採集履歴

“2003年 秋のクワガタ採集” 編(4)



03.09.27
(Sat) 晴れ Mt 「鈴なりの柳の実を求めて…細道を」 
                                                                                                  

 本日も実家で朝を迎えた。
今年に入って、ムシ採りの頻度がより一層増えたおかげで
実家に帰省する頻度も確実に上がっている。
両親とも上手にコミュニケーションがとれるので
とても良い傾向(!?)…である・笑。
色々とご迷惑を掛けております…。

まだみんな寝ていたので、恒例の朝トレを済ませてからは
平日のお昼休みに、職員室のテレビで必ずかかっている
NHKの連ドラ「こころ」の最終回を堪能した…
(当然ハッピーエンドであった・笑)

朝食のメニューは納豆、卵、温野菜に味噌汁…実に健康的な献立である。
恥ずかしながら、千葉ではこんな朝の食生活が有り得ない。
今週末も実に平和な午前中を迎えさせて頂いた。
感謝♪

さぁ前回に引き続き、空は秋晴れだ。
気温も24℃と、山歩きには調度良い。
本日は山地生の柳に付くアカアシクワガタを観察しに出かけよう。
私は未だ、アカアシの群れ、いわゆる柳の枝にそれらが「鈴なり」している状況を見た事がない。
快活な秋期のクワガタ達の姿をこの目に焼き付けて
るどるふ先輩が記録した当時の自然環境が
未だ健在なのであろうか…それを確かめてみたい。


〜 そっち方面へ 〜


 昼前の11:30、いざ出発。
行きは時間を惜しんで高速移動を試みた。
道は結構混んでいる…土曜日だからねぇ〜♪天気もいいし!


皆様はどちらへ行かれるのですか…??


目指す山の麓まで辿り着くと、例によってコンビニで食料を調達し
頂上付近へ向けてまっしぐらである・笑。



〜 雨あられ 〜


 時折待避所や、「警笛鳴らせ!」の標識が現れる、とても細い登り坂をうねうねと行くと
ちらほらと柳が見えてきた。
道路は所々、水浸しである…。
エテ公が戯れていそうな岩場と小さな滝が沢山見受けられる…。
そして徐々に、辺りは柳のパラダイスと化して行くのである。
私の知る限り、このエリアの山地生柳の豊富さは、県内では最高だと思う。
(何を基準にしてそんな事が言えるのか定かではないが…(^-^; )
数年前、先輩がお一人でここを訪れた時
それは感動された様で
遅ればせながら、その気持ちがとても分かる様な気がするのである。

さぁ、道路際(右手)に一きわ目を惹く立派な柳が見えてきたぞ!
いるかなぁ?アカアシクワガタ
車を路駐して、対向車や後続車が来ない内に(滅多に来ないけど…(^-^; )
すみやかに事を済ませるべく
とりゃ!と相棒が樹の幹にキックを入れた。
すると…

パチパチパチパチパチ!

いい音だ〜!
早速アカアシクワガタが、コンクリート上にあられの如く降ってきた♪
幸先調子が良いぞ!
これならいわゆる「鈴なり」の状況を写真に収められるかも!?


いつ見てもいいです…の葉。

降ってくるその瞬間がたまらないのです♪



〜 柳帯の中へ 〜


 道なりに歩を進めて行くと
緑、黄緑色の葉を目一杯広げた柳群の光景のみが眼前に広がる…
いつ来ても本当にいい所だ。
アカアシは…?
あらぁ…?見当たりませんなぁ…どうやらお留守の様である。
前回推察した様に、やっぱり今年は不作なのであろうか?

いったん本筋を逸れ、少々奥まで続く林道を流してゆくと
その途中で、小川の際に生えた柳から、かろうじて1♂が落ちてきた。
水の中に落ちて、溺れそうになっていたので
相棒が慌てて救出。
お持ち帰りできそうな、大型の個体はなかなか見つからないものだ。


…いいですねぇ〜♪

枝の上にはトンボが…。


 所々荒れた林道だが、懲りずに突き進もう。
兄やんによるとアカアシクワガタは、沢山の柳の中の、特定の樹に集中しているケースが多いそうだ…。
彼らの「好み」とやらが、定かでないが
いずれにせよ、そう簡単にそんな樹と巡り逢えるものではない。
次に目指すは、03.04.27に訪れた「釣り人ポイント」方面である。


時折陽が差し込む林道…ここを突き進んでみましょう。



〜 釣り人ポイント 〜


 ガタガタ道を数km走って、ようやく明るみに出た!
ここにも柳のパラダイスがある。
しかし、やはりアカアシの姿は見えない様だ…。
春先、付近の立ち枯れの表面から、成虫の死骸をいくつか確認しているので
そこそこの数は棲息している筈なのだが…
血眼になって探した結果、かろうじて1♂であった。

相棒の方は、ブッシュの中をかき分けて、全く関係のない樹から
コクワちゃんのペアを発見した模様。
いったい何と呼ぶ樹なのでしょうか?


