採集履歴

“2004年 出張” 編(1)



04.08.15 (Sun)
17 (Tue) Mt 「ヒメオオ求めて初遠征!」 
                                                                                                  

2004年、この夏
4年前、自らの脚で、本格的にムシ採りをする様になって以来
初めて地元の県外へクワガタを探しに飛び出してみる事にした。

これまでクワガタに関しては、地元における貴重種にこだわりを持ち続けて来たが
特に、採集難易度が高いとされているヒメオオに関しては
今春、ようやく念願を果たせたので
これをきっかけに、他県での採集を解禁する事にしたのである。

もしも、ヒメオオ採集の順番が
「多産地(他県) → レア産地(地元)」であったなら
あれほどまでに
待ちわびた末の喜びを噛み締める事はできなかったであろう。

わっはっはっ!
…何だか偉そうな事を書いてしまった様だが
そんなつもりなど全くない。
単にこれは、シロウトがムシ採りを楽しむための術だったのである...(^-^;


前置きが長くなったが
そんな訳で、今回第一の狙いはヒメオオに決定した。
結果は大変実りある(?)ものとなったので、ここにご紹介したいと思います。




04.08.15 (Sun) 晴れ Mt


〜 出発前夜にポイント選び! 〜


出発前夜、相棒が購入してきた地図上で
近県の有名ポイントを、初めて、そしてマジマジと眺めてみた。

なるほど、地元と比べ美味しそうな環境ばかりである。
こりゃ、ヒメオオは勿論の事、オオクワだっていて当然だわ...(^-^;
それではあえて、その辺は避けよう。。。

決してあまのじゃくな考え方をしたい訳ではない。
あそこには “○クワ” がいるそうだから、行って採ってこよう!
初めての遠征がそんなんじゃ、ちょっと面白味に欠けるではないか...。
物事には、順番というものがあるのだ。
これこそシロウトが、ムシ採りを細く永く楽しむための術なのである... (^.^ゞ

何にせよ
例え情報がない土地とは言え、地元より好環境な場所はいくらでもある様に見受けられる。

地形、標高、植生、河川の方向などの他、与えられた時間の制約などから考え
あっさりと目指すべきポイントを絞り出す事ができた。

同行する相棒に、この辺がいいんじゃない?
と問い掛けると、何と、同じ場所を随分前から見当していたという。
奇遇だの〜・笑。

う〜ん、このポイント選びだけでも充分に楽しむ事ができた☆
現場に出れば、きっともっと楽しいんだろうなぁ。
本番が待ち遠しいねっ!

それにしても、降り出した雨音の、それは強烈な事。 大丈夫かなぁ...(^-^;



〜 いざ! 〜


翌日10:00頃に起き出して、真っ先に感じた。

涼しい...。
ビックリするほど涼しい...。
むしろ、寒いぐらいである。

なんでぇ〜!?
これまで、あれほど暑かったのにぃ
猛暑の夏の珍事なの? あ〜、ついてない...(-_-;

いきなり出鼻をくじかれてしまった気分である。

ただし不幸中の幸いか?雨だけはあがっていた。

しかし、悪いコンディションなりにも
トレを済ませ、食事をとり
車に荷物を積みながら、少しずつテンションをあげていく。。。

まぁ、仕方あるまい!
どんな状況であれ、予定変更はないのだ。
限られた時間を有効に活かすため、一気に高速移動といこう!
こういった時は、ポジティブにものを考えた方が得策なのである。

13:37、こうして我々の初遠征が開幕した。



とりあえず、北上しちゃいましょう!


いつも降りているインターを、あっと言う間に走り去り
周囲に見えてくる、初めての山々の標高を確認し、そして感心しながら
どんどん緯度を上げていった。

地元の外へ出る事など
幼少の頃から数え切れない程繰り返して来たと言うのに
目にする物全てが、とても新鮮に感じた。
何だか、小学生の頃
自転車に乗る事を覚え、初めて隣の学区へ遠出して行った時の
ドキドキ、ワクワクに近い感覚を懐かしく想い出していた...。

既に地元を離れ、13年という歳月を過ごしているこんな田舎出身者が
今になってこんな想いに浸る事ができるのも
ムシを採ろうとする視点を、改めて身につける事ができたおかげなのであろう。

16:15、目的地に最寄りのインターへ無事到着。。。
実にあっと言う間であった。

よ〜っし、これからこの土地で遊ぶぞ〜!

