採集履歴
“2005年 竹林採集” 編(2)
05.02.13 (Sun) River 「春まで待てない!ケリをつけよう。」 |
今日は、ヒラタ探しを一時中断して 久しぶりにカミキリ採集をしてみたい。 ターゲットは、前々から竹林に入って探し続けている ベニカミキリと、ハイイロヤハズカミキリだ。 実はいずれも、既に採集済の種なのだが その方法が灯下や、飛翔個体を捕らえるなど 思いがけないところでの偶発的な採集となってしまったため いまいち納得できていない節がある。 好きな種だからなおさらだ。 竹材を食すのなら こちらから彼らの住処へ出向いて 「採集した!」 と胸を張って言えるだけの手応えが欲しい。 過去に、るどるふ先輩が記述された教科書を参考にさせて頂くと ちょうど今頃の時期が竹材の中に潜む成虫を割り出すタイミングのようだ。 ベニカミキリの脱出口や、食痕、死骸などは既に確認済みなので 今日はできればケリをつけてしまいたいと思う☆ あの時(04.10.23)は、「春になったら再び…」などという文章で〆くくったが 春まで待つことなんてできませんよ... (^ ^ゞ |
〜 父のペースで... (^-^; 〜
昼過ぎに家を出発。
今日は珍しく父の運転だ。
父は家を出て少し体を動かしたいとの事...
では、ドライブ感覚でつきあわない??
と弟が誘い出したようだ。
父と弟、私の3人で採集に出かけるのは
たまにある事で
昨年の終盤にはタナゴも捕りに行っている。
しかし、ドライブ感覚で... というのが
ちょっとばかり気にかかる。
今日の私は決着をつけようと結構マジモードだったので
心配していたところ...
案の定、父はどう考えてもあり得ない遠回りをした... (^-^;
どうやら、自分が知っているレアな道を教えたかったらしい。
大して変わらないんだこれが (^O^)!(時間的に)
…などという父の訳の分からないポジティブな発言に対し
まぁ、今日はドライブ感覚だから☆
…と、弟も弟でフォローしていたが
結果的に海の方へ抜けてしまったのではちょっと... (^-^;
しかしまぁ、これがいつものノリなのだが...。
今日は、父から竹材を割るための剪定ばさみを借りているし
車まで出してもらっているので
何も言えない。。。
そんな訳で、予定より随分遅れて
某河川沿いに走る国道へ辿り着いた。
いつも通っている直線コースから、河川の方を遠目で眺めていると
やがて、待ちわびていた広大な竹林が姿を現し始めた!
う〜ん、いつ見てもいい所だ!
ここなら絶対にいるでしょ!
よっしゃ
俄然やる気がわいてきたぞ〜っ♪
ぞ・・・。
あれ?
その様に主張しているのだが
いつになっても車は竹林に近づこうとする気配がない。
おいおいおい... (^-^;
いくら広大な竹林とは言え、限りはあるのだ。
このまま走り続けていれば、そのうち通り過ぎて見えなくなってしまうぞ...。
竹林の最終エリアに差し掛かった瞬間
さすがにこらえきれなくなって
もう、ここを逃したら竹林はないよ!
と後部座席から訴えた。
そんなこんなで、どうにかこうにか納得のいく林へ辿り着くことができた... (^-^;
〜 来たぜっ! 〜
竹林の裏に車を駐車して
意気揚々と林の周辺を歩き出した。
行けるぞ!
今日は、内から静かに湧いてくる
あつい自信に後押しされている。
さぁ、頑張りましょう!
砂地盤の上に群生するこの竹林は
どうやらモウソウ竹が主流の様だが、マダケやシノ林も見受けられる。
流れている河川の水は大変綺麗で
釣り好きの父が
「いやぁ... 綺麗なところだね...。」
と感慨深そうな声を発していた。
でしょ?いいところだよね!
いや〜、綺麗な所だねぇ... と父。
〜 遂に来た! 〜
これまでに再三ベニカミキリの脱出口を探してきたので
要領は得ている。
林に侵入すると
たやすく沢山の穴があいた竹材を発見する事ができた。
ベニカミキリは、やや枯れている太い竹筒の周囲に隙間を作って潜り込んでおり
筒の中の空間に食痕を詰め込んでいる。
どれどれ、果たしてここに入ってるかな??
