採集履歴

“2003年 朝まで採集” 編(10)



03.08.23
(Sat) 晴れ Night 「延長戦でG.O現る!NEWポイント!ミヤップ♂が沢山♪」 
                                                                                                  

 夏の甲子園!常総学院(茨城)が、東北(宮城)を、0-2というスコアをひっくり返して4-2で見事優勝!
常総の木内監督にとっては、これが最後の指揮となったようだ。 良かったですね〜♪

さて、今日も非常に暑い!当然採集に出かける事にしよう。
相棒は既に16:00には家を出たそうだ。
私もそれになんとか合流すべく17:30に千葉を出発した。
勝浦の建物調査から帰ったばかりだが、「くたびれた」などと言っている余裕はないっ・笑!

本日の目的は、一昨日(03.08.21)に訪れた某山の散策の延長戦だ。
前回は「水浸し」ポイントで、「クワガタの実る樹」を発見することができたが
山の面積が広大であるため、その地理に関してなど、まだまだ分からない事が多すぎる。
ただ一つだけ分かっている事は、
水源や広葉樹種の豊富さ等から言っても、ムシが棲息するのには、とても環境が良いという事…
とにかく、先立つ目標があると俄然やる気が湧いてくるものである。

さぁ、気温・湿度、月齢だって絶好なシチュエーションである!
夏の目標、
(1).色々なムシを見て楽しむ事
(2).ノコノコミヤップス〜ジ〜コクワちゃんアカアシなど普通種のマイ・ギネスサイズを更新する事
この2点も念頭に入れて、行って参ります!


〜 渋滞中…相棒からの吉報☆ 〜


 くそ〜っ…(^-^;
せっかくの気合いも空回り…出鼻をくじかれるかの様に待っていたのは大渋滞であった。

その様な中、相棒からの電話が鳴る…
話を聞いた所
私が千葉を出発した頃には、彼は既に現地入りしていたらしく
早くも新たなるポイントを発見したそうだ!
現場は電波が届かないので、所々話を聞き取りにくかったが
着実に成果を上げている模様だ。
でかしたぞ!

以後、現地の様子を、相棒のインフォメーションに沿って写真を拝借しながらご紹介します☆


 まず、17:30過ぎに発見したというポイント…
数本のボコ×2クヌギがあり、道路を挟んで反対側には清流が流れている。
ここは、「A川」と命名しておこう。
因みに、樹液の泉では極小ミヤップ1♂を確認したという。


「A川」のボコボコクヌギです。

田舎ですね…いい所です♪


 更に先日発見した「水浸し」では、「クワガタの実る樹」の樹上に、またもやミヤップの♂を発見したそうだ!
しかし、そう一筋縄な訳には行かなかったらしく
だいぶ高い所で、7頭のスズメバチンに囲まれていたため
大の蜂嫌いである彼には、樹の幹を蹴飛ばしたり、網を近づけたりする勇気が出なかった様だ。
為す術がなく、相当苦悩したらしい。

ところが幸運な事に、暫くするとそのミヤップ
スズメバチンに邪魔者扱いされたあげく、追いやられ
下へ下へと、自ら移動してきた様だ。
その時相棒は…

 「もっと来い!もっと来い!(^^)」
 「よ〜しよしよし」(ムツゴロウさん口調で)


と呟いていたそうだ・笑
そんな訳で、大嫌いな蜂に助けられ(邪魔をされ?)、本日2頭目となる♂をゲットしたそうである☆


1水浸しの路面上で…この日2頭目です。
1ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♂


しかしこの「クワガタの実る樹」、枝先まで傷だらけだ…至る所で樹液が出ている。
何度見ても凄いなぁ…で、今だ樹種の確認ができていません…(^-^;
どなたかご存知ではないでしょうか??