う〜ん、気合と共に、込み上げてくるものがあるねぇ☆
嬉しくて仕方がない。
それにしても、北上した分、先程より更に一段と寒くなったぞ...(^-^;



この土地で目一杯遊ばせてもらいましょう。



〜 宿を確保 〜


先ずはコンビニへ寄ってトイレ休憩した後
今晩の宿泊場所を確保する事にした。
車内宿泊を嫌う訳ではないが
私は腕立て伏せをやらなければならない。

今年一杯、12/31まで、366日間休まずこなす事により
どうしても到達させたい目標日数があるのだ。

と、言う訳で、相棒にもそれにつき合ってもらう事とし
町内の観光案内所で頂いたパンフレットから、適当な民宿を見つけた。

一泊、食事なしだが3500円という、とっても手頃なお値段である。
目指す採集ポイントに、程良く近い所に位置しているのも好都合だ☆

さぁ、これで安心♪
宿のおばちゃんにヨロシク伝えて
早速、周囲の調査に出かけた。



〜 早速調査 〜


インターを降りて、すぐに気付いていた事だが
この辺りには、山地生のヤナギが至る所で見受けられる。
それもその筈で、いわゆる山の麓でさえ、既に800m以上の標高があるのだ。
(因みに先程の宿のおばちゃんの話では、民宿の位置で860mだそうだ。)

地元では、完全に高山と呼べる標高だが
この地ではそうじゃない。


まずは
予め、地図上で目をつけておいた南北にのびる2本の林道のうち
その右側の方を責める事にした。

遙か前方には小高い山が見え
そこへ通ずる林道に沿った河原には
いたる所にヤナギが群生していた。

よし、早速クワガタの探索に入ろう!
車を降り、しっかり身支度を整え
初遠征の、記念すべき第一歩がスタートした。

それにしても、風が冷たいっ!!(>_<)


何かいそうなのですが...

もう夕暮れ時に差し掛かっています。


とても良い環境に思えたのだが...。
探せど探せど、残念ながら、クワガタを確認する事はできなかった。

やはり、気温が低すぎるのか?
時間的な問題なのか?
いやいや、それだけが理由ではなかろう。

そもそもここには余りいないんだな...。
いるのはきっと、広大なこの自然の中のピンポイントなのだろう。
何となく、そんな気がした。
まぁ良い。
まずは、こんな所だろう...。

少々移動した場所で
オリンピックの野球中継を聞きながら
どこかの大学の陸上部が、タイムトライアルしている様子を横目に
赤枯材の中からカミキリの幼虫などを確認した後
この地には見切りをつけた。



〜 夜の部へ 〜


綺麗な水辺の周辺に群生するヤナギ林を一回りしていると
あっと言う間に陽が落ちたので
この辺りでは数少ないコンビニへ立ち寄って、夜のエネルゲンを補給する事にした。
飲食店などは殆ど見当たらない。
その為か、コンビニ店内は観光客が混雑気味で
食事を済ませるのも一苦労であった。

さぁさぁ、お次は待望の灯下巡りだ!
気合いを入れて行こう。

それにしても、夜になってまた一段と冷え込んできたなぁ...(-_-;

道路際に表示されている電光掲示板には、この表示...(^-^;



只今の気温だそうです...(^-^;


某キャンプ場入口から
舗装された緩やかな坂道を登って行くと
大きな白壁の病院?寄宿舎?らしき建物の横に
とても明るい街灯が2本見えてきたので
立ち寄ってみる事にした。

山を背景にして、絶好のシチュエーションだったが
この寒さのためか、ムシは極めて少ない。
ただし、蛾だけは元気に飛んでおった...(^-^;

しかし、
ミヤップアカアシノコノコなどの死骸が散見され
希望も見えてきた。。
普段なら、当然いる様である。


※ アクシデント:その1


ここで、アクシデントが発生。
話を脱線させて申し訳ないが、急に射し込まれてしまった...(^-^;

うん☆がしたい...。

食べ過ぎたか??
いずれにせよ、とても我慢できる状況ではなかったので
泣く×2それを相棒に訴え
急遽山際で、待っていてもらった。

無事に暗闇の草むらに入って用を足す。。

待たせたね〜♪

と車の座席に座って、ホッと一安心、胸をなで下ろした。

と思いきや!
一難去ってまた一難!
間髪入れず、更なる試練が待ち受けていた...。

かゆい〜!!