ドキドキしながら
ベリッ!と表面の皮を剥いでみると...
ややや!?
いきなり真っ赤な奴が現れた!!!
ねぇ...今回は死骸じゃないよねぇ...
よ〜っしゃぁ...
いた〜!(>_<) (>_<) (>_<)
いきなり出ました!今回はちゃんと生きてますぅ...(>_<)
歓喜の声を聞きつけて、父や弟もこちらへ歩み寄ってきた。
やったやった!
もう出ちゃったよ♪
普通種とは言え
これまで大分苦労してきただけに
感動もひとしおだ!
あぁ、嬉しいなぁ〜♪
それにしても、初めて見る訳ではないのに
何て綺麗なんだろう。
ほんと、シャア専用ですね!
う〜ん、れっきとした新成虫だよ☆
触覚にはまだサナギの殻がまとわりついているようだ。
ベニカミキリ(Purpuricenus temminckii GUERIN-MENEVILLE, 1844)
こんなふうに斜めに倒れかけた材から出てきた。
筒の中に見えるのが、詰め込まれた食痕。
しっとり、かつポサポサとした目の細かい粒子だ。
こんな材から出てきました☆
脱出口は、材を探すのに良い目印となった。
脱出口が目印になりました。
きっとまだ沢山入っているぞ!
更にベリベリと皮を剥いでいくと...
そら来た!
また!(@_@)
ほら、こっちも!
またまた!
こんちは♪
次から次へと、いくらでも顔を覗かせます(>_<)!
まさに湧いて出てくるようだった☆
リアルな話をすれば、当然こんなのも...
サナギとか。
当然、サナギとか....
無念な奴も...
無念な個体も出てきました...。
ちらほら出てきた... (^-^;
でもって、これが先程もふれた食痕。
綺麗に竹筒の形を残している。
竹筒の中へ詰め込まれた食痕です。
あっという間に、タッパーの中はベニカミキリでいっぱいに!
これはその一部だ☆
ほんと、これまでの苦労が嘘のように採れてしまった♪
こんなに採れました♪今までの苦労が嘘のようです!
〜 流れに乗らなきゃ!このままでは終われません 〜
しかし、ここで満足してしまっては駄目だ。
ここへ来たのにはもう一つの理由があるではないか。
せっかく、さい先の良いスタートを切る事ができたのだから
この流れに乗らねばならん!
ハイイロヤハズも見つけちゃおう!!
今度は気分転換に50m程移動して別の林を選んでみた。
対岸にも竹林が連なります。
さぁ、まずは材を探すぞ!
ハイイロヤハズは、ベニカミキリとは違い
細い竹材の、筒の中に潜んでいる。
テキストによれば、太さは親指ぐらいで、ちょっと古めの材が良いそうだ。
また、表皮に無数の黒いまだら模様がついていると
“当たり” が出る確率が上がるらしい。
手頃なのが落ちてないかなぁ...。
今度は細い竹材(ちょっと古め)を探しましょう...。
あった!
これなら全ての条件が揃っているだろう。
今度は材が細いので、慎重にまっすぐ皮を剥いでみる。
すると...
むむ!?(@_@) (@_@) (@_@)
ぎっしりと食痕が詰め込まれているぞ!
お!?これは食痕ですね!
これ、ヤハズのものだろ!?
間違いないよ。
実際に見た事もないくせに、余りにもトントン拍子の展開だったので
そう確信してしまった... (^ ^ゞ
食痕が詰められたこの空間(竹の節から節)には何も入ってなかったが
その隣の空間(空っぽ)を慎重に割っていくと...
いきなり隅の方に、昆虫の腹部が見えた!
ぬあぁぁ...
遂に来ちゃったよ。
やっぱり正解だったよ!
普段から標本を眺めているので、見間違う筈がない。
この腹... 標本やさんは何度も見てますよ〜(T^T)
調度、弟も近くへやってきていたので
良いタイミングだった。
それではヤハズさん、姿を見せておくれ!
材を軽く振って、コロンと移動させてみると...
じゃ〜ん!
