採集履歴

“2004年 猛暑のさなかムシ採り” 編(4)



04.07.24
(Sat) 晴れ Mt〜Hill 「どっぷりクワガタ採集」 
                                                                                                  

 昨年からくどい様で恐縮だが、私のクワガタに関するの楽しみ方の一つは
例え普通種であっても、自己ギネスサイズを更新するために
それらを求めて、ひたすら野山を走り続ける事にある。
そしてできる事なら、地元(県内)でその記録を更新していきたいという願いがある。

地元ではミヤマノコギリの70.0mm越えが大きな目標だ。
その他にも、スジなら34.0mm、コクワちゃんアカアシなら50.0mmと言ったところ。。。

7月と言えば、クワガタの発生頻度もピークだろうから(?)
今年もできる限り動いておきたいと思う。


〜 寄り道しながらそっちの山へ 〜


 12:30に相棒と共に自宅を出発し
途中であちらこちらに寄り道しつつも
何とか目指す山(これまでに幾度か訪れているエリア)へ到着した。

この辺りは、我が県内に生息するクワガタの種の大半が集約されているのではなかろうか?

下道を、よそ見ばかりしながら走ってきたので
随分タイムロスしちゃったかな?…(^-^ゞ

まずは、ガードレールを越えた土手の下に
雰囲気の良い田んぼと小川、それからヤナギ帯が見受けられたので
ここで腰を下ろしてみよう。

私は、とりあえず小川の方が先に気になったので
網を持って出陣。。。

4頭のシマゲンがあっさりと入ってくれたが
それ以外の中〜大型種はいない様だった。

…で、薄暗いヤナギ帯の中を散策する相棒に合流すると
早くも、樹上にとまるアカアシクワガタの♂を確認していた。

カミキリムシなどの脱出口も沢山見受けられたので
当然そこを住まいとしているコクワちゃんも散見された。

またやや太めのヤナギの幹を蹴飛ばしてみると、ボトッとミヤップの♀も落ちてきた。

この後、にんじんも確認できた事だし、まぁ一通りの種はいる様だった。
(因みに冬季には、オニルリツヤハダなどの小型種も確認している。)


アカアシ♂、ミヤップ♀、ノコノコ♂…



〜 ヤナギ採集 〜


 5月15日の予習の際に見付けておいた
ヤナギがかなりの範囲で群生している、有望なエリアへ突入した。
一度目をつけた土地については、復習しておかなければ気が済まない…(^-^;

車の往来は殆どなく、とてもいい所だ。

早速、陽当たりが良い適当なヤナギ帯の前に車を停め、周囲を見渡してみた。

するといとも簡単に、果敢に柳の幹をかじるアカアシクワガタを発見する事ができた。

“樹液が吸いたい… 樹液が… ”

と言わんばかりに、アゴの先端で、細いヤナギの幹を噛んだまま、グリグリとよじり続けていた。
アカアシのアゴの先端は、ヤナギに傷を付けるために、あのようなギザギザ形に進化したのだろうか??
でも、そうだとしたら国内で最も近縁な種であると言われるヒメオオについて同様の説明がつかないよなぁ。

しかし、このアカアシくん
アゴ先端のギザギザを、実にたくみに活用している。
面白いな〜。


細いヤナギの幹を果敢にかじっているのは…

アカアシクワガタDorcus rubrofemoratus:VOLLENHOVEN, 1865):♂

至る所にヤナギが群生しています。


更に周囲を散策して行くと
ブッシュの中の、背の低いヤナギの根元にかすかな樹液が出ており
そこにミヤップのペアがついているのが見えた!

これはミヤップ好きの相棒を呼ばねばなるまい。

“採る前に撮る”、ではなく “呼んで”から
採った・笑。


ここにもいましたね!

