採集履歴

“2007年 クワガタ採集” 編 (1)



07.04.21
Sat) Mt 「ピリオド」 
                                                                                                  

ここのところ、カミキリムシの分布調査の合間に
クワガタムシ@小型種のチェックも積極的に行っている。

公的なムシの記録 そのものが少ないと聞くエリアをあえて選択し
各所を 訪問し続けているので
是非クワガタについても、新たなデータを蓄積しておきたいのだ。

クワガタ採集の方は、あくまで 個人的な趣味の一環としてやっていることだが
種類によっては、現在依頼を受けている
県版レッドデータブックの調査報告にも繋げられそうなので
そういった意味では時折目を向けておく価値がある。

そんな中、先日 Exitさんから頂いた「ツヤハダクワガタの採集報告」を思い出した。
昨日、久しぶりに ルリ、マダラ、オニを確認したばかりなので
私もこの辺でツヤハダの姿を見ておきたくなった。

昨年の暮れ(06.12.09)に引き続き、できれば未記録の地から。。
という想いは強いが、それが叶わなければ
長年温めて来た、my 赤枯れ材に頼ってみたいと思う。


〜 まずは昨日の山へ 〜


10:40 に実家を出発した。

本当は、かつてヨコヤマがいたというブナ林を訪問するつもりでいたが
そんな訳で(冒頭に示した理由から...)、急遽予定変更。。

3時間もかけて、昨日訪れた山へまたやってきてしまった。... (^ ^ヾ



自力登山もあり...
ここは、辿り着くまでが一苦労です... (^-^;



早速、ツヤハダが宿っていそうな赤枯材を探してみる。

しかし、昨日に引き続きマダラは出るものの
なか×2、本命が姿を現してくれない。。

一緒にやってきた yasu の方は、ヒラヤマコブハナを探し
洞の開いたブナをチェックするため
急斜面を徘徊中。。


写真では伝わりにくいですが
極太のブナが結構生えてます。。



一度赤枯材から目を離し
土中に埋もれたブナ材をチェックすると、材芯部から こんな食痕が。。

一瞬、“おや?”
と思えるものだったが
残念、中型カミキリムシの幼虫が残したものだった。


大型ドルクスのものかと思っちゃいました... (^ ^ヾ


その後も、赤枯材を見て回る。。

ブナ、カツラなど... 良質の材が かなり沢山あるようだが
あまり多すぎても的が絞れない。。

それに、無駄な材破壊だけは なるべく避けたい。。

う〜む... いざ探そうとすると
なか×2 見つけられないものだな。。

時間がないので、ここからの記録は
今後 気長に見ていく事にし
別エリアにある、長年チェックしてきた材を当てにする事にした。



〜 頼りの赤枯材 〜


更に時間をかけて、某エリアへ突入した。
これまでに何度も通っている お気に入りのポイントだ。

車を降りると、真っ直ぐに
斜面上に横たわる いつものカツラ材の所へ向かった。

お久しぶりです〜。。m(_ _)m (今日こそは成虫でいてねっ!)

どれ×2、まずは いつも通り、材全体を大まかに見渡してみよう。。
(相変わらず、想い入れが強い相手とは じっくりと向かい合いたい性分なもので...(^ ^ヾ)

順序だてて、とりあえず上部から削ってみると やや乾燥気味だった。。
続いて下部は、かなり腐朽が進み 材芯部まで半ば赤土の様になっていることが分かった。

そして同時に、これまでと比べ幼虫がいなくなった事にも気づいた。( あれれ〜っ... (?o?; )

単純に減ってしまったのか...? それとも、姿を変えたのか!?

と、その時、後から上部を削り始めた yasu が...


“あれっ!これか!?”


と一声をあげた。


“なぬっ!マジか!”


そっかぁ... 遂に来たかぁ。。

「これ」を 見てもいないのに、すぐに確信の域に達した。

ううっ... これまでに何度ここを訪れた事だろう。。(T^T) (T-T) (T^T)


この黒ピカの上翅...


例え ツヤハダクワガタとは言え
私個人としては、のんびりと気長に付き合ってきた材からの初対面だけに
内心 かなり感動してしまった... (^ ^ヾ

と言うことで、まずは♀から...


間違いないです!


そしてすぐに、♂も出てきたようだ。


ペアで出ました。


どうやら、羽化期を迎えた個体群が
乾燥気味の材上部に集約しているらしい。

そこで私も斜面を這い上がり、再度上部を削ってみた。

相変わらず、材中で死んでいる個体も何頭か見受けられたが
この(↓)ペアが出たことにより
遂に、長年のプロセスに ピリオドを打つことができた☆


ツヤハダクワガタ ♂ ♀
Ceruchus lignarius lignarius
LEWIS, 1883



あぁ... 予定を変更して こちらへ回って正解だったかも... (^ ^ヾ

さて、時刻は早くも 16:30...。

ずっと心待ちにしていた標本用サンプルを
充分に頂くことができた所で
今日はお開きにしよう。。(^-^)v


今日もお世話になりました♪m(_ _)m



〜 後記 〜

19:30 に実家へ到着。。
気持ちに余裕があったせいか、帰りの道中では
両親への土産に チーズケーキなんぞを買ってしまった... (^ ^ヾ

思い起こせば、今から4年前の春(03.05.24)...
自身の目でカツラの倒木に本種の幼虫が宿っていることを確認して以来

04.12.1905.06.25、他2回、計5回...
カミキリ採集の合間にも、まめにチェックを入れつつ

“標本作成の為に、いつかここで成虫を確保しておきたい”

と、常々採集記の中で拘りを謳いながら
ようやく今回6度目にして成虫と出逢う事ができた。

まぁ、既採集のツヤハダクワガタとは言え
細くとも長く続いた 一連の流れを〆ることができ大変良かったと思う。

持ち帰った個体は、標本にして大切に保管してある。

今回も存分に楽しませてもらった赤枯れ進行中の材は
ほぼ丸々残してきたので またいつの日か楽しませてもらおう。。m(_ _)m

ただ、今回採集したエリアは、現在調査依頼を受けている範囲ではないため
近々範囲内からの記録も出しておかねばなるまい。。

うむ... たまにやってみると、やはりクワガタ採集は面白い☆


〜 主な確認種

..
●クワガタムシ科
 ツヤハダクワガタ : 2♂ 2♀





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