虫刺されにより、尻のあちこちがプク〜ッ!
と腫れてきたっ!

1・2・3・4…5箇所をわずか1分足らずで刺されたのである。

はぁ〜っ、かゆい!

かゆいっ!

がゆい〜〜っ!!

普通の蚊に刺されとは、比較にならない強烈なかゆさだった...(T^T)
すると相棒からは

ゔるっさいなー!!

と、浜ちゃんばりに怒られてしまった...(^-^;

そんな訳で
わめき声が落ち着くまでは、クーラーボックスに入っていた氷袋を尻にあてながら
歩を進める事にした...(^-^;


※ 初のクワガタは...


続いては、結構広い敷地内に、RC造の別荘らしき建物が散在する温泉施設?
へ立ち寄った。
かなりのスペースを確保しながら、殆ど車が停められていない
殺風景な駐車場の中には
多数の球型水銀灯が設置されている。

しかしながら、ここはムシそのものがお留守の様だった。

とある水銀灯の側に、小さな洞があいているヤナギが見えたので
念のため、その中もチェッキング☆

すると...ややっ!?
記念すべき一頭目のクワガタがいるぞ!!
過日、水銀灯に飛来して、そのまま洞の中に入り込んだ個体だと思われる。
一瞬、
ヒメオオか!?
などと、シロウト丸出しの儚い夢を抱いてみたが
ピンセットでひきづり出せば、お約束の
コクワちゃんであった...(^-^;

いる訳ないかぁ〜 ...(^
.^ゞ


初めはやっぱり、コクワちゃん...(^-^;


※ アクシデント:その2


ここで、今度は相棒にもアクシデントが発生した。
先程の
コクワちゃんを撮影しようとした際に気づいたみたいだが
大切なデジカメを無くした様だ。。

車の中を必死で探せど、一向に出てこない。
こりゃ困ったぞ...。
私も必死になって脳みそを絞り、これまでの経緯を思い返してみる。

コンビニで、弁当の空き箱を捨てたゴミ箱の中など、あちこちを探し回ったが
結局見付からなかった。

仕方がない、諦めよう...。

そんな訳で、第一日目の収穫は、コクワちゃんの発見以外何もなく、むしろ失う物が出てくるという有様であり
せっかく盛り上げてきたテンションが、ちょっぴり下がってしまった。

やりきれなくなって、高〜い山へ登って、遠くに見える麓の町灯りを眺めてみたり
細い林道へ、果敢に挑もうとするも、土地勘がない上、この寒さだ。
更には街灯もないのに、どうしたらええねん!?
と言った感じで、あえなくUターン...。

とうとう行き場を失い
先程とは別なコンビニを見つけ、少々の食糧を調達し
民宿へ戻る事にした。



〜 民宿にて 〜


民宿のおばちゃんに

今夜は遅くなるかも!?

などと宣言して、意気揚々と飛び出して行ったものの
帰宅は22:00前という早さ…
まさに、無念である。

しかし、現地に住まうおばちゃんの方から
今日は驚く程冷えてるねぇ…などと言ってきたのだから
我々の力では、もはやどうする事もできなかった。

しかし、唯一楽しめたのは
民宿のお風呂♪
蓋を開けてみれば割と広い温泉で、それがなかなか良いお湯だった。

ゆっくりと暖まった後は
和室の自部屋で、テレビを見ながら、のんびりとくつろぐ事ができた。

おお!?気になる天気予報だ!
明日の○○地方は? 何々?
う〜ん、15℃〜26℃かぁ... 引き続き、低めだなぁ...(-_-;

その後、ゴジラ好きの師範に
辻ちゃんのコケコ!コケコ!コケコ!という鶏のものまねや
オリンピック(卓球少女愛ちゃん) …etc
テレビから映し出される何気ない映像を眺めながら、0:30、灯りを消した。。

明日はリベンジすっぞ!
せっかくの初遠征、このままでは済まされまい。。。



〜 主な確認種 〜

●クワガタムシ科
 コクワガタ 11



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