ミヤマクワガタLucanus maculife moratusMOTSCHULSKY, 1861):♂65.0mm


サイズは65.0mmジャスト☆
なかなかでかい。
普段通っているミヤップの郷で採れる個体とは一風変わった頭部の突起、およびアゴの形をしている。

一番手前の内歯が短い。
その代わり、先端の二股に分かれた二本は大胆に開いている。

これもヤナギをかじるためのもの!? …な分けないか・笑

いずれにせよ、これは良形。。。 お持ち帰りしよう♪
今年入って、ようやく3頭目となる65.0mmオーバーの個体であった。


少々場所を移して、またも広大なヤナギ帯を発見。
ここには何がいるかなぁ〜???


何か見えますな…ノコノコのペアがいました。


ノコノコの中歯の♂が♀とペアでついていた。
一応手元までたぐり寄せて確認してみたが
その場でリリース。
柳が群生している大概の場所でクワガタが発生している模様。


更に進んで、T字路へ出た。
ナビ役の私は一瞬どちらへ行こうか迷ったが
本日は、5月に予習した林道方面を目指したかったので
左へ。。。

右方面は、また後日のお楽しみとしよう。
本当に、どう転んでも良いポイントに辿り着けそうな魅惑のエリアである。

久しぶりにワクワクしてしまった…(^-^;
この刺激が、時折私には必要だ!

道を選択したばかりだが、そのT字路自体にも道路際にヤナギが群生していたので念のためチェック☆

するとこれまたあっさり幹をよじ登るアカアシクワガタの♂や
枝先で休む同♂を発見できたので
またもや寄り道。。。

土手を降りて、相棒が真正面にあったヤナギの根元を蹴飛ばしてみると…


この辺のヤナギにキックをかますと…


来た!

ボトッと、「本日2頭目のお持ち帰り」となる事が一目で分かる
大型のアカアシクワガタの♂が落ちてきた!
ラッキ〜☆彡

スマートな体型ながら、49.0mmある。
アゴや触覚などフセツの欠けは一切なさそうだぞ… よしよし♪
何気に我々にとってのギネスサイズとなる個体だ☆

先日のミヤップ(♂69.0mm)といい、こちらも目標値まであと1.0mmまで迫っているが

その1.0mmが遠い。。

しかし今夏は、ゆっくりとだが着実に成績が伸びていると言えよう。
まぁ、全てが偶然の産物なんだけどね…(^-^;


アカアシクワガタDorcus rubrofemoratus:VOLLENHOVEN, 1865):♂49.0mm


そんなこんなで、ようやく目指してきた林道まで辿り着いた。

渓流沿いには、大量のヤナギの他、ブナ、ミズナラ、カエデ類、ヤマザクラなど
クワガタのみならず、カミキリも行けそうな大規模な森林が形成されている。

陽当たりの良い、手頃な場所で車を停め
8m程の高さがあるヤナギを眺めていくと…

おお、ノコノコがいるではないか!

一頭ではない、あちこちに散見される。

とりあえず幹を揺すって落ちてきた一頭の♂を撮影してみる。
かっこええ...!
でも、これはリリースするよん。


ノコギリクワガタProsopocoilus inclinatusMOTSCHULSKY, 1857):♂


先程の揺らしでは、まだ落ちてこないノコノコもいるみたい。
ほら、あそこ… 5〜6m上方だ。。。


あそこにもいますな…

ステキです。


いや〜、この辺はクワガタのパラダイスだねぇ〜♪

おや? あのコブは!?


なんじゃ、あのコブは??


