採集履歴
“2004年 猛暑のさなかムシ採り” 編(2)
04.07.16 (Fri) 曇り〜土砂降り Hill 「どしゃぶりの中、樹液が出てきた!」 |
今日は金曜だが臨休だ♪ 実家の2階でゆっくりと起床し、カーテンを開けてみると 見上げた空は雲に覆われ、やや薄暗かった。 しかし、気温は相変わらず高過ぎるぐらいで、更には非常に蒸しており 採集に出かけるには絶好のシチュエーションである。 先週(10日)は、ここの所の雨不足のためか、わずかに滲み出す樹液を果敢に吸汁する クワガタ(普通種)の観察に明け暮れた訳だが どんな状況であれ クワガタを探しに出かけるという行為は何度やっても楽しく 簡単にやめられる物ではない。 よって、本日も先週の続き(クワガタ探し)をしに出かける事にした。 70mmを越えるノコノコやミヤップ、もしくは33mmを越えるス〜ジ〜など 普通種とは言え、大型の個体が得られれば、ラッキーである。 今夏も時間のある限り行くべし…(^ ^ゞ |
〜 のんびり出発 〜
今日は一人での出発となった… 13:00。
ガスを入れて、ゆっくり北上。。。
いつもの様に
なかなか雰囲気の良い雑木林に包まれた
実家の裏通りを走り抜けて行った。
この林は、子供の頃から何度か楽しませてもらっているものの
いずれ道路拡幅のため伐採される模様。。。
寂しいもんだ〜。
以前(02.12.31)にも来とります。。。
暫く行くと、セイコーマートの駐車場でアートトラックを見かけた。
どうやらデカ箱を積んだ小型ダンプの様である。
採集記の中では久しく登場していないデコトラなので
是非とも撮影させて頂かねばなるまい。
とりあえず急遽Uターンして駐車場に乗り入れ
早速オーナーの所へご挨拶に伺った。
ダンプの運転席には大男がどっしりと座っており
携帯電話でお話中だったが
頭を下げると
すぐにウインドーを開けて、快く私の撮影願いに応じてくれた♪
ありがとうございます!…m(__)m > 隆祥丸船団のオーナー様。
で、やはりペイントが目立ったのでリアを中心に
撮らせて頂きました。。。
因みに奥の黒いシビックは私の車です…(^-^;
おお、マッドのサイン! さすが茨城、アートのメッカですね!
こんな感じであちこち寄り道しつつ、のんびり歩を進めていった。。。
〜 樹液が出てきた! 〜
行きつけのポイント、「細道」へ到着…。
とてものどかな里山の中へ突入します。
まずは、道路際の土手の上に生えているコナラに目がとまった。
ややや!?
うっすらとだが、遂に樹液が出てきた様だぞ。
ちっこいス〜ジ〜もいる様だ。
ちょいと写真を撮らせてくださいね。
お次のこれは例外だが
絶えず樹液を出し続けている「根太」のクヌギには…
真っ黒な根太のクヌギには…
ほほぅ… ミヤップの♀が徘徊している!
先週、今年初のミヤップを確認したばかりだが、この一週間で益々出てきた様だ。
ミヤマクワガタ(Lucanus maculife moratus:MOTSCHULSKY, 1861):♀
そして…むむ!?
冬季に幼虫を採った「幼虫ポイント」には、なかなか立派な♂もいるぞ。
ミヤマクワガタ(Lucanus maculife moratus:MOTSCHULSKY, 1861):♂
写真の♂の下方には、更にもう一頭の♂が来ていた。
大型のクワガタが樹液の周りを我が物顔で徘徊している…
こういう光景を目の当たりにすると
“夏が来た!”
と言う感じがする。
君もごめんよ〜、撮影だけさせて下さいな。
そしてこのポイントの去り際に、崖の上に生えていた通直な二股の木が気になったので
よじ登って確認してみると、クワガタはついていなかったものの
わずかながらだが、しっかりと樹液が滲み出ていた。
樹液は出てます☆
ムシがとまってさえいれば
樹液は絶える事はない…
皆さん、ゆっくりとこの泉を維持、拡大して下されよ。。。
“生きた樹” を “活きた樹” に…と言う所でしょうか・笑。
この辺りから少しずつ、ポツリ×2と雨が降り始めたが
そんな事は気にも止めず
2週間程前(04.07.03)に立ち寄ったクヌギを覗きに行ってみた。
さて、ここは!?
