採集履歴
“2003年 気になる山を散策” 編(7)
03.08.10 (Sun) 晴れ Mt 「台風一過!柳のチェック+石Uの主にご挨拶」 |
今朝は5:00過ぎに寝た…また、朝まで採集してたから? 違う×2、単に眠れなかっただけ・笑 ここ数ヶ月の週末特有の生活サイクルが身体になじんできてしまったのだろうか!? 恒例のフライデーの採集は、今週はお休み。 昨日土曜も、関東直撃ではなかったが、猛烈な台風に襲われたため… (しかしそんな中、日中近場の下見には出かけたけどね☆身内にバカだと言われました・苦笑) さすがに夜は効率が悪い事を思い知らされ、出かけず終いであった。 例によって、昨晩から実家に戻っている。 今日は絶対に採集に行かねばならないので、9:00には起きて、10:00過ぎには朝トレを済ませた。 まぁ、寝不足の朝トレは平日に何百回と繰返してきたライフワークである。 そんなに苦にはならない。 とにかく台風一過…空はとても晴れ上がり、そして暑い! 先週、柳から落ちてきたアカアシの感触を忘れる事ができず 性懲りもなく今週もそっちの山へ向う事にした。 また、柳帯の分布状況は思ったより広そうなので、それを把握しておきたい。 |
〜 山へ 〜
正午12:00、家を出発。
今日も私は相棒車の助手席だ。
行ってきますよ、Nタワーことバルタン星人。
さすが田舎道…がら空きですねぇ。
山の麓にある喋れるコンビニで、食料を調達し、いざ登らん!
若人の原チャリを軽やかに(笑)追い越していくと、続いては消防自動車に行く手を阻まれた…
せっかくここまで快調に飛ばしてきたのに…何だか出鼻をくじかれた気分?
いかん×2、日曜だというのに、地元のために仕事しとんねん!
お疲れ様です!
そしてバキュームカーとスライド…
最終的には相当な距離をつき合ってしまった…(^-^;
原チャラー
消防車とバキュームカーがスライド…。
まずは前回同様、「小鳥屋さんち」をチェック(14:00)。
林道の入口に車を停めて
てくてくと登っていった。
うっそうとした森林の中を歩くのはとっても楽しい・笑♪
ブ〜ン、と耳元をムシが飛び抜ける…(^-^;
細い林道を登ります。
頂上付近?もう少しで到着です。
到着。
先週同様、数本の柳に蹴りを入れてみた。
すると、ポトポトッ!
今回も、アカアシクワガタが降ってきた☆
けど2♂…期待してあえて一番最初に訪れたのに、ちょっと手応えが足りないかな?
しかし、ゴマちゃんことゴマダラカミキリも降ってきた♪
普通種だが、とても綺麗で大好きなカミキリムシである。
柳の他、ポプラ類、ミカン類を好み、他、クワ類、イチジク等の幹に産卵し
幼虫は材部を食する…。
体長は大型の個体で35mm程度。
アカアシクワガタ(Dorcus rubrofemoratus)♂
ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)
続いては、来た道を少し戻って、「釣り人ポイント」方面を目指し
暗い林道へ車を乗り入れていった。
道幅が狭く、起伏に富んだガダガダ道だが、対向車も結構来る。
すれ違うのは至難の業だ…(^-^;
皆様は、やっぱり釣りに行ってこられたのですか?
それはそうと、道中には思ったより沢山の柳が見受けられた…
我々の柳の判断尺度は、その細い葉である。
ここへは幾度か訪れているが
夏季にここへ侵入するのは実は初めての経験だったので
その青々とした葉が姿を覗かせるまでは、
それらの木々が柳である事に気づけなかったのである。
細い林道を、2kmほどゆっくり進みます。
暫く行くと、明るみに出た。
道端に生えている柳の出現頻度も確実に上がっている。
しかし、時折車を降りて樹上を観察するも、アカアシクワガタを確認する事はできなかった…。
その代わり、あろう事かノコノコの♀を発見☆
見失ったが、どうやら♂もいた模様…。
シチュエーションはバッチリアカアシなのになぁ…。
更に行けば、湿地帯があるはずだ…
期待して進んでみると、思った通り眼前に柳帯が広がった!
見事に群生している…素晴らしい!