エゾゼミのたぐいであった…(^-^;
とは言え、子供の頃、かなり憧れていたセミだ。

何気に、随分標高が上がっているのね...。

アカアシの他、小型種まで生息しているのだから、まぁ当然である。
いずれにせよ、この林道は、定期的に通わなければなるまい。


エゾゼミの類ですね…。


で、道の悪い林道を抜け
陽当たりの良い小川縁に出てきた。


ズッポリはまった川べりです…。


ここでもやはり相当ヤナギが生えていたので早速歩み寄ろうとした結果…

ズボッ

ひぃ〜ん… (T-T) (T-T) (T-T)

先日(04.07.16)に引き続き、今回も同じようなアクシデントが発生。

右足を泥沼に突っ込んでしまった。

考えてみたら昨年もやっている。
本当に懲りない…(-_-;

長靴は、マメに履くべし。。。

しかし、相棒車のトランクの中には、洗濯済みの靴下と、サンダルちっくな運動靴が積んであるそうだ。
助かったぁ〜(^-^;

まずは綺麗な川の水で、靴、靴下、ジャージの裾に付いた大量の泥を洗い流し
それから相棒のご厚意に甘えさせていただく事にした。

お陰様で
その後も、昨年から行きつけのポイント「小鳥やさんち」などでヤナギ採集を堪能し
充分に満足してから下山する事ができた。



〜 夜の部 〜


 下山してから順調に国道を流してきたが、県道に入った途端に迷ってしまった。

知らない道を走るのは好きだが
ゴールデンタイムに “ミヤップの郷” へ辿り着けなかった事で受けた
精神的なダメージは、正直でかい。

ここまでのいい流れを、やむを得ず壊してしまった。
今日はクワガタのみならずロスタイムも多かったかな…(^-^;

お祭りか何かで
綺麗に打ち上げられているでっかい花火を目の前にするも、アウトオブ眼中…
一刻も早く “郷” へ着きたい。


…で、21:40、どうにかこうにか目的地へ突入する事ができた。
とりあえずホッとしてみる…(^-^;

まずはポイント「Dヤナギ」…
いつもの如く、ノコノコのペアが付いていた☆


ノコノコのペア〜♪


ポイント「水浸し」でミヤップの♂1頭を確認後
ポイント「細道」へ向かう途中
行く手を阻むかの如く、道のど真ん中に路駐している車を発見した。

急いでんだよ〜、邪魔だよん!…と、人里離れた山奥で2、3度クラクションを鳴らすと
懐中電灯を持った男が慌てて戻ってきた。

何や、我々と同じく採集人やん…(-_-;

夢中になる気持ちは分かりますが、通れるぐらいは道幅をあけておいて下され。。。


そんな事もありつつ、ようやく待望の「細道」へ到着。

今宵もしっかりとミヤップは湧いていた。
数えられた個体だけでも、ざっと6♂6♀、計12頭!

特に以下に掲載した写真の樹には、一時に5♂2♀が付いていた。


ミヤマクワガタLucanus maculife moratusMOTSCHULSKY, 1861


小型の個体が多かったので一頭も持ち帰れなかったが
彼らには、引き続き少しでも長く樹液の泉を維持していただき
来年、再来年に向けて沢山の子孫を残して欲しいものである。

まぁ、何にせよ
今宵もミヤップの宴を写真に収める事ができて良かった。


では、そろそろ引き上げよう。
ノコノコミヤップアカアシという3種の普通種に拘ったわけだが
大型個体をゲットできた事だし
これだけ沢山のクワガタくん達を見る事ができれば
お腹一杯である♪



〜 後記 〜

 23:30、無事に帰宅。
実家で穫れたというトウモロコシをかじりつつ
どっぷりとクワガタ採集に浸った、本日の一連の行脚を振り返った。

ヤナギに溺れて
アカアシクワガタ♂49.0mm、ミヤマクワガタ♂65.0mm
の2頭を持ち帰る事もできたし、充分に満足している。

予習した事が活かされた時というのは、手応えとしてとても嬉しい物である♪
また、行かなければなるまいね☆ あの辺は。。。


〜 主な確認種 〜


●クワガタムシ科
 アカアシクワガタ 11♂♂♂♂♂♂♂♂♂♂♂ 1
 ノコギリクワガタ 16♂♂♂♂♂♂ 2♀♀
 ミヤマクワガタ 18♂♂♂♂♂♂♂♂ 8♀♀♀♀♀♀♀♀





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