採集履歴

“2008年 ラスト・スパート” 編 (22)



08.09.05
(Fri) Mt 「最後に、もうひとつ。」 
                                                                                                  

今回は、忘れ物の後始末をしてきました。
一つは 連日の豪雨で流れ落ち
容器が壊れていました。。
もう一つは ずぶ濡れで傷んでいましたが
少し補修すれば、また来期も使えそうです。

実はこれ、暫く山中に設置していた マレーズ・トラップの話です。。(^ ^ヾ
(結局、特に目立った成果はありませんでしたけど... (^ ^;;)



立枯れ前、倒木上に設置
@ 08.07.17


それにしても、今年は本当に良く通いました。。

終盤に入ると、毎回×2 信じられないほどに
当初から見据えていた目標がクリアされていきました。

今年の夏は、これ以上にない 節目を迎えられそうです。。



そして...
夏の終わりに、なおも、もうひとつの出逢いがありました。
既に死骸を確認していたので、棲息事実は明らかでしたが...

あぁ、素晴らしい... 思わず見とれてしまいました。
12:22の出来事です。。

近寄っても、撮影をしても、微動だにしませんでした。
1頭の♂が、堂々と胸を張って甘い香りを放っていました。


オオチャイロハナムグリ
Osmoderma opicum LEWIS, 1887



わずかに残された この美しい天然の森は、植林・伐採が進行する広い尾根筋の
本来の様相を物語る最後の証。。

お付き合いをさせて頂いて、本当に良かったと思っています。。


お世話になりました... m(_ _)m



雨続きでしたので... 沢筋の勢いは普段より増していました。。


長靴で、ジャブ×2 と下ります。。



復路にて...
ふと 黒い光沢に目をやれば。。



じっとりと、苔生した倒木です。。



おっ!?


ひとつ。



体長 22mm程の小さなクワガタが
ミズナラの倒木周りで 賑わいを見せていました。。


ふたつ。。



このムシ... 良く見れば大変カッコ良い造形で、私は好きです。


みっつ。。。



・・・と言う事で、やや大きめの固体に寄ってみます。


よっつ。。



続いて正面から...
この大顎ですよ... 大自然が生み出した
実に素晴らしいフォルムです。。


前脚を踏ん張って威嚇しています。



まさに、“オニ” ですね。。


反り立ちます。。



昨夏も、この子らを見て
〆括ったのでしたっけ??



オニクワガタ
Prismognathus angularis angularis

W
ATERHOUSE, 1874



でも今シーズンは、もう一頑張りしておかないと。。
ここまできたら、どうしても確かめておかねばならぬことが、あります。。


そして無事に、麓の村まで降りてきました。。


これを以って、今年の採集活動は
概ね終わりました。。m(_ _)m




〜 後記 〜


今回は、2ヶ月ほど設置しておいたトラップの回収を目的に
出かけてきました。

そんな折...
惚れ込んだ山の自然度を象徴する、勇ましいムシの姿を
最後に またひとつ見ることができて大変嬉しく思いました。

私は、ただ×2 自然やムシと
向かい合っていることが好きです。。

それ以上でも
それ以下でもありません。

次回は、全ての総仕上げに入ろうと思います。


〜 主な確認種

●クワガタムシ科 Lucanidae
 オニクワガタ
●コガネムシ科 Scarabaeidae
 オオチャイロハナムグリ


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