(写真を撮り忘れたのが痛い…)
しかし、こんな絶好の場所でもクワガタの姿は見られず…。
いない方がおかしいと思うのだが…ま、仕方がない。
そう簡単にはいかない物ですな…(^-^;
見事な柳帯を見られただけで感動しました♪
ようやく明るみに…右手に柳が見えますが何もおりませんでした。
再びもと来た道をUターン…
実は、この林道の入口付近にも、結構沢山の柳が生えているので
その見事な枝っぷりを写真に収めた♪
実はこの柳、03.04.27にも一度撮影しております…。
随分青々としましたね!
見事な柳が沢山生えております。
てふてふ…☆
〜 まだまだ柳帯! 〜
その後「S林」方面へ車を流した。…16:30
幸先良く、湿地帯の中に、魅力的な柳帯を発見したが
長靴を持参していない我々にとっては、そこまで到達するにはとても遠すぎる距離であった。
よって指をくわえたまま断念…。
しかし、いったん西方に走れば、その様な湿地帯、および柳帯があちこちにある事が分かった。
驚きだ…このような環境は、県内随一であろう。
しかし、相変わらず侵入は不可能なので
道端に生えている柳帯で、様子を見る事ができそうな場所を求めて
のんびりと走り続けた。
すると、すぐに手頃な場所を発見。
それだけ柳が豊富な地域なのである。
道の両側には小川が流れ、概ね30〜40本程の柳が生えており
容易く駐車できるような、ちょっとした広場もあった。
さっそく車を降り、柳の樹上を見上げてみる…
しかし背の高い柳ばかりで、ちょっと見えない。
よって蹴飛ばしてみた。
すると、おっ!
ポトリ×2、と数匹のアカアシクワガタが落下してきた。
ラッキー☆彡
そのうち2♂を採集。
42mm程の個体であった。
この様な湿原が沢山あります。
ここらで様子を見ましょう。
アカアシクワガタ(Dorcus rubrofemoratus)♂
その後も、豊富な自然と柳の量に感心しながら10km以上ドライブした。
途中、とある分岐点を左折した所で、左手の土手に美味しそうな樹を発見!
急遽Uターンし、チェックしてみた。
むむ?これは何という樹だろうか…。
分からないが、シロスジカミキリの幼虫の脱出口や、樹皮めくれが散見され
樹液も沢山出ているぞ…。
そんな樹が2本あった。
地元の方も回ってくるのであろう。
その樹の周囲には篠や、草をかき分けた跡がしっかり残っていた。
クワガタは、小振りながらス〜ジ〜の♂がおりました♪
これは何の樹でしょうか?
スジクワガタ(Dorcus
striatipennis)♂
柳の景色だけをじっくり堪能し、満足しながら下山してゆくと
来る時とは反対側の麓まで降りてきてしまった。
久々にコンビニを見かけたので(笑)、食料を調達し、チョビッツ休憩。
陽も大分落ちてきたので、その後は一気に南下して、灯下採集に切り替える事にした。
東の空からお月様が登場しました!
〜 夜の部…丘へ 〜
行きつけの「OBポイント」に到着…46mmのやや大きめなコクワちゃんの♂
「O団地」では大好きなシマchanを発見♪
「Sきょく」は特に珍しいムシは発見できず…
「Gei」ではついには極小ス〜ジ〜達も消えてしまった・苦笑…19:30
シマゲンゴロウ(Hydaticus bowringii)
明日羽ばたくアブラゼミの終齢幼虫です。
小っせぇカブちんです…。
最近、諦めきっている「Nポイント」を一応チェックするもダメ×2、もぬけの殻であった。
…20:00
はい移動!と、思いきや…
ブ〜ン!とでかい甲虫の羽音が!
すぐに相棒が反応し、注意して足元を照らすと、このポイントで久々のミヤップに出逢う事ができた♪
いなくなった訳ではないのです。
いるんですよ。
ミヤマクワガタも、採集人も…沢山ね☆
ミヤマクワガタ(Lucanus maculife moratus)♀
〜 石Uの主・噂のおやっさんに遭遇! 〜
さぁ、最後に「石U」だ。 …20:30
今宵もムシが湧いているゾ!
しかし、クワガタに関して言えば、どれも中歯型だなぁ…小振りである。
ノコノコ、ミヤップ、ス〜ジ〜…
ん!? ス〜ジ〜??
