採集履歴

“2005年 夏のカミキリ採集” 編(1)



05.06.05 (Sun)
 Mt 「仕事帰りに、素晴らしき林道へ」 
                                                                                                  

6月に突入。 “夏のカミキリ採集編” の記念すべき一発目である。
空は快晴。 とても暖かく、風は殆どない。
申し分のない採集日和だ。

しかし...
こんな恵まれたチャンスに
仕事が入っちゃったんだよなぁ... (-_-;

今日は昼過ぎから、茨城県の某町で
夏季に行われる伝統的建造物群調査に先立ち
重要な打ち合わせがある。

平日は、普段の勤務体制上、私がどうしてもこのプロジェクトに参加できない為
町の方が、わざわざお休みの日曜日に、会議をセッティングしてくれたのだ。

だから、感謝して行かなければならない。
(でも、採集には行きたい ... (^ ^ゞ )

で、弟の方はと言うと、当然カミキリ採集に出かけるらしい。
この素晴らしい天候なだけに、俄然やる気を出している模様。。。
いいな゙ぁ... (^-^;

そこで、非常に都合の良いアイデアが思い浮かんだ。

 前々から気になっていた事だが
 今日のような出張をする際に
 私がいつも通っている峠道周辺は
 カミキリを採集するにはとても環境が良さそうである。

 機会があれば是非一度チェックしてみたいと思っていたエリアなので
 それを代わりに弟がやってくれないだろうか??

 そして、そこへ採集に出かけるのなら
 ついでに、私を会議場まで運んでくれないだろうか??
 幸いな事に、現場からそう遠くはないので
 もし会議が早く終われば
 私も途中から便乗できるかもしれない。

そんな訳で、あえてその辺りで採集してみては??
なんて、ちゃっかり促してみた。 ... (^ ^ゞ

すると...

よしよし!即OKの返事。
弟も、あの辺りなら納得と言ったご様子だ。

そうと決まれば気兼ねなく出かけるのみ。
スーツに着替えて、弟の採集専用車に乗り込んだ。


〜 採集したいな゙ぁ〜 〜


まずは、実家周辺にある「まんじゅうや」ヘ。

地元では割と人気がある店で
看板はそこらじゅうに出ている。
因みに自称 “日本一” らしい ...(^-^;

実際今回立ち寄ったときも、お客さんが結構入っており
私も列に並んで、ドラ焼きなんぞを手土産に選んだ☆

車に戻ろうとすると
店の外では、弟が偶然飛来した
ベニカミキリを見つけていた。
普通種とは言え
今日は、カミキリムシの活動日である事が窺い知れる。

あぁ、 このまま採集に出かけたいっ!!(>_<) (>_<)


助手席で、資料に目を通しながら行きました。


だんだん緑が増えてきたし...


やがて峠道に差し掛かりました。


林道からの景色は、とてもいい眺めだし...


本当に良い天気です。


ダメだ、ちょっとだけ寄り道しよう!
10数分間の余裕があったので、ほんの束の間、外の空気に飲まれてみた。


誰だって気になるでしょう?


太陽がカァ〜っと照って、凄く暑い!
生い茂る豊富な植物の緑がとても眩しく映った。

で、手際よくビーティングして得られたのは、
ヒシカミキリツマグロハナカミキリ
こんなシチュエーションなら、これからもっと色々なカミキリが行けそうな気がしたが
あっという間にタイムアップとなった。。。

名残惜しいが
超ミニミニ採集を終え
弟に無理言って
会議が予定されている資料館前まで運んでもらった。

では...
あとは任せたぞ〜っ! >弟

あ〜ぁ... いいな゙ぁ〜。 (^-^;


蔵の町へ。。。



〜 ラッキー☆彡 〜


数時間後。。。

運がよい事に、会議は驚くほど早く終了した!
内容の方も、とても良い方向でまとまったので、気分がよい。

早速弟に電話を入れてみると
調度近くのコンビニで水分補給しているとの事。
これまたラッキ〜である。 ☆彡

お陰様で、16:00過ぎには私も合流して採集に参加できる事になった♪

ふふふ... 当に理想通りの展開である♪


合流後、私が会議に参加している間の事を、弟から聞いてみると
昆虫採集を楽しむ老夫婦との出会いがあったり
峠道の途中から、とても魅力的な林道が伸びていることに気付き
そこで以下のようなカミキリムシを採集したりと、大変有意義な時間を過ごしたという。
(詳しい模様は →
こちら


-ツヤケシハナカミキリ
-Anastrangalia scotodes scotodes
BATES, 1873
-ツヤケシハナカミキリ
-Anastrangalia scotodes scotodes
BATES, 1873
-ナガバヒメハナカミキリ
-Pidonia signifera
BATES, 1884
-コジマヒゲナガコバネカミキリ
-Glaphyra kojimai
MATSUSHITA, 1939



あまり時間もないので、早速その林道の入口まで連れて行ってもらい
私もビーティングにトライしてみた。


久々に撮られました...(^ ^ゞ


早速目に入ったコゴメウツギの花には...


どこもかしこも、コゴメウツギが満開でした。


先程紹介したツヤケシハナナガバヒメハナは勿論
弟も既に採集していた
ニンフハナカミキリが無数に湧いていた。


-ニンフハナカミキリ
-Strangaliella nymphula
BATES, 1884



また、他の花に目を移せばチャイロヒメハナカミキリも結構沢山いる。


-チャイロヒメハナカミキリ
-Pidonia aegrota aegrota
BATES, 1884



これは凄い!
白い花であれば、どんなものにでも
ハナカミキリが満開である。

そのパラダイスぶりと来たら、当に感動ものであった。
(今更ですかぁ?と言われてしまいそうですね。 何分経験が乏しいもので... (^ ^ゞ )


しかしそんな風に浮かれているのも束の間
急に辺りが暗くなり出した。

え゙っ、マジで!?(@_@)

雲行きが超怪しい...。


やばそうですねぇ...