本当にが豊富な場所です。

この様な樹肌の亀裂部分に身を潜めるコクワちゃん…。

いったい何という名前の樹でしょうか??



〜 小鳥屋さんち 〜


 「釣り人」ポイントが駄目なら、再び本筋へ戻り、「小鳥屋」さんちへ行ってみよう。
舗装道路に出ると、何気に一安心である…(^-^;
そして間もなく現場へ至る林道入口に到着した。
車での侵入が不可能なので、ここから先は徒歩にて移動だ。

ところでこのポイント、林道の入口付近から
結構な量の柳が生えている…。
樹幹の直径が40cm以上はある様な、立派な樹も少なくない。
微妙な震動ぐらいは与えられるだろうと
渾身の力を込めて蹴飛ばしてみると
アカアシの1♂1♀が落ちてきた。

…まぁ、いない事はなさそうだね☆
しかし、先輩が過去に遭遇したアカアシのパラダイスぶりに比べれば
何と寂しい状況であろう…。
開発が進んだ様子はどこにもないし…
採集人が増えたぐらいで影響を受けてしまう様な山の規模とも思えないが
(因みに採集人には一度も出逢った事がない…)
今年は何となく、「鈴なり」の状態は厳しいかな…
そんな気がした。

結局、「小鳥屋」さんちの現場まで登って様子を見てきたが
結果は2♂程度で、状況は他のポイントとさほど変わらなかった。


パチ×2、かろうじて1♂1♀が落ちてきました…。



〜 下山 〜


 その後、登ってきた道とは正反対の道を選んで下山して行く事にした。
そして暫くの間、柳帯の美しい光景にはお付き合い頂いた。
本当に、柳が濃いエリアですなぁ…。
これで付近にブナ帯でもあれば、ヒメオオの個体数も増すと思うのだが…

道中、「ドンブラコ」や「ガードレール横」と、行きつけの柳ポイントに立ち寄ってはみたものの
見事にボーズであった…(^-^;

う〜む、前回もそう思ったのだが
やはりアカアシの発生個体数が少ない様だ。
何が影響したのかは分からないが
チョビッツ残念である。
出だしは良かったのにねぇ…(^-^;

さぁ、暗くなってきた。
帰路につこう…。
本日採集したアカアシくん達は全てリリースである。

しかし、今日ぐらい天気が良いと、クワガタがさほど採れなくても
気分がいいものだねぇ〜☆
まぁ何にせよ、そっちの山の癒し効果に浸った一日でもあった♪


※帰り道、8月に散々通った丘の上のポイント、「A川」や「水浸し」付近を通ったため
久々にみちくさして様子を見て来たが、こちらはコクワちゃんのパラダイスと化していた。
その他の種は、かろうじてノコノコの1♀が生存していたぐらいである。
う〜む、まだいるか…(^-^;


陽が落ちてきました…まだ×2先は長いですよ。



〜 後記 〜

 やはり今年のアカアシクワガタの数は
先輩が訪れた当時(2000年秋)のそれと比べると、極めて少ない様だ。
経年的に、長年その様子を見つめてきた訳ではないので
「増えた、減った」などと
安易には言えないが
8月初旬辺りから何度も通ってみたものの、状況は一向に変わっておらず
今秋の結果が、これ以上のものになるとは思えない。
う〜む…冷夏の影響が、季節の枠を飛び越えて及んでいるのかな?

幸いなことに、地元の方々の尽力もあって
豊富な植生、水源などが自然の形そのままに
依然として残されている事は確かなのだから
是非来年度以降も訪れて、長い目で様子を見させて頂きたい。


〜 主な確認種(全てリリース) 〜

●クワガタムシ科
 アカアシクワガタ9♂♂♂♂♂♂♂♂♂ 2♀♀




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