採集履歴
“2006年 H市調査” 編 (7)
06.05.21 (Sun) Plain 「やっと会えたね、ネジロくん☆」 |
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昨日、突然上昇した真夏さながらの気温は最高 29℃... その後、平年並みとはいえ、急激に低下した今朝の気温は最低 14℃... これらのギャップに、あまり丈夫とは言えない我が身は順応できず... まんまと風邪をひいてしまった。... (^-^; ちょっとだけ頭がクラクラし... 鼻もムズムズする。。 本日は、過度な無理だけはしないように気をつけないとね。... (^-^; とは言え、お散歩感覚で楽しめる ご近所の調査に 充分な意義を見出し始めた今の私にとっては そんな事、大して問題にならないかな... (^ ^ゞ 今回は、随分前から気にしていた割に 未だ出会う事ができていない ネジロくんとの決着をつけておきたいので 市内にて、ホストとなるタラノキの見まわり作業を行う予定だ。 生えている場所は、これまでの調査で色々と把握済みである。。 え〜? 本当?? |
〜 おかしいなぁ... 〜
11:00に、おとうとの車で出発。
昨日ほどではないにせよ、太陽が燦々と輝く素晴らしい天気となった。
おそらく、今日こそは行けるでしょう!
まずは、昨年の6月に しっかりとした実績を残した場所から見てみよう。
家を出て、わずか5、6分でその現場へ到着した。
ここでは、道端に拡がる茂みの ちょっと奥まったところに タラノキが沢山生えている。
早速そこまで潜り込んで、ネジロくん探しを開始した。
窪地に生えているタラノキをチェックする おとうと...
ゴミ捨て場の上に、葉を拡げています。。
その下に潜ってみました。... (^ ^ゞ
しかし、どんなに探してもネジロくんは見つからない。
おかしいなぁ... 棲息している事は間違いないのだが。。
(実は数日前にも、おとうとが初物を1頭確認したばかりなのである。)
この後、「カッコウP」を始め、何ヶ所かのタラノキポイントにもまわったが
全く手がかりが掴めなかった。。
もはや、知っているポイントの数さえ残り少ない。。
う〜ん、弱った... これは予定外である。
今日採れなかったら、いつ採ればいいのよ。... (^-^;
〜 ちょっと休憩 〜
タラノキのチェックに、2時間程を費やしたところで
気晴らしに、1月(06.01.09)に見つけておいた
ちょっと気になるポイントの様子を見に行く事にした。
暖かくなったら、是非一度脚を運んでみたいと思っていた場所だ。
早速、谷津田の縁を辿りながら、暫くの移動を試みる。
そんな道中では、カマツカの花が咲いてるのを見つけたので
貪欲に捕虫網を伸ばしてみた。。
ムシがわんわん湧いてる様です。
わわっ!?
ハチやカメムシ、ハナムグリやゾウムシに混じって、カミキリムシもいっぱい入ってきた♪
えっと...
