採集履歴

“2004年 ミヤップ掘り” 編(1)



04.02.01
(Sun) 晴れ Hill 「ポイント消滅 …(T.T)」 
                                                                                                  

 連日、小春日和が続いている… 実に暖かい(^-^)。
朝トレを済ませ、トースト2枚、ゆで卵2つ、トマト、キューリなどの生野菜をしっかり食べて
元気一杯♪ 本日も気持ちよく、そしてのんびりと採集へ出かける事にした。

今回は、昨夏、ミヤップ採集にて何度もお世話になった某山方面を目指す。
その動機は、相棒のかねてからの提案をきっかけとするが
最近、河川敷での「穴掘り」が習慣化したせいもあって
衝動的にミヤップを掘ってみたくなったからだ…。

ノコノコ同様、ミヤップも基本的には土中の根食いである。
そう言えば、あれだけ沢山の成虫を採集しているのに
幼虫を土中の材から確認してみた事はない…。

また材を抜け、地中で蛹化、羽化後越冬するミヤップの記録は
雑誌などの文献では勿論、ネット上でも見た事がない…。

材中の幼虫を確認したという報告は良く目にするが、それ以後の経過については
多くの鍬形愛好家が興味を示す所ではないかと思う。

たかが普通種のミヤップ、されどその自然下での生態は、未だ謎が多いクワガタだと言っていい。

う〜ん、ならばそれを探り出してみたい!そう思うのが自然な事ではないですか。。。
まぁゴチャゴチャした前置きはこの位にして、いい加減出発しよう。…11:30。


〜 みちくさ 〜


 目的地へ向けて通い慣れた道をゆっくり流していると
先日、怪しい信号無視の車と遭遇した通りが道路工事で閉鎖されていたので
とある交差点で左折し、病院?関係の建設現場横を抜けて行く事になった。

全く知らない道である…
しかし、これによって気分を害する事はない。
逆にワクワクする♪

2t積載のアートトラックを横目に、細い路地を進んでいくと
運良く田んぼの周辺に、感じのいい雑木林を発見する事ができた♪
ノコノココクワちゃん、間違ってオオクワと言ったフィールドと言えよう。

更に国道を跨いで、Y町の西方を抜けて行こうとすると
某小学校やゴルフ場付近に、先程よりも更に有望と言えるクヌギ林を多数発見…
この辺りはミヤップゾーンかな!?

どの箇所も、車の中から眺めただけで、あえて立ち寄る事はしなかったが
今夏に期待できそうな、とてもいい遊び場に遭遇できた♪

必然的に「みち」の選択をする「機」が訪れ、思わぬ収穫有り!
これはいきなりラッキー☆彡である。
たまにはこういうみちくさをやっておくのもいい。

一度頭にインプットしたポイントは、二度と忘れない!
夏になったら、必ずや様子を見にくる事にします。。。



〜 某山 〜


 その後暫く行くと、予想通り、走り慣れた勇生丸通りに合流した。
そこから先は順当に目的地へ向かってまっしぐらである。

さぁ、いよいよ某山の一画に到着だ。

まずは夏にお世話になった「A川」を散策してみる…。
しかし、ミヤップを探せそうな、周囲に穴掘りしたくなる朽ちた根株が全く見当たらない。

それではお次へと、「水浸し」付近の柳帯へ移動してみた。
しかしここも残念…夏になれば沢山の成虫が飛んでくるポイントであったが
幼虫も棲んでいるか?といえばそうではなかった。

数少ない材を削ってみても、出てくるのはお約束のコクワちゃんばかり…(^-^;
早めに見切りをつけた方がよかろう。

う〜む、思ったより苦戦を強いられそうだ…。


この辺の河原はちょっと違うみたいです…。



〜 見切り 〜


 その後、場所移動を試みようと発進するも、Kトラ連隊に行く手を阻まれる一コマ有り・笑


ワンダバダバダバ、ワンダバダバダバ!


ところがところが、「面白い絵だなぁ〜」とケタケタ笑いながら様子を見ていると
とある坂道のカーブに差し掛かった所で
加速するKトラ連隊に、何と相棒の車が遅れをとりだした。
もう着いていけません…そんな悲鳴を上げている感じである。
2人して大笑いだ・爆!

前回の採集記の冒頭にも記したが、やっぱ廃車だな、こりゃ…(^-^;

結局、目指してきた某山内では、渓流沿いを暫く流し、特にこれと言った発見もできず
いわゆる下見で終わってしまった。
しかしこれも、我々にとって大切な学習過程なのである・笑



〜 N水浸し 〜


 続いては、先程のポイントから、さ程遠くはない
昨夏の終わり(03.09.13)に見つけておいた「N水浸し」ポイントへ行ってみた。
小川の周囲に開けた地盤の緩い土壌には種々の広葉樹が生い茂っており
状況は、いかにもミヤップ!と言う感じだったが
適当に枯れた根株を見付け、根っこごとひっくり返して見るも
土中からは
コガネムシ科の幼虫がザックザク!…(^-^;


適当な根株をひっくり返してみるも…

土中からはコガネムシ科の幼虫がザックザク!