「実る樹」の枝先に「コブ」が見えます…。


 写真を掲載できないのが残念だが、その後も新たなるポイントを発見したそうだ。
そこは、細めのクヌギやコナラを主体とする、結構な規模の雑木林である。
林の中には、トラップが仕掛けてあったので
地元の方々も通っている場所であろうとの事だ。
付近では、巨大な橋の建設が進んでいたため、「橋桁雑木林」とでも命名しておこう☆


 クワガタだけではない。
街灯横のヤナギ付近では
カミキリもしっかり発見しておった☆
おぬし、なかなかやるなぁ〜 > 相棒
トガリシロオビサビカミキリだ。
体長15mm前後の小さな種だが、フトカミキリ亜科であり、私の好きなタイプである。
各種広葉樹、特にフジに見られる。
う〜ん、いいフォルムだ。


トガリシロオビサビカミキリPterolophia caudata caudata


 最後に、私との合流場所となる「Sポイント」…20:00。
地方新聞に掲載されてしまうほど有名な、多くのファミリーが採集に集う場所であるだけに
あまり期待はしてなかったそうだが
過去、ミヤップの♂68mmを採集したこともある、出口付近のクヌギに
運良くクワガタが残ってくれていたみたいだ。
大歯型のミヤップノコノコの♂がそれぞれ1頭ずつ。
へぇ〜っ、土曜日だというのにまだいたんだ…ビックリである。

それにしても、ここまでの状況を見ても分かる様に、今日は相当ムシが湧いているようだ…
期待できそうですな♪


1Sポイントで…この日3頭目です。
1ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♂




〜 ようやく合流 〜


 Sポイント付近の便利な駐車場で合流したのは、20:30であった。
むむ〜、千葉を出て3時間か、本と遠かった…(^-^;

相棒の車にお邪魔して、上述の様なこれまでの経緯を更に詳しく教えてもらいながら
早速、陽のある内に発見したという某山中のポイント「A川」へ案内してもらった。



〜 A川 〜


 「A川」到着!…21:20。
なるほど、清流の音が聞こえ、とても良い環境だ♪
いわゆる「ボコ×2クヌギ」も散見される。
日中、極小のミヤップ♂を確認したらしいが、それから約4時間が経過している。
さて、何か来てるかなぁ…?
おっ!またおった♪
今日はミヤップ、特に♂の日になりそうである。
同じ樹で、それを立て続けに2頭も発見した。 本日、このポイントでは3頭のゲットとなる。
なるほど、その他にも、沢山のムシが集まっているぞ…いいポイントだね!


ミヤマクワガタ
Lucanus maculife moratus)♂ →4頭目

ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♂ →5頭目

「群がるムシどもの図」…です。



〜 水浸し 〜


 続いては「水浸し」だ。…21:40。
車を降りて直ぐに気づいたのであるが、街灯横の樹(03.08.17に発見)付近にはどうやら採集人がいる模様…
ライトを片手にウロ×2している。
よって、我々はそそくさと「クワガタの実る樹」の方へ移動した。

すると…
彼らも我々に気づいて後を付いてきた…(^-^;

仕方がないので、私がトーク。
聞けばこの採集人のお2方は、神奈川からやって来たご夫婦だそうで
付近でキャンプ中との事…
テントで待っている子供達の為にクワカブを採りに来たのだという。
ただ、ノコノコでもカブトでも同等に喜んで頂ける様なので
「クワガタの実る樹」に集まっている、ありったけのムシを回収して差し上げる事にした。

 しかしこの旦那様、上半身裸だし、サバイバルナイフなんて持っちゃって
 相当、入り込んでいる模様…(^-^;
 どことなく雰囲気が「○神○太」に似ている…。

…で、採集の話に戻そう・笑
ミヤップについては2頭の♂を発見した。
この日、この樹で2、3頭目、通算6、7頭目となる個体である。
ただ、内1頭についてはそこそこ大きく、サイズも64mmあったので、我々がお持ち帰りだ☆

しかし、本当に今日は♂ばかりだ…。
不思議だねぇ〜、以前は♀ばかりの日もあったし…(03.07.25)。


ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♂64mm →7頭目


 先程の街灯横の樹の方も一応チェックしておこうと歩み寄ると
間髪入れずノコノコ♂の大歯型が飛来した。 相棒はそれを見事に網でキャッチ☆
種の枠を越えて、今宵は本とに♂が多いようだ…。


相棒、見事にノコノコをキャッチ!


