採集履歴

“2003年 朝まで採集” 編(4)



03.07.04
(Fri) 晴れ Night 「タガメ採集の巻♪」 
                                                                                                  

 今夜も恒例となった週末の巡回だ☆ フライデーは「とんかつ和幸の日」でもあるので(笑)、豚肉大好きの相棒のお土産にお弁当をゲットして出発した(18:00)。
道路の混み具合の方は相変わらずで到着は20:15…いい加減慣れてはきたが、どこかに良い近道はないものであろうか…。
 それにしても今日は肌寒い。 予報では明日からもっと気温が下がるそうだ…。 初夏はともかく真の夏までが、このまま訪れないで終了してしまうのだろうか?
いずれにせよ今晩も
(1).色々な虫を見て楽しむ事
(2).ノコノコミヤップス〜ジ〜コクワちゃんアカアシなど普通種のマイ・ギネスサイズを更新する事
この2点を目標に掲げ、体力の続く限り楽しんでくるぞ!


〜 丘の上での樹液採集 〜


 さて、高速移動後はいつもの巡回ルートをそのままに…
まずは、Nポイント→OBポイント→蛍ポイントの順番で樹液をチェックだ。

しかしながら予想通り、寒さのせいでクワガタの数はめっきり少ないようだ。
そんな中、まず最初に出逢った甲虫はこの子。
普通種中の普通種であるが
今日もまた新しいカミキリムシをご紹介致しましょう☆


ナガゴマフカミキリ(Mesoa longipennis


ヤマザクラやウラジロガシ、ミカン、クヌギなどの各種広葉樹やアカマツ等の伐採木に集まり産卵する
ゴマフカミキリ属のカミキリムシで、体調は12.5〜19.5 mmと個体差はあるが、
いずれにせよ小っさ〜い種である☆



〜 続いて灯下採集 〜


 樹液が駄目なら灯下採集!
しかしこのように気温が低くては、よほど魅力的な灯りでもない限り
虫達も飛ぶ元気がおきないであろう…。

 しかし我々には、とっておきの場所がある。
03.06.20に発見した「Sきょく」だ!(「Nきょく」ではない・笑)
雨の日を除けば、どんな悪条件の元でも我々を救ってくれる…
そんな助け船のような、とても明るいポイントである。
さてさて、今日はいかがな物か!?

到着するやいなや、早速懐中電灯を片手に、辺りをうろついてみる…
近くには水源が沢山あるので、連日連夜飛来したシマゲンゴロウなどの水棲昆虫が
側溝の水たまりで泳いでいる事も多い。
要チェックである!
側溝の、いわゆる交差点にできた水溜まりを、金属製の蓋の隙間からライトで照らし
よ〜っく凝視してみると…
おぉ!
あれに見えるはタガメさんじゃないか!?


おっ!もしや…

間違いないようです♪


 本日飛来した個体ではなさそうだが、幸先がよい♪
ミミズの様な軟体動物も浮遊している汚水中にいたのだが
おかまいなしに端っこの隙間から手を突っ込んでゲット!
こういうのは私の役割である・笑
(因みに相棒はタガメが怖くて触る事ができない(^-^; )

 よっしゃ、これで乗ってきたぞ!
更には…むむむ!心なしかほんのり暖かい風が吹き始めたのではないか???
相棒共々、2人の人間の肌がそれを感じたのであるから
野生の昆虫達はもっと敏感に察知したに違いない。
ゴールデンタイムはとっくに過ぎ去っていたものの
待ってましたとばかりに
そして、先程までの状況が嘘であるかのように
カブちんコクワちゃん等の甲虫がバチンパチンと飛来しては
アスファルト上に叩き付けられ始めた!
さすが「Sきょく」也!


主役がいないと始まりません♪


そして×2何と、更には2匹目のドジョウ!いやさタガメが新たに飛来した☆
今夏この場所で4匹目のゲットである…凄い!
このポイントにまた助けられてしまった…(^-^;


格好いい登場の仕方です!タガメLethocerus deyrolli



〜 調子に乗って再び樹液をチェック 〜


 虫の飛びを見て、確実に暖かくなってきた事が実感できたので、再びNポイントに足を運んでみた。
既に7月、いくら夏の到来が遅いとは言え、ミヤップの姿を未だ確認できていないなんて
これは間違った現実だ・笑
一刻も早く、正しい現実を取り戻したい所だ!