沢に埋まっていた様な、グジュグジュの根株からは、コクワちゃんの幼虫とその成虫が数頭出てきたのみであった。
ス〜ジ〜ぐらい出てきてくれてもいいと思うのだが…。

なかなか思い通りには行かないものだねぇ。 > 相棒


ス〜ジ〜ぐらいは出てきそうなものですが…コクワちゃんです。



〜 最後にSポイントへ 〜


 昼飯を食べてないせいか、大分腹が減ってきたので
「ライフスポット○○屋」という食料品店(相変わらず何もない店だなぁ…(^-^; )で
せんべいの詰め合わせとウェハースを購入し
モシャモシャ、バリバリと食べながら歩を進めて行った…。
あらら!?このせんべいは、色んな味がよりどりみどりで結構いけるな…(^-^ゞ

 さて制限時間が大分迫ってきた所で
本日の締めくくりとして選んだのは、何年も前から良く知っている「Sポイント」だ。
ここは夏になると、親子連れから、その道のマニア?まで
幅広い層の採集人が、昼夜を問わずひっきりなしに訪れる人気スポットである。
…にも関わらず、クワカブが絶える事はなく、どこからともなくいくらでも湧いてくる、とてつもないポイントなのだ。

それもその筈、樹液をダラダラ垂れ流す、真っ黒い極太クヌギが、100本というのは少々オーバーにせよ、50本以上は有にある。
いや、100本ぐらいは軽く越えるかもしれない。
それ程に凄いポテンシャルを秘めた場所なのだ。

生息するクワガタは、大型種では圧倒的にミヤップが多く、次いでノコノコ…オオクワの目撃例もある。

普段なら、あまりにも人が集まるためスルーしていたが
本日の目的は、土中のミヤップの生態観察にあるのだから
問題はない。


 今日は運が良く、この山の一画にある工事現場の入口に設置されていたゲートが開いていたので
迷わずに突入した。 当然初めての事である。

気になる道なら “どこへで、も〜行く〜♪”(by揚水)

ちょうど、上記ポイントの裏山へ至るであろう山道がずっと奥まで続いていたので
幼虫を沢山育んでいるクワガタの発生源があるのかもしれないと
期待しつつ、散策を開始した。

辺りの状況は、裏山と言えど陽当たりが良く、極太の貫禄あるクヌギも結構生えており、なかなかのものであった。

相棒を見ると、ミヤップの幼虫が入っていそうな、枯れた根株を見付けて既に削り始めていた。

しかし、幸先良くス〜ジ〜の幼虫を出したものの、以下に続いたのはお決まりのコクワちゃん
彼の目の付け所に間違いはなかったのだが…(^-^;


ス〜ジ〜のお次は…やっぱりコクワちゃん


私の方も、林道の奥へ奥へと歩を進ませ
なかなかいい根株を幾つか見付け、叩いて廻ったが、やはり出てくるのはコクワちゃんばかりであった…。

もはや土中の蛹や羽化した成虫の事などは、先の先のまた先にある夢であろうと無意識に悟ったのか
気が付けば根株に宿る幼虫のみを探し求めていた。
頼む〜、一頭ぐらい出てきてくれ〜! > ミヤップ幼虫

しかし、その願いも虚しく、本日は最低限の目的さえもクリアする事ができそうになかった。
毎度の事ながら、「下手くそやねぇ…笑」

周囲に見切りをつけて、相棒と合流するため来た道を引き返す際
手ぶらというのはちょっと心許ないので、単独で越冬していたスズメバチンの女王様を連れて行く事にした。
冬季は動けないので安心である。

暫く行くと、相棒が見えてきた。

「お〜い、採れだが〜? > 相棒」

「採れね〜な〜(相棒)」

「俺はこんなの採れたよ!」

早速女王様を見せると、大の蜂嫌いである相棒は、相当ビビっていた(笑)。
しかしその後、寒くて動けない事に安心したのか、こいつの撮影を前向きに頼まれてくれた。
しかも勇気を出して至近距離から…サンキュ〜☆ > 相棒
さすがオオスズメバチの女王様だ…実に怖そうな顔つきである。


ほら、見てよこれ♪ > 相棒

怖い顔してますな…


陽も大分落ちてきた頃…
今日も駄目だったなぁ〜☆ はっはっは!
…と、そんな言葉を大声で交わしていると
突如工事現場のおやじが現れ、我々を不審そうに眺めながら歩み寄ってきた。

どうやら退き際の様だね…
少々名残惜しいが、そそくさと車に乗り込み、この地を撤退する事にした。(ご迷惑をおかけ致しました > おやじさん)