およ!何かついてる…
しかしよく見れば
一応、昆虫の王様と唱われている
カブト…(^-^;
でもいい♪
少しずつ来てますなぁ、ここも!
まぁ何にせよ、先週と比べれば、随分樹液が出てきた模様。
さぁ、気分がのってきたよん♪
〜 どしゃぶり 〜
のってきた! …と、思いきや、上記カブトを確認後、突如雷雨が訪れた。
何とか、ポイント「水浸し」まで行ってノコノコを2頭程確認できたのだが
せっかくの気合も空回り… 慌てて車中に逃げ込んでみる…(^-^;
窓の外を眺めてみると、まさに道路は水浸し状態であった。。
すんごい雨です…。
そのまま20分位待機したが一向に雨はやむ気配がない。
目の前には、先週、なかなか大きなノコノコ♂(65.0mm)を確認した「水浸しヤナギ」が控えているというのに
傘はなければ
湿地帯を越えて行くための肝心な長靴も
相棒の車の中に入れっ離しだった。
くぅ〜、身動きがとれない…(-_-;)
そこへ相棒から連絡が☆
ここは携帯の電波がつながる様である。
概ねこれまでの経過が気になったのだろう。
「水浸しヤナギ」はスルーかも。。。
何て話をしてから電源を切ったものの
気がつけば30分以上粘っていた事もあり
どうしても見ておかねば気が済まなくなった。
よしっ、行っちゃおう!
別にオオクワが棲んでる訳じゃない。
されど、やや小ぶりになったのを見計らって
意を決して出陣する事にした…(^-^;
何とか崖を滑り降り、写真を一枚☆
お次は…?
どしゃぶり… でもいい湿地帯ですなぁ…
よっしゃ、この小川を飛び越えよう…
増水して川幅も広がっているが越えられない事はなかろう。
ここはジャンプで!
せ〜のっ!
えいっ!!
・・・・・。
・・・
遂にここでアクシデント発生…(T^T)
勢いよく飛び越えたはいいものの
着地点はゆるゆるの泥地盤。。。
ズボッと右足を土中に突っ込んでしまった。
なかなか抜けない右足を必死で引っこ抜くと
スネから下は泥まみれ。
最悪や…
仕方ないので、結局飛び越えようとした小川にその右足を突っ込んで
泥を洗い流すはめに…
アホやねぇ。。。
しかし、ずぶ濡れになりながらもヤナギ帯の中へ入っていくと
ご褒美の様に大型のノコノコが出迎えてくれた♪
たかがノコギリクワガタでも喜べる私…幸せ者です。。。
やはりここにはクワガタがいますな〜。
その後、更に林の奥へ侵入して行ったが
蹴飛ばすヤナギからはバラバラと大粒の水が降ってくるばかり…
これではクワガタが落ちているのかどうかが分からない。
どこもかしこも水浸し…
分岐している2本の小川はかなり増幅しているし
足の踏み場(陸)がなくなってきた。
物凄い雨と大洪水だ。
しまいには目を開けているのも辛くなり
何が何だか分からない状況になってしまった…(^-^;
駄目だこりゃ〜。
必死でこの状況を写真に納めながら、やっぱり車へ逃げ帰る事になってしまった…(^-^;
頭からつま先まで、それはもうびしょ濡れ…
再び強く降り出した雨の勢いは衰える事はなさそうだったが
懲りずに次なるポイントへと向かってみた。
衣服を乾かそうと、エアコンの風をガンガンに送ると
ヘックショイ!
クシャミがとまらなくなった…(^-^;
う〜ん、こんちきしょうめ!
めげずにガラスのお山に登ってみましょう。。。
ワイパー全開!