私が採集を開始してから、ものの15分ぐらいで
予測通り、大粒の雨が落ち始めた。

うわ〜ん...
ラッキ〜だったはずなのにぃ〜。 (T^T) (T^T) (T^T)

しかし、せっかく漕ぎ着けた採集のチャンスだ。
カミキリムシの爆発ぶりをも考えれば
このまま引き返す訳にはいかんだろう。

終着点までは、びしょ濡れになるのも覚悟の上で
カミキリムシと向かい合おうではないかっ!

ほれ、エゴノキの花にもツヤケシハナがっ♪


ペアがいますね。


それにしても、ここは素晴らしい林道だ。
南北に伸びる、長〜い尾根線は
延々と高標高を保ち、周囲の植生もなかなか豊かである。

これならば、この緯度にして
麓の灯下まで高山性のアカアシクワガタが降りてくるのもうなずける。

また、観光施設などが一切ないため
車の通りも少なく、大変喉かであった。



雨が降りしきる、静かな森です。


ほら、初めて採集した時は
すごく嬉しかった
シロトラカミキリもいる。。


-シロトラカミキリ
-Paraclytus excultus
BATES, 1884



途中、何度も寄り道を繰り返したとは言え
林道の終着点まで辿り着くのには
相当な時間を要した。

また、峠道から林道に逸れ
麓まで降りてきたときには相当北へ移動していた事に驚きだった。

ここは、素人の私でも、堂々と太鼓判が押せるポイントではなかろうか??
弟よ、お前、割と近くに住んでいるんだから
この辺のカミキリムシを徹底的に調査してみたら??

いずれにせよ、ここは晴れたときに再びやってこなければならないだろう。


私はたいして採集ができなかったが
仕事帰りに、ここを一通り走る事ができただけでも
大変な収穫であった。



〜 こっちは晴れでしたか。 〜


コンビニでようやく昼飯を調達し
おにぎりを食べながら、今日は、何種類確認したんだろう??
などと、指折り数えて帰路につく。

あらら、気付いてる?
こっちは雨が降らなかったんだねぇ〜。
ほら、道路が乾いているよ!

やがて、前回真っ先に寄り道したポイントの横へ差し掛かった。

もう家は目と鼻の先、非常にお疲れモードだったが
せっかく再度陽射しに恵まれたのだから
最後にここをチェックしてから帰ろうではないか♪


前回、一番初めに立ち寄ったポイントです。


むむむ!?
伐採木の上には、
ホタルナカジロサビ、それから付近の植物にはシナノクロフ...
へぇ〜、結構遅くまで、採れるもんだ...。


この時間帯でも、結構いるのですね。


前回もチェックを入れた、ツル性の植物がからみついた
サクラを叩いてみると...


か細いサクラの樹にツルが巻き付いています。


やった!
今日もいてくれましたね〜。
カッコウメダカカミキリ


-カッコウメダカカミキリ
-Stenhomalus cleroides
BATES, 1873



それにしてもおぬし、本当にメダカだなぁ〜。
顔は鳥っぽいし... それゆえ
カッコウって呼ばれちゃってるの??

この変わったカミキリムシ、前回は1頭しか得る事ができなかったが
今日は3頭も追加する事ができた。
標本用に、ありがたく持ち帰らせて頂こう。

これからも、このポイントにはちょくちょく寄る事になりそうなので
便宜上、「
カッコウポイント」とでも名付けておこうか...。


さぁ、今度こそ帰ろう!

本日は、仕事帰りだったんで、実質的な採集時間は非常に短かったが
素晴らしい林道に巡りあい、トータル15種類ものカミキリムシと出会う事ができ
充分に楽しむ事ができた。



〜 後記 〜

18:40に、とりあえず実家へ帰宅。

日中、ずっと会議に出席していたにもかかわらず
弟に、いろいろと動いてもらったおかげで
これまで未採集だった
チャイロヒメナガバヒメニンフ
各ハナカミキリを採る事ができただけでなく
私も少ない時間ながら、貴重な採集行を楽しむことが出来た。

それにしても、雨の中、延々歩いてきた
尾根線の林道は大変魅力的であった。
是非もう一度足を運んでおきたいと思う。

う〜ん、遂に夏が始まっちゃったなぁ〜!
嬉しいけれど、大変だぁ... (^ ^ゞ

ここの所、長々と続けているカミキリ採集編だが
まだまだ始まったばかり。
これからが本番である。


〜 主な確認種 (持ち帰り頭数) 〜

●ハナカミキリ亜科
 ツマグロハナカミキリ
 ツヤケシハナカミキリ
 フタオビヒメハナカミキリ
 チャイロヒメハナカミキリ(初採集) ×5
 ナガバヒメハナカミキリ(初採集) ×3
 ニンフハナカミキリ(初採集) ×5
●カミキリ亜科
 ベニカミキリ
 コジマヒゲナガコバネカミキリ ×2
 シロトラカミキリ
 トゲヒゲトラカミキリ
 ホタルカミキリ
 カッコウメダカカミキリ ×3
●フトカミキリ亜科
 ヒシカミキリ
 ナカジロサビカミキリ
 シナノクロフカミキリ





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