…しかしそうそう上手くはいかなかったようだ。
樹液を占領していたのは、同種属間では日本最大種の彼らであった。


オオゾウムシ(Hyposipalus gigas



〜 やっぱり灯下採集! 〜
 

 ゾウムシの宴を見送った後は、「石U」へ灯下チェックに向かうべく車を走らせた。
当然、道中に有望な街灯があれば寄り道しよう。

とあるカーブに差し掛かった所で、さっそくその機が訪れたので車を停めた。
ここは良さ気だ!
街灯の明かりは一帯の山肌を照らし
その街灯の後方には小川や、水を貯めた水田がある。
そして思った通り昆虫が沢山飛来していた!
ただ、さすがに道路横である為、車にビシバシひかれている模様…。
とりあえず生存虫を確認してみると…

おわッ!ノコノコだ!
決して珍しくない種だが、小せぇ〜!29mmしかない…(^-^;


今日も街灯撮影にいそしみました

ノコノコ♂(極小29mm)


そして×4何と、更には3、4匹目のドジョウまでもが飛び込んできてしまった!
今夏トータル6、7匹目となるタガメの見参である!
どうやら今夜の主役はこのタガメになりそうだ☆
車に跳ねられないうちに、我々が大切に保護しておきましょう・笑。
(注:彼らはベテラン愛好家の元できちんと飼育されます…)


3匹目のドジョウ!?

4匹目のドジョウ♪


…で、目的の「石U」へ到着!
ここは灯下採集の巡回ルートの中で、街灯の明るさ、自然立地的な観点からも採集には持ってこいのポイントの一つなのだが
余りにも人目に付きやすい場所であるが為、20分に1度程、親子連れなどの採集人が訪れる。
そこそこの量の虫が飛んではいたが、時間帯も遅かっただけに、
目ぼしい昆虫の姿を見つける事は既にできなくなっていた。

しかし、前回の採集記(03.06.29)の後半でも記した様に
ちょいとトーンダウンしながら
散乱しているおびただしい量のカラスの食べ残しを眺めていると…
ふとミヤップのお頭を発見!
生き虫を発見する以前に、食べ残しを目撃して、2003年、ようやくミヤップが始動した事を確認してしまった。
ミヤップ君、こんな形で出逢いたくはなかったぞよ…前回に引き続き、やっぱり墓場はむなしかった…(^-^;


カラスの食痕(1:タガメ

カラスの食痕(2:ミヤマクワガタ



〜 こっちの麓を散策! 〜


 さ、高速に乗って南下しよう! いつも通りに、お決まりのチェックポイントは全て回らなければ気が済まない・笑。
…とは言っても全く同じルートばかりを辿っていたのでは芸がないので
今回はいつもより一歩手前のインターで降りて、某峠道を越えてポイントを目指す事にした。
私が時折仕事の為に通っている道である。

 道中で見かけたガソリンスタンドの灯りが非常に明るかったので、念の為にチェック。
すると先程の♂よりもずっと大きいノコノコ♀がいた・笑。


ノコノコ



〜 白壁(望郷)ポイント 〜


前回も訪れた望郷ポイント。
やっぱり地元はいいなや〜!

