ここには、清流に沿って感じの良いクヌギ、コナラが立ち並んでいる…。
樹上を見上げると…おっ、いた!
今宵初のクワガタである。
どうやらノコノコの様だ…かろうじて、夏の余韻が残っている模様。
何クワであれ、とりあえずいてくれれば嬉しい♪

だが、珍しく野良犬の姿がなかった。
いるべきものがいないというのは、何となく寂しいものだ…(^-^;


何かいますね〜。

ノコノコの♂の様です。



〜 水浸し 〜


 そしてお次は、先日相棒が実に悔しい思いをした(?)、「水浸し」。
ここでも、ムシ(特にカブト…)がぐっと減った印象を受けたが
「クワガタの実る樹」の樹上で、結構大きく見えるミヤップ(♂)の姿を発見した。

ややや?あれは一週間前に採り逃したミヤップだろうか??
角度的に、捕虫網を近づけられない箇所(下写真、左へ伸びる枝の根元裏側)
をウロ×2していたので
インテグラのトランクから脚立を持ち出して
それをステップに樹の幹にしがみつき、獲物を鷲掴みした!
今宵は確実性重視で行こう。
ところが

…あら?思った程大きくないなぁ。
そう伝言しながら獲物を相棒に手渡し、後程計測してもらうと
今夏、県内73頭目のミヤップのサイズは、64mmであった。
う〜む…やはり70mm越えは厳しい。

しかし、逃がした獲物は大きく見えるもの…とはよく言うが
こいつが先週採り逃がした大型の♂であったのだろうと勝手に決めつけ
答え合わせでもしたかの様な気分になり、妙に納得(安心?)してしまった。
1週間も前の話なのにねぇ…
一応、これでリベンジしたということになるのであろうか・笑??


相棒にミヤップを手渡す私…。

64.0mm …70.0mmの壁は厳しいです。



Grs柳


 チョビッツ移動して、「Grs柳」へ降り立った。
蒸している今宵、湿地帯に群生する柳の中へ侵入すると
ドッと汗が噴き出してきた。
本と、ムシを採るには絶好のシチュエーションなのだが…

真っ先に、これまで結構な頻度でミヤップが集まっていた柳をキック!
すると、ボトッ!と1頭のクワガタが落ちてきた…またミヤップ(♂)である。
ただ、非常に元気がなく、ぐったりとしていた。
県内74頭目、今年の〆となるミヤップはもう永くはなさそうである…
やはり、秋なのですなぁ…。

それにしても、今夏、この場所で確認した甲虫はクワガタのみ。
しかもその内訳はミヤップ14頭、コクワちゃん1頭である。
本当にミヤップだけのためにある様なポイントであった。


落ちてきたのは「ぐったりミヤップ」です…。



〜 久々の灯下 〜


 カブト、ノコノコミヤップなど、大型甲虫の姿が減ってきたのであれば
OBポイントで、ス〜ジ〜あたりが狙えるかな?
と思い、久々に足を運んでみたのだが、結果はコクワちゃんばかりであった。

それでは、まだ×2時間もあるので、これまた久々に灯下の様子でも見に行ってみよう。
目指すは今年、散々世話になってきた「Sきょく」である。
さて、今宵はどんなムシが見られるだろうか?

おっ!ツクツクボウシではないか!
私は昔、蝉にもはまっていたが、このツクツクボウシを捕らえることがどうしてもできなかった。

何せ小さくて、すばしっこいし
一フレーズ鳴き終える度に、別の樹へ移動する様な
慌ただしいセミであったから…
なんて言い訳しても仕方ないか (^-^;
ただ単に、私が下手くそだったのですよ☆
それにしても小学生の時分
灯下で捕まえようなどとは、考えもしなかったなぁ…。
実にあっさりと手に採ることができた♪
う〜む…感慨深い・笑

ツクツクボウシが鳴き出せば、夏が去りゆく証拠である…
そういや今年は、ニイニイゼミによって夏の到来を知らされなかった気がする…。
本当に今年の夏は涼しく、そして束の間の出来事であった。


ツクツクボウシMeimuna opalifera


 街灯下の低い植栽には、コシマゲンが沢山!
ヒメゲンに次いで、この辺では個体数が多い小型種であるが
今宵は大量発生していた。
一体、そのきっかけは何なのだろうか?
季節的にピークなのかな??
よく見れば、中型種のシマchanも普段より沢山いるぞ…。

水棲昆虫も小学生の頃は沢山採ってきて楽しんでいたものだ…懐かしい。
久々に、また始めてみるのもいいかもね!?
せっかくだから、今宵は何頭か持ち帰ろう♪

さて、日付が変わった事だし、この辺でお開きにしましょう☆
リベンジもできたし(?)、なか×2楽しい採集だったんじゃない? > 相棒


コシマゲンゴロウHydaticus grammicus

植栽の中にいっぱい!

シマchanこと、シマゲンゴロウHydaticus bowringiiも!



〜 後記 〜

 実家へ戻ったのは1:30。
帰りの道中は、本と運転がきつかった。
(眠かったの何のって…(^-^; )

食卓の皿の上に美味しそうなブドウが盛られていたので、パク×2と糖分補給しながら
採集してきたゲンの処理をした(→殺しちゃった訳じゃないよ!)。
当面は綺麗な水を入れて、休憩場所として爪楊枝でも入れておこう。

今週は、かろうじてミヤップが生き残ってくれていたが
ムシの数は大分減った模様…
秋ですなぁ…。

今年は冷夏であったが、新しい採集ポイントの発見があり
74頭のミヤップの他、多くのムシ達と出逢う事ができた。
そしてス〜ジ〜などのマイギネスサイズを更新する事もできた。
何だかんだと、様々な想い出を作れた事だし、これで良しとしよう☆

きっと今頃、高山の柳帯では、アカアシクワガタのベストシーズンが到来していることだろう。
今後はそちらへ目を向けてゆく事にしよう。
そして願わくば、いつかは諸先輩方の様にヒメオオクワガタにも遭遇してみたいものだ。
また、久々に水棲昆虫を追いかけてみるのもいいかも!?

さぁ、時計の針は2:40…今晩はいっぱい寝るぞー!


主な確認種 〜

●クワガタムシ科
 ミヤマクワガタ  : 2♂♂

●ゲンゴロウ科
 
シマゲンゴロウ
 コシマゲンゴロウ


※翌日、コシマゲンの一頭が共食いされていた…
見かけはカワイイが、さすがは肉食のゲンchan達である。
灯下に飛来した個体ばかりなので、相当エネルギーを消費していたのであろう…
スルメをちぎって放り込んでやると、わら×2とそれに群がってきた!
実に分かりやすい…(^-^; そして泳ぎ方には愛嬌がある☆

イカに群がるコシマゲン




※採集記目次へ