採集履歴

“2008年 ラスト・スパート” 編 (21)



08.08.20
(Wed) Mt 「予想的中!」 
                                                                                                  

ここ暫くの間 強烈な雨が続いていました。
故に今回は、ある直感のもと
期待を込めて、いつもの山へ向かいたいと思います。。



10:54... 今日は登山開始までに、家を出てから 3時間もかかってしまいました。
車で進入できる作業道の泥濘が、それは×2 ひどかったもので... (^ ^;;


ドロンコの中を、越えてきました。



身支度を整え、また新たな斜面を登っていきます。。


可愛らしい、ソバナの花を横目に。。



この時期は、アカハナと ヨツがとっても多いです。


もうすぐ、夏も おしまいです。



草露で、ズボンを ビッショリと濡らしながら稜線にのりました。。

見上げれば、新しいモミが倒れかけています。
いずれはこれも、ムシに食われて いきそうですね。。



倒れかけのモミです。。



冒頭に記したとおり... ここ数日間は、猛烈に激しい雨が続いていました。
ですので、かすかに陽射しが出た 今日というタイミングは
あのカミキリムシを見つける為の、チャンスなのかもしれません。

・・・というのも、そんな最中、ブナの樹上に
平然と、ムシが休んでいられるとは思えないからです。

“ ひょっとしたら、強雨を避けて、あの樹洞内に 奴が隠れているんじゃないか??”

そんな期待をしながら、滑りやすい天然林側の急斜面を慎重に降りていきました。

この森に生えているブナの状態は、ほぼ把握済みです。
更に、羽脱孔の分布状況と重ね合わせれば、カミキリムシが濃いゾーンも概ね分かってきます。

匂いがする樹洞のありかを絞り込み
寄り道は一切せず、その現場へ辿り着きました。



このイヌブナだけを、目指してきました。



さぁ、直感が当たるでしょうか。。
答えあわせをするかのごとく、少々かがんで
洞の中を 携帯電話のライトで照らしながら覗きあげました。

すると...

いました。。



ヨコヤマヒゲナガカミキリ
Dolichoprosopus yokoyamai
(G
RESSITT, 1937



予想的中!まさに、ビンゴでした。
野性味溢れる、お気に入りの一枚です。

撮影後、そっと腕を突っ込んで、摘み出しました。。


写メでもパチリ! ♀です。



迷うことなく、いきなりのゲットです。

前回 (灯火)までの経緯を考えれば、なんてラッキーな話でしょうか。。
今回は、度重なる下見と経験、そして感が活きました。


絶妙のタイミングでした。



ありがたいことです。
いつもながらに、山へ感謝しなければなりません。。m(_ _)m


・・・と、ここでいきなり夕立が襲ってきました。。(^ ^;;
相変わらずの天候の下、大急ぎで引き上げます!

わずかに 40分程度... これ迄で最短の現地滞在時間となるでしょう。。
樹洞を覗き込んだイヌブナは、後にも先にも、たったのこれ一本でした。
そこで、すんなりヨコヤマを確認し、即座にUターンということになります。

なんという効率の良さ... (^ ^;;

しかし... 慌てて下山しても、マイ・カーの元へ辿り着くのには 30分以上を要しました。。
当然、ズブ濡れになりました。。(^ ^;;

運転席で、タオルを被り
濡れた髪を拭きながらエンジンをかけました。
もう、暫くはやまないでしょう。。

このまま、帰るしかないでしょうね。。

連日このような状況では、道も なか×2 乾かないだろうな...。
そんなことを考えながら、再び低速走行を始めました。

うひゃ〜!滑る×2 !!
時折 ハンドルをとられ、蛇行します。。(^ ^;;

で、道端では、ふと こんなものを見かけました。。


トラップ発見です。。



覗いてみると、シデムシ類が ジャラ×2 と かかっていました。


雑甲虫を調べるにはちょうど良いかも。。



これ、来期の調査に使えそうです。。
もうひとつの収穫でした♪



〜 後記 〜


今回は、豪雨続きの天候と 羽脱孔の分布状況を手がかりに
イヌブナの樹幹@洞内から、ヨコヤマヒゲナガカミキリの♀、一頭を得ることができました。

まだ公表してませんが、別の山で産卵のために 樹根部へ舞い降りていた♀を確認した時とは
明らかに様子が違って見えました...。
とは言え、本当に予想通り 雨宿りだったのか...
たま×2 そこに居合わせただけだったのか... 真相は分かりません。

その後も、何度か同じ洞を覗いていますが
本種が現れる事は、ありませんでした。

度重なる下見と経験、そして感が活き
またしても、なおかつ運がついてきました... m(_ _)m


〜 主な確認種

●カミキリムシ科 Cerambycidae
 ヨコヤマヒゲナガカミキリ


 → 標本部屋




※採集記目次へ