何気に灯下で見かけるのは初めてである。
そう言えば、ネット上で見かける多くの採集記でも
灯下採集での登場回数は、他のクワガタに比べ、極端に少ないような…
ははっ☆
単に、無視されちゃってるだけだったりして・笑。
ただ、小っちゃいス〜ジ〜でも
しっかり内歯があります…だから私は好きです♪
ノコギリクワガタ(Prosopocoilus inclinatus)♂
ミヤマクワガタ(Lucanus maculife moratus)♂
スジクワガタ(Dorcus
striatipennis)♂
カミキリの方は、針葉樹の樹皮を好むサビカミキリ。
体長は大型の個体でも、25mm程度。
名前の由来は、見かけが錆色をしているから…で、いいのかな??
サビカミキリ(Arhopalus coreanus)
その様な中、突然…
「とれだが〜!?」
との茨城弁がかけられた。 もしや…(^-^;
相棒から話には聞いていたが、これが噂のおやっさんか!?
…なるほど、相棒が言ってた通り、そういや私も一度だけ会った事があるかも・笑
いきなり「石U」の横にある古びた民家から登場し、私の背後にあった石造のベンチに座って
煙草をふかし出した。
こちらの様子に気づいた相棒も、そそくさとウンテイの下から歩み寄ってきた。
アイコンタクトして確認をとると、どうやら彼に間違いないらしい。
実は相棒は、つい4日程前、友人F氏とここを2人で訪れた際も、彼と話をしたそうだ。
相棒は、自身の採集記の中で、その会話の内容をとてもリアルに描写しており、それが結構笑えたので
ここで一部始終を紹介させて頂こう。 (引用元はこちら→鍬形行脚03.08.06)
「03.08.06 相棒(with F氏)、「石U」にておやっさんと遭遇…」 ※私は相棒、男はおやっさんである。
男 : 「いだが〜?」
私 : 「いないですね〜」「クワガタ探してるんですけど・・・」
男 : 「俺は毎晩ここに見に来てんだけども、今年は少ね〜な〜。」「年々減ってるよ!」
「朝方来っといいんだよ!」
私 : 「朝は弱いので、採集なんてとてもできませんね〜!」
男 : 「ははは・・! 俺は今年クワガタ5匹捕まえてんだけども、ほとんど朝方とってんだよ!」
私 : 「今も、カブトムシならいっぱい来てるんですけどね〜!」
男 : 「カブトムシもメスしかいねーべ?」
私 : 「そうですね!」(確かに・・・きっとメスの方が飛びやすいのだろう・・(^^))
男 : 「オスだけみんなもってっちゃうかんな〜!」
(そうなのかな???)
いずれにせよ、このポイントにかなり詳しいおやっさんらしい。。。
男 : 「おだぐらは、金儲けで採ってんのげ?」
私 : 「いえ!採集をたのしんでるだけです」「採った虫はほとんどあげちゃってます。」
男 : 「最近は、東京の方から来て、金儲けの為に探してる奴がいんだよな〜!」
・・・・
男 : 「俺はずっと昔からカブトムシやクワガタ虫の養殖やってんだよ!」
(私はF君と顔を合わせる。。あとで聞いたらF君も私と同様に
「でかい所で、カブトムシやオオクワガタを飼育して卸しとかやってる人かな〜?」
と想像をした。)
F君 : 「どれぐらい昔から養殖されているんですか?」
男 : 「5、6年かな?」
私&F君:「(それって、ずっと昔になるの???)」
私 : 「クワガタは何を養殖されているんですか?」
男 : 「まあ、コクワかな?」
私&F君:「(・・・・)」
どうやら趣味でやっておられるようだ・・・(^_^;)。(養殖って!おやっさん!)
男 : 「子供の採集者が来たらカブトムシあげんだけど、金儲けの人だったらあげね〜んだ!」
その後、カブトムシの幼虫のとれるところを詳しく教えていただいた。。。(^_^;)
なかなかいいおやっさんのようだ。
あまり集中して採集が出来ずに、そのポイントではクワガタの姿を見ることなく後に
することにした。
(かなり長居してしまった(^_^;))
…とまぁこんな具合だ・笑
更に本日、同時間帯にここへ訪れた親子連れに、私がクワガタを進呈している間
相棒はこの様な内容で会話していたという…。
(引用元はこちら→鍬形行脚03.08.10)
「03.08.10(本日) 私のいない所で、相棒、おやっさんと4日ぶりのトーク」
それにしても今日もよくしゃべっていた!