トゲヒゲトラカミキリと、ホタルカミキリがいくらでも☆
それから、ベニカミキリ、ツマグロハナカミキリ、ツヤケシハナカミキリが一頭ずつ。。
全て既採集の普通種だったが、これまで何も採れてなかったので、素直に嬉しかった♪... (^ ^ゞ
とりあえず、この辺りでのツヤケシハナカミキリの記録はやや稀なので
こいつだけサンプルとして持ち帰ろう。
で、ようやくお目当ての現場に到着した。。
良かった♪ 状況はあの時と全く変わってない。
こんな感じで、広大な雑木林の前面に ズラズラ〜っとコナラ材が積まれている。
この小道では、これから暫くの間 楽しめそうです。
あ、早速のゴマフくんたちのお出ましだ☆
この辺りでは、定番中の定番、あちらこちらに沢山湧いている。
![]() |
.ゴマフカミキリ(Mesosa japonica BATES, 1873) |
わははっ!(^o^) いいねぇ☆
陽の当たる材場で、カミキリムシが慌ただしく活動する様子は
何度見ても飽きる事がない。
それから、ヒメクロトラ、ナカジロサビなんかも けっこう見られた。
それ以外のカミキリムシは、残念ながらまだのようで
全体的に、ようやく出始めたという雰囲気だった。
ここは、昨年の6月に クリストフを見つけたエリアから さほど離れていないので
ひそかに期待しているポイントである。
これから益々楽しめそうなので、こまめに通ってみよう。
さて、今日は この辺りのエリアを もう少し広く調べて行こうかな。
〜 やっと ♪ 〜
このあたりから、プツンと何かが切れたように、一気に体力が低下し始めた。。
こんなにポカポカ陽気なのに、花粉症でもないのに
くしゃみ、鼻水が止まらない。。(T^T)(Y-Y)(T^T)
やべぇ〜。。
やはり風邪を舐めてかかっては いけなかった。
次第に、普通に歩く事さえ辛くなってきた。。
あぁ... 家を出てくる前に、しっかりと リポD飲んできたのに... (^-^;
しかしながら、このまま引き返すわけにはいかない。
せっかくここまでやって来たのだから、もう少し周囲の様子を調査しておく必要がある。
それに、そろそろ片付けておかねばならない本日の目的は
まだ達成されていないではないか... (^-^;
先程の材場の背景にあった 雑木林の中をくぐり抜けると
滅多に人が入らなそうな
陽当たりの良い小道へ抜けた。。
どう考えても、車では入って来られない所だ。
コナラの二次林を背景に、ヌルデ、スイカズラ、フジ、マツなど、多様な植物が生い茂っている。
私の体力の低下とは裏腹に、周囲の状況はどんどん良くなるばかりなので
尚更帰りにくくなった。... (^-^;
赤い鉄道が走る線路の上を跨ぎました。。
そんな時、 普段とは違って 私の遙か前方を歩いていた
おとうとから
“お〜〜い!!”
と言う、でっかい声がかかった。
その声を聞いた瞬間に
私は突如走り出してしまった。
悲鳴を上げている我が身の事など、もはやどうでもいいって感じだった。... (^ ^ゞ
きっと、ネジロくんがいたに違いない♪
そう思ったからである。( → もの凄く単純なのね、私... (^-^; )
で、声がした方へ向かって50m程ダッシュし、飛び込んだ先はこんな所であった。。
(@o@)?? 一見、単なる雑木林でした。
先程まで見てきた雑木林とは違い
下草が刈られ、よく手入れされた明るいコナラ林だった。
樹々はまだ若く、か細くて、樹高もそんなにはない。
到着するやいなや
「で、いたの!? ネジロくん。。 」
と おとうとに尋ねると...
「いや、まだ見つけてない!」
と言う、切ない応えが返ってきた。... (^-^;
ガ〜〜ン... (ToT)(ToT)(ToT)
しかしながら、そんなにがっかりする事はなかった。
ちゃんとサプライズは用意されていたのである。
そこはコナラ林ではあったけれど
同時に、「タラノキ林」と呼ぶにも相応しい場所であったのだ☆
うひゃぁ... これは凄い。。(@O@)
ある程度成長したものから...
その予備軍まで...
足の踏み場もないほどに生えてました(@o@)!
痛たたっ... (^-^;
何歩か歩くたびに、足首がチクッ!っとする。
丈が低いタラノキが、足の踏み場もないほどに生えているので
そのトゲが、靴下ごしに刺さるのだ。
しかし、我々にとっては ありがたい痛みかも... (^ ^ゞ
これだけ生えていれば、ネジロくんがいる確率も高くなるだろう。
先程までは、あんなに ぐったりしていた私も
まるで興奮剤を注入したかのように
ハイテンションでネジロくん探しを開始した。
鼻の穴に、ティッシュを詰めながら... (^ ^ゞ
すると間もなく、再度おとうとが大声を発した。.
あっ、いた!!
