採集履歴
“2003年 寸暇を惜しんで行っとけ!” 編(1)
03.07.12 (Sat) 曇り Night 「冷夏復活(+o+) 良型ス〜ジ〜♪」 |
ゆっくりと10:30に起床♪ 昨日は久々に蒸し暑い夏を感じ、それなりの成果を上げる事ができて大変満足であった☆ 今宵はその延長戦を味わいたいが為、夜明け前はいつもの様に千葉へ戻らず、相棒と共に実家に帰省した。 …なのに、今日は実に涼しい。 何なのかしら、この寒さは。 まさに冷夏復活だ…(^-^; その傍ら、貴重な7月の日数がどんどん減ってゆく…もったいないなぁ。 しかし、だからこそ、どんなシチュエーションであっても 寸暇を惜しんで行っておかねばならない! それが我らの合い言葉・笑 では、 (1).色々な虫を見て楽しむ事 (2).ノコノコ・ミヤップ・ス〜ジ〜・コクワちゃん・アカアシなど普通種のマイ・ギネスサイズを更新する事 今宵もこの2点を目標に掲げ、行って参ります! |
〜 実家スタート 〜
そんな訳で、今日は実家からのスタート(18:00)。
巡回ルートの第1ポイントまでは約1時間だ。
千葉からなら3時間以上はかかる。 寸暇を惜しむ状況でのこの差はでかい。
昨晩に引き続き、是非今宵も各ポイントへの一番乗りを決めたいものだ☆
それにしても…涼しいなぁ (-_-;
日没間近、さっそうと滑り出しました。
陽が落ちた頃に写真を一枚。
何という空模様であろう…本当にドンヨリだ。
これで気温が高ければ何も言う事はないのだが…。
飛ばせ!橋長400m近くもある高架橋です。
〜 まずはNポイント 〜
さぁ、すっかり陽も落ち第一ポイントに到着だ(19:00)!
早速、昨晩ミヤップを確認したデンジャーな土手縁のクヌギを見てみよう。
この涼しさの中でも、蝶、蛾、カナブン等、そこそこの昆虫達が樹液に付いている様だが…
おりました×2☆ かなり小ぶりだが
昨晩までは、1年間待ち続けていたミヤップ事、ミヤマクワガタ(Lucanus maculife moratus)の♂だ。
昨日の暑さをきっかけに、確実に始動した様である。
昨晩の個体よりもさらに小ぶりな♂です。
〜 続いてOBポイント 〜
次なるポイントに潜入(20:30)。
涼しさの為か、OBさんとこのクヌギでさえも本日はクワガタの姿が見られなかった。
しかし、そこからわずか30m程離れた、蛍ポイントのコナラの樹幹にライトを照らした所
一瞬、小型のドルクスが洞の中へ逃げ込んでいく姿が見えた…。
ス〜ジ〜だ!
心の中でそう叫ぶ…。
瞬間的に見えた腹部の形と、その色とでの判断だが、間違いない。
左手で即座にピンセットを洞の中につっこみ、
逃げ込む彼の右後ろ脚をしっかりキャッチ☆
ス〜ジ〜ならば力は弱いが、
余り強く引っ張ってしまうと脚が切れてしまうので
強弱を付けながらゆっくりと引き出した…。
おおお!やっぱりス〜ジ〜!
華奢ではあるが、実に良型の顎だ。
美しい!
車内に戻って計測してみると、何と30mmあった☆
マイ・ギネスランキングでは3位、
完全体としては2位となる個体である♪
それにしても、これによってランキング1〜3位の個体を全てこのOBポイント付近で並べてしまった。
う〜む、やはり侮れないポイントだ!
美しい顎です…。
大好きです。 ス〜ジ〜(Dorcus
striatipennis)♪
更によく見ると、このス〜ジ〜、内歯が明白に2つに割れず、むしろ四角形に近い平面形をしている。
これは、ランキング1位2位の個体にも見られた特徴だ(下標本写真の右2個体)。
このポイントに棲息する血統特有のものなのであろうか?
あんまり意味のない事であるが、今後、県内の大歯型ス〜ジ〜を沢山集めて
顎の形状に地域性が見られるかどうか確かめてみたくなった・笑。
るどるふ先輩のヒメマイマイカブリの百頭百色ばりに、百頭百顎でもやってみようか…苦笑?
