採集履歴
“2003年 水棲昆虫” 編(3)
03.10.19 (Sun) 晴れ Mt〜Hill 「はじめの一歩」 |
う〜ん、風邪を引いたかも…。 しかし布団から体を起こし、カーテンを開け外の景色を眺めた所、朝っぱらからとても天気が良い。 絶好の採集日和ではないか… だとしたら、のんびりしている暇はないな…(^-^; とりあえず朝の日課をこなしながら、頭の中で本日のプランを立てた。 現在、私の興味は、実家付近には生息していない、中〜大型のゲンゴロウにある。 特に我が故郷県内に、オオゲンが生息している事は 様々な文献(図説日本のゲンゴロウ:文一総合出版、他)の記録や そーるわん先輩のページをはじめとするネット上の採集報告からも明らかである。 ただし、その個体数は極めて少ない様だ…。 しかし、可能性が0でないなら クワガタ同様、多産地にとらわれず、地元採集に拘っていきたい。 ハードルが高いなら、より求め甲斐があるし 何よりも長期に渡って楽しめるではないか…(^-^; まぁ、いきなりオオゲンとは行かなくとも、クロゲンや、マルガタなど 見てみたいターゲットはいくらでもいる。 よって今週は、「中〜大型種の地元採集」…その願いを叶えるために、第一歩を踏み出す事にしよう。 目指すは、山地周辺にある水辺である |
〜 北へ 〜
11:00、相棒と共に実家を出発。
まぁ何にせよ、これから先の道のりはとても長いので、のんびり行こう。
それにしてもいい天気だ!
道もがら空き…気分がいい♪
遠くのお山を目指しましょう!
途中で、レトロな駅を横切りました。
〜 網入れ開始! 〜
真ん中の国道をある程度北上した所で、西へ逸れる事にした。
トンネルを抜ければ、山間の盆地にあたる地形が広がり、そこに水辺が見えてくるはずだ。
クワガタ採集時に散々歩き回って得られた土地勘はダテではない。
本線を逸れてから、数十分
早速橋桁の下に、良さそうな水溜まりを発見した。
さすが、山間部である。
水がとても綺麗だ☆
ここで本日初の網入れ開始!…しかし綺麗すぎても駄目なのか??
何も入らなかった…(^-^;
橋の下でガサガサやる相棒…
更に暫く西へ行くと、のどかな田園風景が見えてきた。
本当に、ポカポカ陽気である♪
のどかななぁ…
新たに橋を渡った所で、また感じのいい小川を発見!
車を停めるための適当なスペースが見つからなかったので
田んぼの中の小道を行き、数百メートル離れた所で無事路駐…
先程見つけた小川まで、水溜まりをのさばるヘビを観賞しながらテクテク歩き
ようやく網入れを開始した。
見つけたポイントは結構遠い…
ここも水が綺麗だ…それに適当な淀みができている。 悪くない!
一すくい、また一すくい…
ミズカマキリ、コオイムシ、高山性のトンボのヤゴが次々と入ってくる。
メダカも少々…
されど、ゲンは入ってこないなぁ〜。
時々ヤマメも泳いでいるそうです。
暫く網を入れていると
橋の上に、おやっさんが登場した。
目の前にある住宅にお住まいの様で
いつもこの淀みに集まってくる
ヤマメなどの魚に餌をやっているのだという…。
我々の行動を見て、何やら不安そうな顔をしていたので
「ご免なさいね、うちらのターゲットはムシなんですが…いないんでそろ×2行きますよ。」
と言って、これにてこのポイントを放棄する事にした。
なかなか良い環境だったんだけどねぇ…。
しかし、土手を登って現場を引き上げようとしていると
おやっさんは少しずつ親し気に話しかけてくる様になり
「向こうの山にカブトムシが沢山いるんだよ!」
と、先程車を路駐した方向を指さして、親切に教えて下さった。
ありがとうございます♪
相棒は、そそくさと遙か前方を歩いている…。
冷たい奴だ…(^-^;
車に乗って、カブトムシが沢山いるという林の前を横切ったが
とりあえず現在は、ちょっと考えにくい状況であった…(^-^;
コスモスがとても綺麗でした。
山間の寂れた町を走り抜けながら再び北上していると、容易に岸まで降りて行ける
綺麗な川を発見した。
今度はそこそこ幅が広い。
川岸に生えた雑草の、根際部分をガサガサやってみるも
依然成果は上がらず…
う〜む、なかなか難しい。
関係ないが、上にあるブロック塀の向こうには、いい街灯があった。
夜になったら結構飛んでくるんだろうなぁ…。
頑張る相棒…でも何もいません。
できれば沼地や、流れが無く水深の浅い湿原を見つけたい所だが
道路沿いから絶えず見えてくるのは、渓流ばかり…。
山地なので仕方がない。
〜 丘へ 〜
あっちの山へ至る国道に出た所で
山間部を旅するのはこの辺でやめにして
少々南下し、丘の周辺を散策する事にした。
そろそろ水溜まりを見てみたい。
クワガタ採集でいつも回っている道を何気なく走っていると…
「おっ!」
これだ×2、ずっと我々が求めていたのは!