いてくれてありがとう!!
来ました!ハイイロヤハズカミキリです!
よ〜っし!
この子が見つけられれば
今日は何も思い残す事がない!
やったぜぃ♪♪♪
ベニカミキリも嬉しかったが
こちらはそれ以上に嬉しかった。
早速手の上に載せて、いろんな角度から撮影してみる...
ハイイロヤハズカミキリ(Niphona
furcata BATES, 1873)
気温が低いので、固まったまんま...
材に潜っていたときのポーズをずっとキープしている。
可愛い奴だなぁ☆
何だか人間の仕草みたいですね... (^-^;
よし、一頭いるならまだいるぞ!
標本用にもう少し追加しておこう。
ベニカミキリのように、そう立て続けに採れるムシではないが
15分ほど探し続けると
陽当たりの良い小道のそばで
運良く2頭目を発見!
うぉ〜っ!ラッキー☆彡
ほら!またいました♪
今度は食痕が詰められた空間と同じスペースにいた。
よっしゃ!この子もしっかり撮っておこう☆
第2回撮影会です!
この素朴な色、フォルム、たまりません!
何となく和風なイメージかも...。
小型種というのはそういった個性が
小さな体に凝縮されているから魅力がある。
それにしても君らって、みんな一匹狼なんだねぇ...
もう一枚!!
一時休憩していた父も、話を聞きつけ
どれどれ?
といわんばかりにやってきた。
ふふふ☆
親子で仲良く探している... 素晴らしいショットだ。
竹林の中で... というのがなおいい!
竹材を割る父と子... いい絵ですね☆
そしてそして、見事に3頭目をゲット!
これで全員が、ヤハズを出す瞬間の感動を味わうことができた。
ここでは剪定ばさみが大活躍☆
おおお!やりましたね、3頭目です!
うんうん♪
今日は短時間ながら、効率よく念願を達成できた。
出足はどうなることかと思ったが(笑)
気分は最高です!
さぁ、今日は昼抜きで頑張っていたので
そろそろ飯でも食いに行こう!
今日は念願を達成!これ以上何も言うことないです☆
〜 うまい! 〜
帰り道、父曰く...
「目をつけたところ(ポイント)は、バッチリだったろ??」
確かにバッチリだった☆
はいはい、そういうことにしておこう... (^-^;
それより何食おうか??
麺類がいい!
と言うことで、寄り道は夏に何度かお世話になっている
「んー!んー!」
のラーメン屋さんに決定。
父と弟は塩チャーシュー、私はいつもの塩バターコーンを注文。
バターとコーンがたっぷりでお気に入りのメニューである♪
塩バターコーン!これ、美味しいですよ♪
う〜ん、いい臭いだ! (!?)
そして、あっつあつのスープがとてもうまい!
程良く疲れ、腹が減っていたこともあるが
今回は一際そう感じた。
それも全て、本日の採集成果があってのことだろう。
いや、ほんと楽しかった♪
ご苦労様でした...☆
〜 後記 〜
18:00に帰宅。
今回は、竹林という普段とは変わったシチュエーションの中で
立て続けに発掘される小さな宝石や
和風色、斬新な姿形をした孤独な生命を見つめながら
これまでのカミキリ採集では経験できなかった
新しい感動を味わう事ができた。
カミキリは、種によって食する植物の幅が広いので
それだけ採集方法も多彩であるという事なのだろう。
また、例え普通種とは言え
時間をかけながら、ようやくお目当てのムシを採集した時の喜びというのは
何にも代え難いものがあった。
それから…
なんだかんだと、父には車を出してもらったし、ラーメンもおごってもらった... (^ ^ゞ
親子で、クワガタならずカミキリ(しかも小型種...)の採集をして
こうも楽しめるなんて
数年前なら絶対に思わなかっただろう。
今日の出来事は、私の中で、永遠に輝く記憶の一つとなるに違いない。
う〜ん、ベニカミキリ綺麗だなぁ〜♪
ハイイロヤハズ... 渋いです!
〜 主な確認種 〜
●フトカミキリ亜科 | ||
ハイイロヤハズカミキリ | : | ×3 |
●カミキリ亜科 | ||
ベニカミキリ | : | ×n |