よ〜し来た♪
「いた。」と言ったのだから、今度こそ間違いあるまい。
いそいそと歩み寄って
おとうとが指差す先を眺めると
そこには、高さ1m程のタラノキの立ち枯れ材があった。
う〜む、なるほど...
カミキリムシは、枯れた部分がお好きだという事を忘れてました。
ほ〜ら、小っちゃいカミキリムシがペア〜で付いてます☆
遂に会えました!
一年ぶりだね、ネジロくん♪
![]() |
ネジロカミキリ(Pogonocherus seminiveus BATES, 1873) |
いや〜、やっと私も出会えた。... (^-^;
全てタイミングの問題だったのだろうけど
長い期間、採れそうでいて、なかなか採れなかったので
素直に嬉しい♪
これで、ホッと一安心。
ようやく最低限のノルマを達成した気分である。
因みに、この材には、もう一頭の♂が付いていた☆
枯れ材に、ある程度集約されている事が分かれば、それは大きなヒントだ。
非常にやりやすくなる。
せっかくなので、追加個体を狙ってみよう。
せっかくなんで、もう一頭ぐらい おりませんか??
例えば、こんな所なんか いいんじゃないでしょうか??
折れた枝が、枯れてます...。
ほら。。
ヨチヨチ歩いてますよ。。
ね♪
ビンゴ〜♪
う〜ん、これで合計3♂1♀。
これだけ採れれば、もういいだろう。(^-^)b
あ〜、今日はここへやって来られて、ホント良かった。
未知なるタラノキの園は、まだいくらでもあるという事だ。
その後、林の外に出てみると、そこは畑作地帯であった。。
ビニルハウスの横に、Kトラが駐車してあったので
どこからか、この地へアクセスする方法あるのだろう。
折を見て、是非またやって来たい。
いい所でした☆
〜 再びダウン 〜
最後に、「クリストフP」 の近くにあった「メダカの学校」付近から
初めて眺める谷津田の周辺をドライブした。
幅員がめちゃ×2 狭く、路面もガタピシャの険しい農道で
ちょっと無謀とも思えるドライブとなったが
周囲の環境は、大変素晴らしいものであった。
ここも、いいなぁ...。
未知のエリアへ脚を踏み入れる度に、地元の奥の深さを実感する。
それだけ、まだ楽しむ余地が残っているのだから
ありがたい事だ。
無事にノルマを達成して、安心しきってしまったのか
疲れがどっと湧いてきた。
鼻水、涙が絶えずこぼれ落ち、くしゃみも止まらない。
症状は、「タラノキ林」へ辿り着く以前よりも明らかに悪化している。
おとうとの車の助手席で、もはや意気消沈してしまった。
車窓から左手を見上げると...
あぁ... ホオノキの巨木が生えている。。
とは言え、こんな平地にはいないんだろうなぁ。。
ホオノキ (Magnolia obovata Thunb. )
まだまだ明るいが、本日は、この時点で充分に満足できた。
報告書の提出期限まで、時間はまだ沢山残されているのだから
今日の続きは、また次回やればいい。。
Yes!帰ろう。。
〜 後記 〜
家に辿り着くなり、バタリとソファーに寝ころんだ。
38度ほどの熱もあり、完全にグロッキーである。... (^-^;
ご近所の調査なんだから、多分大丈夫だろうと
風邪を舐めてかかったのが、失敗だった。
しかしながら、今日はちゃんと得るものがあった。
既採集種とは言え
ここ数週間、ずっと待ち続けていた
ネジロくんとの対面が、ようやく実現された訳だから。。
それに、ネジロくんのホスト採集の経験は
実はこれが初めてであった。
昨年の2頭は、タラノキの近傍にある スイカズラから得たものだったのだ。
昨年の採集行から換算すれば、相当な回数を重ねている、この「H市調査」...
今回は未記録のカミキリムシを見つける事こそできなかったものの
こうして一種類のカミキリムシを求め続けた事により
また一つ よい想い出づくりができ、満足している。
〜 主な確認種 〜
●フトカミキリ亜科 | ||
ネジロカミキリ | : | ×4 (3♂1♀) |