これも一つの“ながれ”であろう。逆らってはいけない・笑
目的が何一つ達成できなかったとは言え、なかなか良いポイントだったので
またいつかゆっくりやってくる事にしよう…
(その時に、入口のゲートが開いているといいのだが…(^-^; )



〜 ポイント消滅(+_+)! 〜


 帰り道、Sポイントに付属する様な、細い林道のある雑木林の前を横切った。…17:30。
付属する…とはいえ、ここも大変人気のスポットである。
Sポイントと比べ、生えているクヌギの幹が若干細めだが
林道沿いには、20本程の、クワガタを採るには申し分ないボコボコクヌギが、5m程の間隔で整然と立ち並んでおり
毎年夏になると地元の方々を楽しませてくれる。

Sポイント同様、近年余りにも有名になりすぎたため、やや避け気味の感はあったが
ひと昔前、自らが、初ミヤップ採集を果たした想い出のポイント付近であるだけに決して嫌いにはなれない。
因みに相棒は、昨夏にここでオオクワを目撃している…。

久々にちょっくら様子を見ていくか!
そんなノリであった。
いつもの待避所に車を停めて
林道の入口まで歩を進めた。 すると…

「あれれ!?」

一瞬何が起こったか分からなかった。
視界は明るく、余りにも殺風景ではないかい??

「を…(◎o◎)!?」

眼前に広がるは、禿げ山ではないかい…!?


想い出の場所は禿げ山と化していました…


あ〜ぁ…
クワガタを捕るためだけにあった様な雑木林が、見事に伐採されてしまった。
こんな異常なポイントは、そうそうお目にかかれないというのに…
実にもったいない…。

確かに最近の夏は、マークが薄かった。
しかし、長年かかって形成されてきたボコボコクヌギが、一気に数十本無くなってしまったのだから…
想い出のポイントが無くなったのだから…
余りにもあっけなすぎて、正直ショックであった。
数ヶ月経って、夏が訪れた時、ここへ来るのを楽しみにしていた、どれだけの親子連れががっかりする事だろう…

椎茸栽培用のホダ木を得るためか…
この傾斜地を開墾して、何かを造成するためなのか分からないが
非常に残念な事である。

林道の入口付近には、枝を払われ、均等な長さに切断されたクヌギのホダ木が
お行儀良く積み上げられていた…。


全てが林道の入口付近に集約されていました…。


その一方で、ムシや採集人に大変人気があったボコボコの幹は
ホダ木としての利用価値がないらしく、分別され無雑作に捨てられている模様…
あぁ、虚しい…。


もはや何の価値もなくなったボコボコクヌギの幹です…。


でもさ、よく考えてみれば仕方がないよ。
この山の持ち主が、必要に応じて伐採したんだもの…
誰も文句は言えないよね☆
もしかしたら、我々採集人のマナーが悪かったのが原因かもしれないよ…。
ゴミも沢山捨てられてたしね。

これまでずっと、よそ様の土地に勝手に侵入して遊んで貰ってた訳ですが
沢山の想い出をくれてありがとう…
そう思う事にした。

さぁさぁ、次回こそはミヤップの幼虫をしっかり見るぞ!
そう意気込んで、いつもの様にバカ話をしながら帰路につくのであった…。


最後に、つい最近まで元気に生きていた、数多くのクヌギの中のごく一部をご紹介して
本日は閉幕致します。。。
もっと凄いのを、沢山撮っておけば良かった…(^-^;  03.08.16撮影


  こんなのが、延々と並んでたんですよ…皆さん、さようなら〜☆



〜 後記 〜

 最近実家では、お好み焼きが流行っているらしい…
先週に引き続き、今週もマヨネーズをたっぷりかけてエネルゲン補給してから
元気に千葉のアパートまで帰ってきた。…22:35。

年がら年中、実家へ帰ったかと思えばムシ採りに出かけてばかり…
なのに、しっかりと食事だけはさせて貰って本と申し訳ない…m(_ _)m > 両親

それにしても今日は、夏に期待できるポイントの発見、想い出のポイントの消滅…etc、色んな事があった。
寂しくもあり、ラッキー☆彡でもあった。
冒頭では、土中に潜む
ミヤップの蛹や、羽化した成虫を見てみたい!などと、かなり意欲的だったが
本日の一連の流れから考えると
初めからそんなにハードルを上げておく事自体、我々素人には厳しかったようだ…(^-^;

…と言う訳で、気を取り直し、次回は
ミヤップの「幼虫」を限定して探そう!(懲りないねぇ〜・笑)

ミヤップ掘り”編、次回、仕切り直します。。。


主な確認種 〜

●クワガタムシ科
 コクワガタ : 1♂ 1♀ 幼虫× n
 スジクワガタ : 幼虫× 2




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