スジクワガタ(Dorcus
striatipennis)
中(32.5mm 03.06.29)、右(32.8mm 02.08.05)が、このポイント産。
その後の蛍ポイントは、若干のコクワちゃん、カブトがいる程度…実に寂しい。
ただそんな中、元気にプロレスごっこをやっている、仲の良いペアがいた・笑☆
パイルドライバー!正式名はドリルアホールパイルドライバーの様です・笑
〜 Nライン 〜
その後、Onewポイント→O団地→Sきょくと回ってみるも結果は得られず…。
やはり涼しいからなのかねぇ〜。
しかし、先日(03.07.04)、石Uポイントへ向かう途中で立ち寄った「Nライン」の街灯下には、
大の字になってジタバタもがいているタガメがいた!
今夏通算9頭目、このポイントでは3頭目となる個体だ。
今夏、このポイントで3頭目となるタガメ(Lethocerus deyrolli)♂
〜 そして石Uへ 〜
さて、石Uだ(22:00)!
ここは多くの採集人が訪れる公の場であり、早朝、カラスの餌食となってしまう虫達の墓場でもある…(^-^;
私がウンテイ灯下を探索していると、南から2本目に当たる水縁灯下から相棒の呼ぶ声が…
「?」 と思い、歩み寄ってみると
ジャーン!
立て続けに、今夏通算10、11頭目、
このポイントでは2、3頭目となるタガメが登場した!
他の昆虫は相変わらず少ないのに…
さすが水棲昆虫、飛翔に際して寒さの影響は少ないのかな?
それにしても、このうち1頭の♀は相当でかい!
頭部上端から腹部下端までの長さが、何と67mmもある…
両腕(前足)を広げると、優に70mmを越えてしまう迫力個体であった!
水棲昆虫は、水を媒体として農薬等の影響をもろに受けてしまう。
私の実家付近には、15年程前までなら、このタガメもかろうじて棲息していた様だが
現在は全く見られなくなった…。
同じ県内なのに、これだけ沢山の個体を育む事ができる水源が残っているなんて
とても貴重な事だと思う…。
タガメ(Lethocerus deyrolli)♀67mm
「この目、正しく凶悪犯でしょう!」 …と相棒・笑
〜 BRAKE 〜
道中、某運送会社の駐車場にて久しぶりに「勇生丸U」を見かけたので
オーナーの寺門さんに許可を貰ってしばし撮影会…。
このトラック、すずき工芸の手による両サイドのペイントが非常に見事であるのだが
光量がとても足りず、今回は掲載を断念…。
いずれアートトラックのページにて、あらためてご紹介させて頂きたい素晴らしい1台だ☆
(寺門さん、高校時代にも一度お話ししているのですが…覚えてないっすよね…(^-^; )
勇生丸U、キャデラックバンパーはFバンに変わってました。
〜 Sポイントで〆 〜
その後、水瓶などの灯下をくまなく回ってみたが、やはりこの気温では虫が飛べない模様…。
昨日の蒸し暑い陽気は幻だったのかな…?
仕方がないね。
今回の〆は、地域新聞にも載ってしまうような、それこそ公も公の場、Sポイントにしよう。
ここは、複数箇所から樹液を出すボコボコクヌギが、100本以上(嘘ではない!)あるポイントだ。
それ故全盛期には、約15分刻みで、ひっきりなしに採集人が訪れる、超人気ポイントである。
しかしながら、このSポイントでさえも
冷夏のせいで樹液が出遅れているらしい…。
クヌギの高方にわずかに滲み出た樹液に付く大型の♀が見えたので
とりあえず相棒がネットイン☆
答えはミヤップの♀であった。
あれは何クワでしょうか???
むむむ!?
ミヤップ♀でした…(^-^;
今日はここらが退き際だね。 まっ、こんなものでしょう☆
23:15、早々に再び実家へ引き上げた。
〜 後記 〜
今回得られた一番の感想は、「寒い夏があっと言う間に復活してしまった」
に尽きる…(^-^;
実に寂しい結末だ。
その様な中で、30mm台に乗った美形のス〜ジ〜をゲットできた事、元気に飛来したタガメの姿を3頭も確認できた事はこの上ない収穫であったと言えよう☆
特にス〜ジ〜に関しては、少しずつ顎の形状に地域性が見え出した気がするので、今後の観察が楽しみとなりそうである。
冷夏とは言え、貴重な夏だ…「寸暇を惜しんで行っとけ!編」は、今後も、何回でも続けて行きます!
〜 主な確認種 〜
●クワガタムシ科
ミヤマクワガタ : 1♂1♀
スジクワガタ : 1♂(持ち帰りは30mmのみ)
●水生半翅類
タガメ : 3