カブトムシ&コクワちゃんだけでなく、金魚やコイも養殖してるらしい。。。
ムシについて、一通り知っていた。今年はナナフシがやけに多いそうだ!
しかし、スジクワガタは知らなかったようだ!
よって先ほど見つけたスジクワガタを見せながら説明すると、
男 :「もう若くないから、そんな小いせ〜の見つけらんね〜な〜!」
と言っていた(^_^;)。。
…とにかく、この恵まれた環境「石U」のそばで、毎年夏が訪れる度に
多くのムシと採集人に出逢ってきた模様だ。
まさに「石Uの主」と呼べる強者である!
今宵は、主の変わり者ぶりを、私もじっくりと堪能させて頂いた♪
まずは、納屋の軒下に巣をつくるスズメバチンを紹介してもらった。
なんでも、その巣がどこまで大きくなるか、観察中だと言う・笑
蜂嫌いの相棒は少々ビビッていた・笑。
せっかくの縁なので
「おじさん、写真を撮っちゃいましょうよ!」
と促すと、照れながらも相棒と写真を撮ってくれた。
(相棒も結構照れていた・笑)
指先(煙草の先)には…
スズメバチンの巣が…!
「さて、結構長居したし、そろそろ帰ろうか?」
と相棒に促すと
先程の撮影で気を良くしたのか
「家のカブトムシ、見てってやってくれよ〜!」
と言って、我々を引き留めようとする…(^-^;
断り切れずに、後をついていくと
玄関で飼われていたカブトムシを拝見させて頂いた。
ケースは鳥籠…
餌にはナスが用いられている模様…(^-^;
計15頭ぐらい入っていただろうか?
相棒は、
「これが前回言ってた養殖場ですね〜!」
…とは口が裂けても言えなかったと言う(…笑えますなぁ)。
これが噂の養殖場ですか…
なるほど、カブちんがゴロゴロ入っています…(^-^;
それにしても、この主の家、古い町並み保存のプロジェクトにも参加させて頂いている
私の目から見ても、文化財的な価値が高いと言える。
いわゆる「農家」タイプに見られる田の字型の間取りだが
土間から見上げる大梁や小梁、桁などが交差して飛ぶ様子は実に見事な造りであった。
聞く所によると、教育委員会から調査を受けた経験や、名のある絵師に写生をして頂いた経験もあるという。
更に、外の軒下に出て、雛壇の上に無雑作に並べられた○○産の焼き物を沢山見せて頂いた。
主ご自慢の品々らしいが、こちらはあまり文化的な物とは言えなかった…(^-^;
たまに娘さんが立ち寄られるとの事だが
お一人で暮らされているとの事で、チョビッツ寂しかったのでしょう…
しかし、色々話をされて、とてもご機嫌の様子であった☆
名残惜しいが、あっと言う間にこのポイントで1時間が経過…
明日は平日だし、そろそろ帰らねばなりませぬ。
また、会いに来ますよ!おやっさん♪
いやさ「石U」の主様!
そんな訳で、本日の採集行は21:30、これにて閉幕。
実家には22:30に到着…。
相棒は、こっちの山の麓へ帰っていった。
また来週!> 相棒
〜 後記 〜
今回も「ムシ」に関する成果については、特にこれと言って上げる事ができなかった。
しかし、そっちの山の湿原、およびそれに伴う柳帯の豊富さ、分布の広さには正直驚かされた。
素人目に見ても、大変貴重である…。
また、相棒から兼々聞いていた「石Uの主」こと「おやっさん」ともお友達になれた事だし
色々と収穫はあったのではないだろうか???
毎年夏が訪れたらご挨拶したいものだね♪
(ただし、時間は程々にね・笑)
〜 主な確認種 (全てリリース、もしくは進呈) 〜
●クワガタムシ科
アカアシクワガタ : 4♂
ノコギリクワガタ : 1♂ 1♀
ミヤマクワガタ : 1♂ 1♀
スジクワガタ : 2♂
●フトカミキリ亜科
ゴマダラカミキリ
●クロカミキリ亜科
サビカミキリ
●ゲンゴロウ科
シマゲンゴロウ