その後、ちょっとしたアクシデントも発生。
次から次へと、お2人にクワカブを手渡していったはいいが
どうやら入れ物を持ってこなかったらしく
ズボンのポケットに無雑作にしまい続けてきた奥様が
入りきらないよ〜、どんどん出てきちゃうよ〜、…と、困り果ててしまった。
そこで、車の中にあったいらないケースも進呈した。
気が付けばその数15頭程…これらをポケットにしまい込むにはやはり無理があろう…(^-^;

サバイバルナイフの男は、我々に対して
「プロだプロだ!商売すればいいのに!」…と、しきりに訴えていたが
我々はプロではなく、その気は全くない事を強く主張させていただいた…(^-^;

最終的には、良いお友達感覚になってしまい
ちゃっかり一緒に写真を撮らせて頂いた・笑♪
お約束通り、本ページで掲載させて頂きます☆


ちゃっかり記念撮影です♪

先程のノコノコも一緒です。 「水牛だ!」 …と喜んでくれたG氏。



〜 橋桁雑木林 〜


 少々高度を上げて、日中相棒が発見したという2ポイント目、先程は写真を掲載できなかった
「橋桁雑木林」へ向かう事にした。
ポイントに致る坂道の横には、見事なクヌギやコナラの並木が…
ほぉ〜、いい所だ。
途中、谷側に気になる樹が見えたので、一応チェックしてみれば
わずかに滲み出た樹液付近に
にんじんの♂が付いていた。
やっぱり♂か…笑。


にんじんこと、ノコギリクワガタProsopocoilus inclinatus)♂


…で、21:55に現場へ到着!
早速、クヌギやコナラが群生する雑木林の中へ、道路際の低い土手を駆け登って侵入した。
すると、林に一歩足を踏み入れた途端
樹液も出ていないコナラの根元付近でミヤップの♀を発見できた☆
何気に今日の初♀だ♪
更に直ぐ近くの樹の幹には、大歯型のノコノコ♂も来ていた。

各々の樹の太さはさほどでもないが、それぞれから少しずつ樹液が滲み出ている模様…
クワガタも濃い。
なかなか良いポイントであった。

そして、大きさといい、上羽根の黒いツヤ加減といい、一瞬ミヤップの♀と見間違えてしまう
ノコギリカミキリもおった。
体長20〜38 mmの、やや大型の種である
ブナ科、ニレ科、の広葉樹の他、マツ科などの針葉樹も好む。


ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♀

ノコギリクワガタProsopocoilus inclinatus)♂

ノコギリカミキリ
Prionus insularis insularis



〜 街灯横のヤナギ 〜


 日中相棒が回ったというポイントを一通り紹介してもらった所で
腹ごしらえに麓のコンビニへ向かう事にした。
街灯横のヤナギの前を通ったので、一応チェック…
今宵は高い枝先にノコノコの♀が付いていた…分かりますか???


分かりますか?ノコノコの♀がいるんですよ。



〜 灯下! 〜


 コンビニへ寄ってエネルゲンを補給した後は
一端付近の灯下採集に転じる事とした。
これまで回ってきた樹液ポイントへは、暫く時間をおいてから再び行ってみる事にしよう。

いやぁ〜、灯下の方も絶好調のようだ。
凄いムシの量である!
しかし、行く先々がカブトに支配されている…毎度×2、相変わらずの状況であった…(^-^;


  今宵も、カブトの群れは健在でした…(^-^;


 その後、再び某山中に戻り、街灯一つない細い林道を、あてもなくさまよった…。
氷山の一角をかいま見ながら、この山の規模と奥の深さを思い知った。
どこを走っているのか分からなくなったが、好奇心の方が先立って、不安に感じる事はなかった。

暫く流していると、突如大きな通りに出た。
一定の間隔で、とても明るい街灯が並んでいる。
ずっと暗闇にいたので、とても眩しく感じた。

また、これらの街灯ラインに沿って車を走らせてみた所、その距離は相当なものであった。
当然ムシは沢山落ちている。
しかし、交通量も多いためか、殆どがひかれていた…(^-^;
それにしても、周囲の自然環境と言い、この明るさと言い、goodな採集ゾーンであると言えよう。

途中、無人の自販機小屋を発見したので
そこで、甘いドリンクをゲット。 血糖値を上げておこう!
ここにはコクワちゃんなどが来ていた。

ところでこの光景はどこかで見た事ある様な…。


明るい場所へ出ました!

ややや!?我々は 「先輩の細道」 を辿っていた模様です。



〜 3度水浸し 〜


 さぁ、そろそろ樹液の様子でも見に行ってみようか!
この日、私は2度目、相棒は3度目となる「水浸し」の「クワガタの実る樹」へ向かった…23:10。
先程訪れた時から、1時間30分が経過している。
サバイバルナイフのご夫婦も、とっくにテントへ帰られている模様だ…。
さて、新たなるムシは飛来してるかな?

