採集履歴

“2008年 ラスト・スパート” 編 (17)



08.07.19
Sat) Mt 「イケマ → モミ」 
                                                                                                  

昨晩は、3:00過ぎまで 特集号の分布図を更新しておりました。。
(とりあえず、こちらもゴール間近です。)

しかし今日は、久しぶりに yasu 同伴にて お出かけの予定ですので
普段通り、5時には起きました。。
まずは お決まりのノルマをこなして、6:00に出発です。

今日は、イケマをホストとする カミキリムシのチェックを目的にしています。



久しぶりに、助手席スタート。。
ふ〜〜っ... 眠ぃ。。と言う事で、ラッキーです。。(^ ^ヾ


今日は晴れますか...??@ 6:29



道が空いていたので、8:00には何事もなく山の麓へ到着しました。

早速、林床に生えたイケマをチェックしてみます。

そう、これ×2。。
らせん状に付けられた茎の傷が、存在を窺わせる目印です。
白く目立ちますので、すぐに分かります。


産卵痕付のイケマを
早速チェックします... @ 6:40



おおっ!
車を降りてから、ものの数分で あっさりと発見。。

本当はペアだったのですが...
♀を残して、♂は逃げ出しました。。(^ ^;;


ホソツツリンゴカミリキ
Oberea nigriventris
BATES, 1873



う〜む... ホソツツ。。
確かに 細〜〜〜いけれど
身体のつくりは、やはりOberea属です。
まぁ 頭部の配色が、他のリンゴとは違ってオレンジですが。。

それにしても、本日の目標が 実にあっけなく達成されてしまいました。。(^ ^ヾ


では、いつものように
あらゆるムシとの出会いを求め、標高を上げていきましょう。。



コッコッ・・・と鳴いてます。



アトモンサビ、キスジトラなど摘みながら、40分程で沢筋の原点の一つへ辿り着きました。

さて、最近では こんなトラップのチェックも行っております。。(^ ^ヾ



定期点検を始めました。



ビロウドカミキリ、ニンフハナカミキリ、アトジロカレキゾウムシ、コメツキムシなどが入っていましたが
特に目立った種は見出せませんでした。。

一方、イヌブナの倒木上には、オオトラフコガネの♀が飛来しました。
これはラッキーです♪


♀は、遭遇する確率が低いんです。



ヤブ漕ぎをしながら、どん×2 標高を上げていきます。

こちらは、良く見ている立ち枯れです。
腐朽が進み、ブヨ×2 してますので相応のムシが集まります。
今日は特に何も見かけませんでしたが
8月には、キノコに集まる甲虫なども得られると思います。


立枯れ@ブナ



続いては、モミのチェックに向かいます。
まずは、山頂から派生する ひとつの稜線をチェックです。

こちらは、細めの立枯れですが
程良く皮が剥けており、芯も硬いので、いずれは何か採れそうです。



中央が、モミの立枯れです。。



そのまま、北側の斜面地へ降ります。。
こちらには、新しい落ち枝が沢山散乱していました。
立枯れてはいませんが、陽溜まりになっていて
ムシを探すには、とても良い条件と言えます。


落ち枝チェック@モミ



で、付近から見つかった、主な甲虫はこれ。。
以前 Exit氏から同定以来を受けたことがある アトコブゴミムシダマシです。

ずっと死んだふりをしていましたが、数分経って、ようやく動き出しました。

本種は、自然度が高い山地の森林に生息し
大型のサルノコシカケなどに集まります。

こういったユニークなムシとの出逢いは、嬉しいですね。
本県では3例目の産地に当たると思います。


アトコブゴミムシダマシ
Phellopsis suberea LEWIS, 1887



更には、明るい稜線を行きます。
こちらのモミ@立枯れ付近には、オオヨツがいました。
生息地には少なくない種類ですが、本エリアでは初遭遇となりましたので
ありがたい限りです。


オオヨツスジハナカミキリ
Bellamira regalis
BATES, 1884



こちらも良いです。
一見、タテスジゴマフかな?と思いましたが、良く見ればマダラゴマフカミキリでした。
既に☆になってましたけど... また新たな種類の棲息が明らかになりました。


マダラゴマフカミキリ
Mesosa poecila
BATES, 1884



13:30... 既に5時間以上かけて、林内の主要ルートを一通りチェックし終えました。

またすぐに舞い戻ってくるつもりですので
ちょっと早目ですが、今日はこの辺で。。


B↓C @13:42




〜 後記 〜


17:30に、帰宅しました。
今回は、目標にしていたホソツツリンゴ@イケマ の他
オオヨツ、マダラゴマフなど、新たなカミキリムシの棲息を明らかにでき、本当にラッキーでした。
他にも、オオトラフコガネ(♀)や、県内では少ないアトコブゴミムシダマシ、ノコギリクモゾウムシ
本文中では写真を紹介しませんでしたが、おそらく初例となるマダラキノコゴミムシなどが
確認でき、嬉しい限りでした。

勿論、まだ×2 頑張らねばなりません。
近々、またやってきます。


〜 主な確認種

●オサムシ科 Carabidae ●カミキリムシ科 Cerambycidae
 マダラキノコゴミムシ  チャボハナカミキリ
●コガネムシ科 Scarabaeidae   オオヨツスジハナカミキリ
 オオトラフコガネ  ホソハナカミキリ
 ドウガネブイブイ  キスジトラカミキリ
●コメツキムシ科 Elateridae  ウスイロトラカミキリ
 ムネアカクロコメツキ  ニイジマトラカミキリ
●カッコウムシ科 Cleridae  タテスジゴマフカミキリ
 クロダンダラカッコウムシ  マダラゴマフカミキリ
●アトコブゴミムシダマシ科 Zopheridae  ビロウドカミキリ
 アトコブゴミムシダマシ  ゴマダラモモブトカミキリ
●ヒゲナガゾウムシ科 Anthribidae  ホソヒゲケブカカミキリ
 シリジロヒゲナガゾウムシ  トゲバカミキリ
●ゾウムシ科 Curculionidae  ヒメヒゲナガカミキリ
 ノコギリクモゾウムシ  シラホシカミキリ
 エゴシギゾウムシ  ニセシラホシカミキリ
●ナガキクイムシ科 Platypodidae  ヘリグロリンゴカミキリ
 チュウガタナガキクイムシ  ホソツツリンゴカミキリ


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