やってきたのは「ガラスクヌギ」ポイント。
ここは、地元の方を中心に多数の採集人が訪れているそうである。
むむ、同じ山の一画とは言え、先程のポイントとは大分離れているが
こちらでもミヤップは発生している模様。。。
さすが多産地である。
ミヤマクワガタ(Lucanus maculife moratus:MOTSCHULSKY, 1861):♂
やや大きい♂も発見できたが、即リリース。
こういった自然体のムシの姿を写真に納められれば、充分満足である♪
毎年いてくれる事、健在な事、これが何よりではないか。
それにしても、お持ち帰りしたくなる様な
大型の個体には滅多にお目にかかれないなぁ…
一応、ここでも王様と女王様を一枚。
子供達に人気のカブト、カブト…
ここで、仕事を終えた相棒から再度連絡が入った。
聞く所によると
これからこちらに向かって来るという。
100km程の道のりがある上、このどしゃぶりの中をだ…
ホント、よくやるのぉ…(^-^;
しかし、私も私で、ちゃっかりお願いなんかをしてみる。
「スマン、靴下の替えを持ってきて!それからタオル!」
待ってるぞ〜…(^-^;
ふと気が付くと、ホンの一瞬だが雨が上がった。
大地が暖められていたのだろうか
見下ろす山々は雲の様な水蒸気で包まれていた。。。
一瞬だけ雨が上がりました。。。
〜 夜の部 〜
相棒と、Sポイント近くの駐車場で合流し
その後は彼の車で移動した。
早速、持ってきてもらったタオルで頭を拭いて、乾いた靴下に履き替える。
気持ちいい♪
雨の方は随分と弱まって来たものの、相変わらずやむ気配がない。
今晩は、灯下へのムシの飛来を望めそうにないが
せっかく合流したばかりなので、知らない道を走ってみる事にした。
初めて見る周囲の環境を、物珍しそうにキョロキョロと見渡しながら
暫く歩を進めて行くと、とあるゴルフ場の入口へと辿り着いた。
あれ!?
この街灯はどこかで見覚えあるぞ…
相棒も同様の見解。
間違いない♪
先駆者の足跡を知ると、何だかとても頼もしくなり、我々もこの街灯ラインを辿ってみたくなった。
ここ、来たことありますよね!?
イチジクだろうか?道路の両際に行儀良く植えられているその並木からは
甘い樹液臭が漂っていた。
人間である我々も微笑んでしまう様な、とてもいい臭いだった☆
続いてこのゴルフ場の周囲をぐるっと一周した。
真っ暗だったが、なかなか雰囲気のいい林が続いていた。
明るい時に、是非また訪れたい物である。
その後、本日の仕上げとして、日中行ってみた「細道」へと向かった。
昼以上にミヤップが沢山湧いていた☆
小ぶりだったが、一本のクヌギに3ペアがくっついていた。
遂にこの山でもクワガタの宴が始まったか!
本日の収穫(持ち帰り)は何もないが
それを確認できただけでも、有意義で、楽しい一日となった☆
〜 後記 〜
帰宅は23:20。。。
お持ち帰りの収穫物はなかったが
行きつけの山にはようやく樹液が滲み出し
クワガタ達にも活気が出てきた様だった。
そして本日の集中豪雨は、彼らに益々の恵み(樹液)をもたらす事になるであろう。
ちょいと無理をして些細なアクシデントも起こったが
これを感じ取れただけでも、意義ある採集行であったと言えよう。
ムシ達が周囲に宿れば、暫く樹液が耐える事はない。
“人が住んでいる家は活かされている”
“人が住んでいない家は、老腐朽も早い”
同じ事が、言えるのではないかな???
だからと言う訳ではないが、本日発見したクワガタ達は、その場にそっとして来た。
皆さん、この樹液の泉を少しでも長く維持しておいて下されよ。。。
“生きた樹” を “活きた樹” に…そしていつか、でっかいミヤップを採りたいのです!
ムシにまとわりつかれる樹にとっては、いささかうっとおしいだけだろうけどね…(^-^;
〜 主な確認種(全てリリース) 〜
●クワガタムシ科
ミヤマクワガタノ : 8♂♂♂♂♂♂♂♂ 4♀♀♀♀