採集履歴

“2007年 R地区調査” 編 (16)



07.05.23
(Wed) Plain 「夏日到来」 
                                                                                                  

週の中日にして 早くも疲れが溜まってきている。。
(ムシのやり過ぎだろうか??... (^ ^ヾ)

ただ今日は、タイミングよく 仕事がお休みなので
気分的には 随分余裕があり
昨晩も遅くまで展足作業に勤しんでいた。。

しかし、早朝目が覚め
横になったまま 何気に携帯サイトで茨城の天気予報をチェックしたところ...
なんと、日中の気温が30℃まで急上昇するらしい... (◎。◎;

これでは いつまでも ゴロ×2 と寝ている訳にはいかない。。
結局普段通り 6:00 前には起きだして
トレーニング、洗濯を済ませた後、出撃する運びとなった。... (^ ^ヾ


〜 また来てみたかった道 〜


と言う訳で、9:00 に千葉のアパートを出発した。。

どこへ行こうかと考えながら、下道をノロ×2 と走り
最終的には 2月に訪れた、R地区の某所へ辿り着いた。

“またやって来たかった道” である。



さすがに、緑が随分増えました。



2時間弱の移動中にも ぐん×2 気温が上昇したらしい。。
エアコンを利かせていた車を降りると、物凄い熱が押し寄せてきた。。
久しぶりに感じる “夏の暑さ” だ。

シーズンを待ちわびるムシ達を呼び覚ますのには
充分なきっかけとなるに違いない。

まずは以前見つけた ボコ×2 クヌギに目をやると
わずかに滲み出た樹液を 必死で吸っているコクワちゃんの姿が見えた。


やはり、クワガタが来るクヌギでした。。



さて×2、本題へ移ろう。
公的なムシの記録が全くない このエリアからも
少しでも多くのカミキリムシを確認しておきたいところだ。

タブノキなどの常緑樹林を取り囲む植生は
以前受けた印象より、ずっと豊かそうなので
この時期に現れる、一通りの普通種が狙えそうである。

捕虫網を片手に辺りを散策していると
早速、オレンジ色のカミキリムシが プィ〜〜ン... と飛来してきた。

で、難なくそれをネットイン♪

幸先良く、シラハタリンゴカミキリを得ることができた。


.. シラハタリンゴカミキリ
Oberea shirahatai OHBAYASHI, 1956



付近のタケ藪の前にはスイカズラが散見される。
うむ... 納得の結果と言えよう。。

この後、本種については もう一頭確認する事ができた。


もうすぐ、開花しそうなスイカズラです。


ヨモギの周辺を気にかければ こんな子も。。
小さくて愛らしい、キクスイカミキリである。
このエリアから出しておきたかった種類の一つであり
素直に嬉しい。


.. キクスイカミキリ
Phytoecia rufiventris GAUTIER, 1870



それにしても、本当に暑いな。。

散策を始めてから、わずか数分で
じわ×2 と 額から汗が噴き出してきた。

ムシ達も、この調子で じゃん×2 溢れ出てくれれば嬉しい... (^-^;;;

緑が生い茂る こんな道を暫く進んでいくと...


谷津田の上にある農道です。。


おっと、またもやリンゴ系を発見♪

もしかしたら、ホソキくんか!?

腹部が何節か黒ずんでいるのでその可能性も高いが
撮影に夢中になっていたら、いつの間にか姿を消してしまった。。

という事で、これは非公式な記録に終わった... 残念。。(^-^;

まぁ、とは言ってもシラハタでしょうな... 多分。。


既に触角が欠損しているようですね。。



〜 赤い彗星 〜


夏日とは言え まだ、5月... さすがにちょっと早いかな??
とは思いつつも、念の為、昨年ホシベニカミキリを確認した
タブ林の前へ立ち寄ってしまった... (^ ^ヾ


理由は分かりませんが
丸裸に されちゃった様です... (^-^;



これまでに 2頭の実績がある、背丈の高〜いタブノキを
じ〜〜〜っと見上げていると。。。

やややっ!? (◎。◎;;

あの “赤” いのは、ホシベニではないかい??