途中、自販機ポイントの様子も見てきたが
こちらも同様で今宵はクロカミキリが大発生しているようだ。
クロカミキリは、触角が短くカミキリらしからぬカミキリである(…私の中では)。
…なので、写真は無し☆
その代わりに今回の2目目は、相棒がこの場で発見した
これまた小っさい、カミキリらしいカミキリをご紹介致します。


トガリシロオビサビカミキリ(Pterolophia caudata


体長は12〜16mmと、先程のナガゴマフより更に一回り小さいサビカミキリ属で、
カシ類、ムクゲ、イチジク等の枯れ枝に付くと言われるが
るどるふ先輩のご経験では特に「フジ」に多く見られるそうだ。



〜 夜明け前 〜


 午前3:30、再び相棒邸に到着した。
「これから採集を兼ねて実家へ帰ろうと思うんだけど、どうする???」
いつもならこれで採集は打ち切りとなり、相棒は寝ぐらへ、私は千葉の我が家へ向けて出発するのであるが
今回は相棒も私の意見に乗るようだ。

 休む間もなく、まずは近場のゴルフ場周辺のポイントをチェックしながら(何も採れず)、実家への帰省を開始した。
暫く2走していると、おおぉ!夜明けだ!綺麗なぁ〜♪
携帯電話が鳴り、前方を走る相棒の車から
「この朝陽、写真に収めておいてくれ!」との指示が来た。
言われなくても、もうしっかり撮ってるよん♪

 


今日一日の始まり…素晴らしい景色です。



〜 夏、カブトの実… 〜


 最後に実家付近で、昨年末02.12.31に発見し、以来かなりの期待を寄せてきた防風林に立ち寄ってみた。
03.06.08に引き続き、これで3度目の訪問となる。
確か前回は、溢れ出る樹液に沢山の蝶が群がっていたはずだ。

まずは初回(ポイント発見時)の採集記に記したように、
「是非来夏に訪れて、もう一度同じ場所を撮影てみたい!」
…という願いを、ようやくここで叶えておこう!
青い葉が沢山付いて活力みなぎる夏の風景を1枚♪
いいねぇ雰囲気出てきた!


朝陽が眩しい!すっかり夏らしい風景になりました♪


そして2回目の訪問での感想は、
「もう少し待てば、クワガタ様のご登場かな?」
「カブちんに占領されてる光景だけは見たくないよね・笑」
であったが…。

さぁ3回目となる本日、遂にその結果が明らかに…!


ありゃ?

ありゃりゃ??

あちゃ〜…(^-^;


 何と言う悲しき事態であろうか…
カブちんカブちんカブちん…ざっと数えただけでも20頭あまり、
あっちのクヌギも、こっちのクヌギも、おまけにそっちのクヌギまで
カブちんの実が狂ったようになっていた。
クワガタの姿はコクワちゃんはおろか、他の虫の姿ですら全く見られない。
まさに一番見たくなかった光景が盛大に飛び込んできてしまった。

確かに夏らしい風景ではあったのだけれど…(^-^;
こんなんでも都心の子供らに見せれば、きっと大喜びなのでしょう・苦笑

ま!仕方があるまい☆
期待して見続けて来た場所だけに、少々残念ではあったが
こう言った結末も案外おつな物だぞよ♪(なぁ、相棒よ?)

そんな訳で、今回の朝まで採集行も無事に閉幕、実家に到着したのは午前5:40であった。
お疲れ様でしたぁ〜☆


〜 後記 〜

 今回の収穫物は、何と言っても4匹のタガメだ♪(カブちんの実ではない・笑)
一応これらは、私の家の近所に大切に飼育してくれる友人がいるので、貰って頂く予定である。
このタガメ、近年の環境破壊によりめっきり数が減ってしまったようだが、逆に愛好家は増えているらしい。
都心部のペットショップでは、養殖物でも1匹数千円で売買されている程の人気だそうだ。
まぁ、恐ろしや…(^-^;
結局手元には何も残らないが、今回は灯下におけるタガメ採集の醍醐味を、充分に楽しませて頂いた♪

 そして何だかんだと今回も、「Sきょく」には助けられたようだ。
何しろそこを訪れた途端、暖かい風が我々に吹き始めたのだから・笑。

それにしても、カラスの食べ残しとは言え、遂にミヤップが出てきたか…。
次回辺りから行けそうだね? あぁ!楽しみになって来やがった♪ (カリオストロの城:次元大介風に…笑)


主な確認種 〜

●カミキリムシ科
 ナガゴマフカミキリ
 
トガリシロオビサビカミキリ

●水生半翅類
 タガメ
×4



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