採集履歴

“2007年 今夏の課題” 編 (4)



07.07.19
(Thu) Mt 「尚もオニグルミ」 
                                                                                                  

引き続き オニグルミノキモンカミキリを追ってみたいと思う。

従来(約20〜30年前)、茨城県内では記録地があまり多くなく
昨年までは、個人的にも なか×2 見つけることができなかった本種だが
先週、これまでの調査エリアより 幾分標高を上げた結果
新産地から、割と簡単に多数頭を得ることができた。

近年、平野部からも ポツリ×2 と採られ出しているようで
山間部では、随分と個体数を増している可能性がある。

そこで今回は、山間部の某エリアへ赴いて
本種の棲息確認作業をやっておきたい。

某エリアとは、07.05.20 に一度訪れた峠道周辺で
環境は、スギなどの植林が大半の面積を占めており
カミキリムシは勿論、ムシの記録自体が殆ど見られない
寂しい土地である。

しかし、沢沿いにはオニグルミが結構生えていたので
本種が棲息している可能性は高い。

その様な植林優勢の環境からも、簡単に確認することができれば
現状、山間部全域に 普通に見られる種類と判断するための
裏づけともなるだろう。


〜 復習 〜


そんな訳で、10:00 に家を出発した。。
今日は、青空が見えないものの、明るく、気温もそこ×2 高めで
大変過しやすい採集日和となりそうだ。



あえて、前回と同じ田舎道を掲載しておきます。。
相変わらず、空いてますね〜♪



まず本題へ入る前に、定期的にチェックを入れている某林道へ向かった。。
しかし、花は咲いていないし、土場の様子も静か過ぎる。。。

やはり今シーズンはどこか変だ。。

カミキリムシのみならず、本当にムシが採りにくい夏である。

やはり、積極的にホスト採集を試みなければ
新たなムシとの出逢いは巡って来ないだろう。

そんな感想を抱きつつ、長い河川に沿って車を走らせていくと
陽当たりの良い場所に 数本のオニグルミが見つかった。

どれ×2 、目的のエリアへ突入する前に
先週の復習も兼ねて、ここらで一度様子を見てみようか。。


一応、ここも未記録地となります。。


例によって、初めは葉脈に沿った食痕がないか じ〜〜っと眺めてみる。。


太陽光に照らされた緑色が とても綺麗です。


ところが...

あれれ〜??


いきなり来ちゃいました... (^-^;


なんと、食痕よりも先にムシが見つかってしまった... (^-^;
車を降りて、ものの2、3分での出来事である。


オニグルミノキモンカミキリ
Menesia flavotecta HEYDEN, 1886



いや〜、実にあっけない。... (^-^;
この分だと 本当に沢山棲息していそうな感じがする。


では、これで寄り道は終わりにして、まっすぐに目的地へ向かおう。。



〜 余す所なく 〜


ようやく本命のエリアへ突入。。

冒頭に記した通り、見えてくる緑地は、延々とスギ林の連続だが
沢沿いには、こうして所々にオニグルミが生えている。

手が届く範囲なら、余す所なくチェックを入れていこう。。


この通り、背景はスギ林です。


お〜!今度は先に葉脈に沿った食痕が見つかった。

写真左上のほうに、1頭のコガネムシが付いているが
大胆な彼の食痕とは、明らかに違うことが分かる。。


細いのが、カミキリムシの食痕です。


早速、食痕付きの葉が多く密集する
オニグルミの「実」がついた周囲をBTしてみると...

予想通り!

あっさりと、レモン色のカミキリムシが落ちてきた。。

う〜ん... やっぱりここにもいるなぁ〜!


いきなり2頭落ちました!



よ〜〜し、この調子で どん×2 行こう!

5km程林道を進み、お次はこんな所で挑戦。。


相変わらず背景はスギ林です... (^-^;


先程のような食痕は見つからなかったものの
プィ〜ン... と小さなレモン色のムシが飛んでいったので
すかさず、捕虫網を振ってみた。。

結果は...??

ジャ〜〜ン! やはりそうだ。 ここにもいる!


バッチリ入ってました♪


当然 「×(ペケ)ポイント」 にも何度か出くわしたが
対外の場所では この様にオニグルミノキモンを確認できた。

で、本日の〆はここ。。


最後まで、背景はスギでした... (^-^;;


木陰に入り、こうして上方を見上げると、カミキリムシ以外の食痕も沢山見受けられる。。
オニグルミの葉は、ムシ達にとって、大人気の御馳走の様だ。


ここは 派手に食われています。。


場数を踏んだせいか、何とな〜く 湧いている箇所が分かってきた。
捕虫網で ガサ×2 とやれば、一発でこの通り。。


コツが分かった気がします。


このような感じで、このエリア内の14ヶ所に車を停め
オニグルミをチェックし続けた。

地区名でカウントすれば、計3つの新産地を確認できた事になる。

以上より、今回の目的は充分に達成された。

後はのんびりと ヤナギのルッキングでもしながら帰ろう。。



〜 後記 〜

20:00 ピッタリに、実家へ帰宅。。

今回は、オニグルミノキモンカミキリの分布調査に重きをおき
かつて記録がなかった数地区から 無事に棲息確認をする事ができた。

スギを始めとする植林が優勢の環境下であるためか
公的なムシの記録が非常に少ないエリアからも 沢山採集できたので
手応えは充分に感じている。

前回に見出した新産地を含め、これで5地区の分布を把握できたことになり
過去に先輩方が残した記録地をも踏まえれば
本種は山間域の沢沿いに広く定着していると言えるだろう。



〜 主な確認種

●フトカミキリ亜科
 オニグルミノキモンカミキリ





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