ゲンゴロウが棲んでいそうな、ナイスな溜池が見つかった。
この様な溜池が多い地区みたいです。
池のそばまで行って、早速網を入れてみる。
しかし、このでかい池にゲンが棲んでいたとしても
小さい網では、そう簡単にすくえるものではなかった。
県内のゲンゴラーの話によると
こういったシチュエーションで採集する時は
煮干しなどの餌を水面に浮かべ
数分後、わらわらと寄ってきたゲンゴロウ達を一網打尽にする方法がとられているそうだ。
ゲンゴロウは、水中の餌の臭いをかなり敏感に嗅ぎつける事ができるらしい。
なるほど…
先日の「イカに群がるコシマゲン」現象が納得できる…(^-^;
そんな予備知識があったので、ウルメ(魚の干し物)を持ってきたのだが
残念ながら車の中に置いてきてしまった。
よって、水際に沢山いた、「カンカン、アメリカン」の一頭にご免なさいして
その代用としてみたが、全く音沙汰無しであった…(^-^;
また後日、作戦を練ってリトライする事にしよう…。
その後、前述の溜池からすぐ近く
兼ねてから知っていた「Oポンド(前述とは別の溜池)」の裏手の用水路や、休耕田の水溜まりを訪れた。
う〜ん、着眼点に間違いはないと思うのだが
大したものは採れない…
ゲンゴロウ、特に大型種への道のりは非常に険しい…(^-^;
用水路にいたのは、ドジョウとミズスマシ…
かなり良さ気な休耕田の水溜まりには、マツモムシがいっぱいでした。
気休めではあるが「Oポンド」に、持参したウルメをタコ糸で結んで水面に浮かべ
この場を後にした…。
帰りがけに、もう一度だけ立ち寄ってみよう。
〜 弁当屋の裏で 〜
だんだん陽も暮れる中、某弁当屋の横に架かる橋の真下を見下ろした所
用水路の途中で、適度な淀みがあるのを発見した。
水深はさほど無く、植物が沢山生えていて、昆虫も湧いていそうである。
さぁ、ここを網入れのラストポイントに決めて、もう一踏ん張りしよう!
柿が実る秋ですねぇ…最後のポイントへ向かう相棒です。
私は、一たん橋の反対側へ向かったが
3頭の犬に、狂った様に吠えられ、あえなく撤退…
相棒の方へ戻ろうとしつつ、橋の上から一枚。
見つけた水辺はこんな所です…。
最後はこんな所です。
うぉ〜!
ここは生き物が沢山いるぞ!!
網を入れれば必ず何かが入ってくる。
「空振り無し」…と言った所だ。
タイコウチ、ミズカマキリ、マツモムシ…
そして、コオイムシもおった!
タガメを除く代表的な水生半翅類が一通りいるといった感じだ。
その他、ドジョウやカエル、カニ、タニシ、アメリカンなどが生息している模様…
しかし、肝心なゲンゴロウは入ってこない。
ここまで水が汚いと、生息は厳しいのかも…。
コオイムシ(Diplonychus japonicus)♪
されど、このポイントでは存分に楽しませて頂いた♪
目の前に、美味しそうなエノキ材が転がっていたとしても
完全に無視である。
まぁ、沢山付いているドルクスマークも、所詮コクワちゃんのものだろうけどね…(^-^;
美味しそうな材には全く目をくれず…面白い光景です。
〜 閉幕 〜
一日中歩き回り、暗くなってきたので
本日の〆に、先程「Oポンド」に仕掛けてきたウルメの様子を見に行った。
ドキドキしながら歩み寄る…果たしてその結果は…!?
駄目だぁ〜、何にもいない… (T-T)
アメリカンさえも来てないのが悲しい…(^-^;
大型ゲンゴロウを訪ねる旅は、まだまだ始まったばかり…
仕方ない、本日はこれにて閉幕致しましょう!
また来るよ!ワンちゃん☆
カラスが鳴くから帰りましょう…。
〜 後記 〜
オオゲン等の大型種が生息できる環境は、水が綺麗である事を条件とするため
我が県内で該当するポイントを考えると、必然的に山地に絞られる。
しかし、山地の水辺は流れの速い渓流が多いので
適当な水溜まりを発見する為に、もう暫く時間がかかりそうだ。
本日は、大型ゲンゴロウ採集の手掛かりを求めて、あちこち散策してきた訳だが。
特にこれといった成果を上げる事はできなかった。
されど、まだまだ第一歩を踏み出したばかり…今後も懲りずに足を運び続けたいと思う。
弁当屋の橋の下は、なかなか楽しませてもらったので、是非また訪れてみたい☆
〜 主な確認種 〜
●水生半翅類
コオイムシ