ドキドキしながら、樹上をライトで照らして行くと…
おっ!コブが見えたぞ…何と、またまたミヤップの♂の様だ♪
この日通算8頭目、このポイントでは4頭目となる♂である。 凄い♂率だ…(^-^;

その他、枝先にはノコノコのペアも来ていた☆


枝先にもコブが見えます…。

どうやらノコノコのペアの模様です☆



〜 仕上げは「石U」 〜


 その後、時が経つのを忘れて山中をさまよっていた結果、あっと言う間に日付は変わり、1:00を回ってしまった…。
では仕上げと行きますか!
主の住む「石U」へ、2:00に到着。
こんな時間になっても、莫大な量のムシが気違いの様に飛び交っていた…(^-^;
君らは疲れ知らずか・笑?

服や首筋に小ムシがまとわりついてきて、チョビッツうっとおしかったが
それだけ色々なムシが見られたので、まぁ我慢しよう・苦笑。
ここでは、種々のカミキリを発見。
私の好きな、フトカミキリ亜科であるカタシロゴマフカミキリの他
サビカミキリなどが来ていた。
前者は、体長が20mmにも満たない程の小型種で、モミを初めとする各種広葉樹を好むが
後者は、やや大きく、体長は25mmぐらいで針葉樹の樹皮を好むという…。

クワガタの方も、主の家の近く、ウンテイ灯下の方でミヤップが可愛いお尻を覗かせていた。
…当然また♂であった・笑!この日実に9頭目である。


カタシロゴマフカミキリMesosa hirsuta hirsuta

サビカミキリArhopalus coreanus

ミヤマクワガタLucanus maculife moratus)♂ →9頭目



〜 閉幕 〜


 さすがに一日中動き回って、疲労が出てきた。
そう言えば、ついさっきまで千葉の勝浦にいたんだものなぁ…苦笑。
相棒だって、日中から頑張っている。
またもやコンビニに入ってエネルゲンを補給していると、時計を見れば既に3:00前であった。
これ以上やってたらきりがないかな…
また明日もある事だし、今夜の所はこれで撤収しようか? > 相棒

そんな訳で、いい加減帰宅を決意し、ひとまず本日の合流地点「Sポイント」の駐車場へと引き返すのであった。
今宵の採集行は、これにて閉幕。 …おしまい×2♪


〜 後記 〜

 はぁ〜!くたびれたぁ〜!
しかし、連日の新しいポイントとの遭遇に始まり、かなり沢山のムシにも出逢う事ができた。
これだけ採ってもミヤップ♂のマイギネスサイズの更新には至らなかったが、実に満足している♪

好きな事をやって疲れ果てる…我々は何て幸せ者なのであろうか・笑?
実家への帰宅は4:00前であった。
汗まみれの相棒は、風呂にも入らずベットの上でバタン休〜 …汚ねぇ男だっ(^-^;

 それにしても、あの山の規模・自然度と来たら、とても大きく、高かったねぇ〜。
まだまだ見るべき場所は沢山ありそうだ。
分からない事だらけである。
明日も(今日も・笑?)、現地へ赴く予定だ…今後の展開がとても楽しみである♪

しかし今回は、建設中の巨大な橋桁なども見られた。
自然の中で開発が進む状況を黙って見送るのは本当に心が痛むものだ。
建築が専門の私が言っても世話はないか…苦笑

さ、完全に朝になってしまった。
時計の針は4:50…次の闘いに備え、一時休眠に入ろう☆
おっと、木内監督、おめでとうございます!


主な確認種 〜

●クワガタムシ科
 ノコギリクワガタ : 4
♂♂♂♂ 4♀♀♀♀
 ミヤマクワガタ  : 9
♂♂♂♂♂♂♂♂♂ 1

●フトカミキリ亜科
 トガリシロオビサビカミキリ
 カタシロゴマフカミキリ
●ノコギリカミキリ亜科
 ノコギリカミキリ
●クロカミキリ亜科
 サビカミキリ


本日の収穫の一部です。 ミヤップの♂ばかり…明日リリースしましょう。



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