なんと... もう出てきたのか。。

ただ、何だかとても不自然な動きをしている。

おかしいな... と思い
目を凝らして良く見ると、新たに “黒” い影が映った。。

うわぁ... 何となく やな予感がするなぁ。。


ひょっとして、4月のスギカミキリと
同じパターンでしょうか??



予想通り... (^-^;
またもや、サシガメであった。。

 赤い彗星も、地に落ちたものだな...
 しかし、相手がサシガメでは、やむを得ないという事か??

 (キシリア閣下風に。。笑)


樹によじ登って、必死で
ズームアップしました... (^-^;



更に、枝の裏側を見れば、かなり新しい羽脱孔が開いていた。。
どうやら あのホシベニカミキリは
羽脱中、もしくは羽脱直後に殺られてしまったらしい。。


孔の周辺・内側には、粉状の茶色い木屑が
まだ残っていました。



獲物から なか×2 離れようとしないヨコヅナサシガメを、強引に引き離して
赤い方のみをネットで手繰り寄せた。。

う〜む... スギカミキリの時と同様の手口らしい。。
奴が体液を吸っていたと思われる箇所、
前胸〜中胸を繋ぐ関節部分は、グラ×2 の状態であった。



ホシベニカミキリ
Eupromus ruber
DALMAN, 1817



また、このホシベニカミキリが 羽脱際に殺られた個体である事を裏付けるかのように
完全に伸びきっていない触角の先端には、まだ抜け殻が まとわり付いていた。

とりあえず、標本資料として残すのには 充分に美しい個体であるので
大切に持ち帰ることにした。

その他、ここではツマグロハナカミキリを2頭確認できた。



〜 実家 〜


R地区と言うことで、つい フラ×2と実家に至る ... (^ ^ヾ

今年はいるかな??
と思い、念の為 畑の方へ行って見ると...


昔から、ヒメリンゴも植えてあります。


いた♪
ヒメリンゴの植え込みに、ルリカミキリが一つ、そしてまた一つ☆



ルリカミキリ
Bacchisa fortunei japonica
GAHAN, 1901



うししっ♪

樹の幹を覗き込めば、相変わらず 派手に食害されているようだ。
これで、暫くは安泰...
父には悪いが、毎年彼らの姿を楽しめることだろう☆


幼虫によって外へ排出された木屑です。


最後は、実家の倉庫で材箱をチェック。。
すると、07.04.20 に持ち帰った材から
かなり小っちゃなカミキリムシが羽脱していた。

検索した結果、“ホソヒゲケブカカミキリ” と言う種類らしい。

普通種だが、県内では まだそれほど記録が多くなく
個人的にも 初採集種であり、ラッキーであった。

こういった手応えを得る度に
材採は 分布調査をする上で
非常に有効な手段である事が分かってくる。


ホソヒゲケブカカミキリ
Eupogoniopsis tenuicornis BATES, 1884



それでは、今回はこんな所で。。



〜 後記 〜

突然の暑さに勢いづいたのか
R地区では、続々とカミキリムシが登場し始めたようだ。

このタイミングを目の当たりにできたという事で
今日の出撃は「正解だった」と受け止めたい。

あまり目新しい種類が期待できない海岸沿いの平野部ではあるが
それゆえ、これまでムシ屋さん達にとってはノーマークのエリアだったので
調査のやり甲斐は感じている。

今後、10月までの残り5ヶ月という短期間で
茨城県全土のカミキリ相を 少しでも効率良く把握していくためには
やはり、県西〜県北部を優先的に調査するのが妥当であろう。

しかし、一昨年から地道に続けてきた R地区調査なので
細々とでも、定期点検は絶やさずにおくつもりだ。

それから... 昨年の 8月の様に
気合を入れすぎて 病院送りにだけはならないよう
今から 体調管理の方も上手にやっていかないとね... (^ ^ヾ



〜 主な確認種

●ハナカミキリ亜科
 ツマグロハナカミキリ
●フトカミキリ亜科
 ホシベニカミキリ
 キクスイカミキリ
 シラハタリンゴカミキリ
 ルリカミキリ





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